オリンパス(マイクロフォーサーズ)の撮影機材を手放した理由

2023年4月下旬、オリンパス(現OM-SYSTEM)の撮影機材一式を手放したので、その理由をダラダラと書いていきます。

 

 

マイクロフォーサーズのカメラ・レンズを手放した理由

 

カメラ機材が多すぎ問題

登山やクライミングは昔も今も大好きなのですが、「写真を撮る」という情熱に関しては以前と比べて明らかに冷めて来ている感が否めないです。

山の写真をSNSとかブログとかに挙げてあーだこーだ言ってるのよりも、山の中で遊んで・呼吸しているのが楽しくて、山にいること自体が至福の時間だと改めて感じています。登山を始めた頃はどちらかといえば撮影目的みたいな感じでしたが、最近の写真撮影は、山で遊ぶ時におまけで楽しむ程度の位置づけになってしまいました。

そもそもコンテストに出したいとか、写真展がやりたいとか、SNSで称賛されたいとかそういう欲求はあまり高くありません。

ほとんど自己満足で写真撮影している状況。そのモチベーションに対して、カメラとレンズをいろいろ持ち過ぎだと前々から思っていました。

 

当時、所持していたカメラは3つ。

(1)Canon EOS R(フルサイズ)

(2)FUJIFILM X-E4(APS-C)

(3)OLYMPUS OM-D E-M1 Mark3(マイクロフォーサーズ)

 

 

身体がひとつしかないのに、そんなにたくさんカメラやレンズ持っててもしょうがない。

一応それぞれ買った理由はあって、使用用途に合わせて棲み分けはしていました。

 

本気撮影用→キヤノンのフルサイズ(EOS R)

お手軽撮影用→小型軽量な富士フイルムのカメラ(X-E4)

過酷な環境用→強靭な防塵・防滴のオリンパス(OM-D E-M1 Mark3)

 

ただ、そんなに棲み分けて使わなくてもいいんじゃないかと思い始めて、撮影機材の整理を真剣に検討することにしました。

 

一番使わないのはオリンパス

オリンパスのOM-Dシリーズはシャワーぶっかけても壊れない、強力な防塵防滴性能に魅力を感じています。

以前は沢登りによく行っていて、滝の水しぶきをビシャビシャに浴びながら問題なく撮影を楽しんでいたのでOM-Dは大活躍していました。しかし、ここ数年は沢登りに行く頻度(とモチベーション)が激減。

オリンパスのOM-Dを積極的に使う理由が、以前よりもなくなってしまいました。

 

加えて、1月の厳冬期登山でOM-D E-M1 Mark3のバッテリー落ちを経験してしましました。私の中では「OM-Dシリーズは、冬山で使用するとシャッターチャンスを逃してしまう可能性がある」という思いが芽生え、寒い日には撮影に持ち出す頻度が激減しました。

 

撮影頻度とモチベーションに比例して、撮影機材(カメラ・レンズ)を持ちすぎだと常々思ってるというのは上にも書きました。手持ちの撮影機材の中で、最も出番がなくなってきているのがOM-D(マイクロフォーサーズのカメラ・レンズ)なので、手放すかどうか検討すべきと感じました。

 

OM-Dの好きなところ/好きでないところ

オリンパス(現OM-SYSTEM)とマイクロフォーサーズは、撮影機材としてとても面白いものだと思っています。

これからも使い続ける理由があるかどうか、好きなところとそうでないところを比較して、どうすべきかを考えることにしました。

 

好きなところ

・強力な防塵防滴性能。ずぶ濡れになるような環境でも、カメラのことを気にせず写真撮影に専念できる。

・強力な手ぶれ補正。

・被写界深度が広く、寄れるレンズが多いのできのことかの撮影に便利。

・OM-D E-M1 Mark3はキビキビと動き、レスポンスが良いので快適に撮影できる。

 

好きでないところ

・マイクロフォーサーズの画質はフルサイズのカメラに及ばない。画質を犠牲にしもいいからと軽量化を突き詰めると、結局スマホのカメラ機能でも良いじゃないかという問題が出てきてしまうこと。

・-10℃対応で寒さに強いというアナウンスだが、気温がそれ以下だとバッテリー落ちしてしまう。更に、バッテリーがヘタるともっと早い段階で落ちるようになってしまう。これは厳冬期の山で撮影するには大きな問題。寒さへの強さだけで言ったらEOS Kiss X2の方が寒さに強かった。そんな弱点があるOM-Dをアウトドアに最適なカメラとして売るメーカーの姿勢は疑問を感じる。

・製品によってレンズフードとか、レンズキャップとか、ファインダーのアイカップとか小物がすぐブッ壊れる。こういう細かいところの詰めの甘さが、ブランドに対する信頼感を少しずつ損ねてしまう。

・マイクロフォーサーズマウントの将来が心配。OM-SYSTEMは元気がなさそうだし、Panasonicはフルサイズに軸足を移しつつある雰囲気だし…。

 

マイクロフォーサーズは手放すことに

上記の「好きなところ/好きでないところ」で、好きでないところの方に多くの文字数を使ってしまうことになったのが非常に残念です。しかしこれが、マイクロフォーサーズシステムを手放す決め手になりました。

本気撮影用はキヤノンのフルサイズのEOS Rを使って、軽快に撮影したい時の小型機材は富士フイルムのX-E4を使えば、自分の用途では困ることはなさそうです。

きのこ撮影ではマイクロフォーサーズが最高でしたが、きのこのためだけに持っておくってのも…ねぇ。

というわけで、オリンパスのOM-D E-M1 Mark3とマイクロフォーサーズマウント対応レンズたちは、それを必要とする人たちのもとへと引き取られて行ったのでした。

 

記事終わり

 

 

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【オリンパス】OM-D E-M1 Mark3はそんなに寒さに強くない

先日購入したオリンパス(現OM SYSTEM)のデジタル一眼カメラ・OM-D E-M1 Mark3を冬の八ヶ岳で使ったらトラブルが発生してしまいました。

推定-15℃の環境下で、寒さに強いはずのOM-D E-M1 Mark3は正常動作しませんでした。そのことについて書いていきます。

 

【厳冬期】OM-D E-M1 Mark3はそんなに寒さに強くない

雪を纏った山を前にしても写真が撮れない状況

 

冬の八ヶ岳で起きたこと

当ブログは登山やクライミングなどを主に扱っており、冬山にもしばしば足を運んでいます。

今回の事象は気温の低い冬山、標高2200mを超えた地点で発生しました。

 

事象発生:2023年1月6日

場所:長野県 八ヶ岳

ルート:船山十字路→南稜→阿弥陀岳→御小屋尾根→船山十字路

 

登山口で出発時に確認した気温は-8℃。その時カメラは正常動作していました。

問題が最初に発生したのはルートの途中にある立場山(標高2248m)の山頂を過ぎて間もなくでした。

立場山の標識

霧氷もできる低温の環境です

寒い中カメラを剥き出しで持ち運んで撮影していたら、突然「電池容量がありません」のエラーメッセージと共に、電源が落ちてしまいました。

その日のヤマテン(登山専用の気象予報サイト)で、八ヶ岳の主峰・赤岳の予報最低気温が-17℃程度だったので、当時の気温を推定するとあっても-15℃ぐらいったと思います(正確な気温は不明)。

直前までバッテリー容量は90%以上あったのを確認しているので、バッテリーを使い果たしたわけではなさそうです。寒さによってカメラ内部に異常が起きたのだと理解しました。

少し温めたりすればカメラは一応復活したりするのですが、すぐに電源が落ちてしまい、なかなか思ったように撮影できませんでした。

「電池容量がありません」のエラーメッセージ

太陽光をしばらく当てたり、バッテリーをジャケットの胸ポケットで温めたりすれば、一時的には復活するのですが、快適撮影とはかけ離れた状況でした。

カメラが一時復活した時に撮影した写真

阿弥陀岳に登頂し、下山。標高2000m以下の地点で一応カメラをチェックしたら、普通に動きました。日も高くなり、標高が下がって気温が上がったからでしょう。

OM-D E-M1 Mark3はカタログ上では寒さに強いということになっていますが、冬の八ヶ岳の朝方(気温が低い時間帯)では電源が落ちてしまいました。

温かい時間帯や、厳冬期ではない雪山とかなら問題なく使えそうな雰囲気ですが、冬山の稜線上でご来光を狙うとか、気温が本当に低い場面でOM-D E-M1 Mark3を使うのはリスキーだと感じた次第です。

 

スペックを再確認

jp.omsystem.com

さて、メーカーのサイトでOM-D E-M1 Mark3を見てみると。

【絶対的な信頼性→防塵・防滴・耐低温性能】と謳っています。

【主な仕様】では、-10℃ ~+40℃(動作時)、-20~+60℃(保存)ということになっています。

動作環境よりも低い気温で使おうとしたのだから、動かなくても文句は言えない?

 

OMデジタルソリューションズに質問

【企業のお問い合わせ窓口へ、私から質問】

突然のご質問失礼します。先日御社のデジタルカメラ、OM-D E-M1 Mark3を購入させて頂きました。雪山で登山する機会が多く、E-M1 Mark3の-10℃対応という点が魅力的に感じました。E-M1 Mark3は快適な撮影ができるカメラで、大変気に入って使用しております。こから本題に入ります。私は先日(1月上旬)長野県の八ヶ岳へと登山に行きました。標高3000m近い雪山です。登山口の気温は-8℃程度で、その時カメラは正常に動作していました。しかし、山頂に近づき気温が下がっていくと、突然「バッテリーの充電がありません」のメッセージが表示され、カメラが強制終了されて撮影ができなくなってしまいました。直前までバッテリー充電は90%以上あったのを確認しています。エラーが起きた場所の気温は-15℃ほどだったと思います。バッテリーを温めると少しの間動作するのですが、すぐにエラーメッセージが表示されて撮影不可能になってしまう状況で、山頂付近での撮影には非常に難儀しました。下山して気温が上がると、とカメラのエラーメッセージは表示されなくなり、カメラは正常に作動するようになりました。現在カメラは問題なく機能しています。御社のサイトにてOM-Dは耐低温性能を謳っておりますが、-15℃はカメラが対応できない気温ということでしょうか? それとも、-15℃でカメラが正常に作動しなくなったのは、故障が考えられますでしょうか?

 

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【OMデジタルソリューションズからの返答】

ディーアイ様日ごろより、弊社の E-M1 Mark III をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。このたびは、雪山でバッテリー無しの表示となり、撮影ができなくなったことで、大変ご不便をおかけしました。大変恐れ入りますが、動作時の使用可能温度としては-10℃ ~のため、お知らせいただいた環境では動作の保証がいたしかねる次第です。※保存時は ‐20℃ 以上です。せっかくの撮影機会に撮影ができず、大変申し訳なく思いますが、カメラの故障ではなく、カメラが対応できない気温だったことが原因と考えられます。次回、同じような環境で撮影される機会がございましたら、撮影の直前まで、カメラ本体または電池をポケットで温めるなど、ご対処いただけないでしょうか。耐低温の仕様を気に入ってご購入いただきましたのに、このような回答ごなり大変申し訳ございませんが、何とぞご理解くださいますようお願いいたします。

 

他のカメラはどうだったのか

・Canon EOS 6D

-20℃ぐらいになると、液晶表示の切り替わりがもっさりとするのですが、撮影自体に影響はありません。カタログでは動作保証は0℃まで。

 

・Canon EOS R

-20℃ぐらいでも動作は問題なし。ただし、低温下だとビューファインダー内が結露して、EVFが使い物にならなくなることがあります。その時は背面液晶を見ながら撮影しています。カタログ上の動作保証は0℃まで。

 

・OLYMPUS OM-D E-M5 Mark2

E-M1 Mark3よりも寒さに弱いです。-10℃をちょっと下回るとバッテリー異常ですぐに電源が不安定になります。カタログだと-10℃まで対応。意外と寒さに弱いカメラでした。ただし、電源が落ちる寸前に1カットだけ撮影できていたので、こまめに電源をON/OFFすれば一応厳冬期登山でも使えました。

 

・スマホのカメラ

多分厳冬期の山中でその辺に出しておくと、バッテリーがすぐ上がってしまうと思うのですが、ハードシェルの胸ポケットに入れておけばそこまで冷えません。撮影時にサッと出して、撮影が終わったらすぐ胸ポケットにしまうとか、寒気に晒さないように注意して使えば問題なく作動します。ワンポイント撮影だけだったら意外と手堅く使えます。

 

キヤノンのフルサイズカメラは動作環境が0℃までとなっていますが、-20℃ぐらいなら概ね問題なく使用できるというのが経験で得た印象です。

オリンパス(現OM SYSTEM)のOM-Dシリーズは、-10℃対応と謳っていますが、実際のところ低温にはそれほど強くなかったというのも私の経験です。

 

まとめ

OM-D E-M1 Mark3はキビキビ動くし、メカとしてカッチリした作りだし、システム全体を考えると軽量になるし、良いカメラだと思います。

ただし、今回の記事に上げた点は残念だとは思いました。-10℃を上回るマイルドな低温ではタフなカメラなのかもしれませんが、油断していると指がなくなるような低温の環境下(厳冬期のアルプス、八ヶ岳等)では他社のカメラに比べて、特段寒さに強いというわけではないです(優れた耐低温性能とは…?)。

同じ機種でもカメラによっては、厳冬期でも問題なく動作する? 個体差がある可能性もあります。でも十数万出して、冬山でしっかり動くかどうか分からないカメラを買うというのは、結構勇気がいる賭けだと思います。

 

一応-8℃ではカタログ通り正常動作していたので、オリンパス(現OM SYSTEM)が不誠実だとか、誇大広告だとかは思っていないのです。が、期待を裏切られた感はあります。自身を持って-10℃で動作保証するようなカメラなら、-20℃でも普通に使えると思いたいですよね?

冬の八ヶ岳や日本アルプス級の山で、ご来光や夕日、夜景撮影などをする場合、OMシリーズは電源が落ちて撮影できないリスクがあります。厳冬期登山で写真撮影をする場合、私はOMシリーズを選ぶことはないでしょう。

「OM-D E-M1 Mark3は冬山登山に最高のカメラです! 是非オススメします!」と結べる記事になればどんなに良かったことか…。厳冬期の山で使わなければ、非常に良いカメラなんですけどねぇ。

 

 

追記

記事公開の後、頂いたメッセージ。裸で持ち歩くと低温下で電源が落ちるので、カメラバッグに収納(+カイロを中に仕込む)ことで安定して動作するようになったというものがありました。

数年間使ったE-M1 Mark2は、マイナス一桁でも電源が落ちるようになってしまった。

バッテリー交換するとマイナス二桁で普通に使えたので、寒さへの影響はバッテリーの状態(個体差?)にも左右されるのではないかという情報もありました。

OM-D E-M1(シリーズ)が冬山で電源が落ちるというのは、私がもっている個体だけではなさそうです。

 

で、結局こういうことに。

 

 

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OM-D E-M1 Mark3を中古で買いました

なぜこのカメラを買ったかをダラダラと書いているやる気のない記事です。センサー性能がどうだとか、オートフォーカスとか機能がどうのこうのみたいなのは世の中に沢山あるレビュー記事を参考にしてください。

 

オリンパスのOM-D E-M1 Mark3を中古で買いました。

それまで使っていたマイクロフォーサーズのボディはOM-D E-M5 Mark2です。

小型軽量で、沢登りでも安心して使える耐水性も高く気に入って使ってはいましたが、2022年8月に行った穂高滝谷クライミングで突然ブッ壊れてしまいました。しかもブッ壊れたのは滝谷ではなくアプローチの途中というね…。

 

★滝谷クライミングの記事。登攀シーンの写真はスマホ撮影。

 

壊れたE-M5 Mark2の症状はと言うと、電源がOFFにできなくなってしまったみたいな状態でした。一応動くんだけど、常に電源入りっぱなし。オートパワーオフされた後は、バッテリーを抜き差ししないと再起動できなくなるみたいな感じでまともに使う気が失せるような感じ。

電源まわりを修理すれば使えると思うんですが、液晶が割れててヒビ入ってたりしたので、修理に出すとアレコレ総額それなりの金額になりそうだったので、新型を買おうかと考えました。

 

で、次に買い替える候補だったのがOM SYSTEMのOM-5(当時は発表されていなかった)。OM-D E-M5 Mark2の進化版だから置き換えにはちょうどいいかと思っていました。発表をワクワクしながら待っていました。

しかし、発表されたOM-5を見ても、いまいち魅力を感じず。E-M5 Mark2の後継機E-M5 Mark3とそんなに変わらないし何ならそっちに行ったほうがコスパ高くない? みたいな感じ。

E-M5 Mark3の方も、UBS-Cでの給電できないし、バッテリーも貧弱そうだし、どうも食指が動かず。Mark2より軽くなったのはいいけど、どうせ冬山だとまともに動かないだろうしなぁ。

本体やレンズが-10℃対応とか謳っていたとしても、-13℃ぐらいで調子悪くなった場合はメーカーは何もしてくれないぞ! 小さいバッテリーほど低温下ですぐ駄目になるぞ!

 

一時はマイクロフォーサーズのレンズ全部売っぱらってキャノンと富士フイルムの2マウントでやっていこうと考えたこともありました。(普通に考えてそれで十分)

雨の日に真っ先に持ち出すのはマイクロフォーサーズ(OM-D)だし、沢登りとかでずぶ濡れになっても一番壊れなさそうなカメラはマイクロフォーサーズ(OM-D)だし、キノコ撮影で一番使いやすいカメラはマイクロフォーサーズだし(ボケ量が少なくて寄れるのが良い)。

明るくて画質がキレイで寄れるし軽いOLYMPUS 12-40mm F2.8、とりあえずこれ一本でなんとかなる最強の便利ズームOLYMPUS 12-100mm F4、期待を込めて買ったけどあまり使えていないLeica SUMMILUX 9mm F1.7とか、魅力的なレンズを手放したくはなかったです。

いろいろ考えた結果、マイクロフォーサーズはそれはそれで魅力のある規格ではあるので、やっぱり手放すのはもったいないと感じ、とりあえず今安くなってて冬山とかでも安心して使えそうなE-M1 Mark3を中古で買った次第でございます。

どうせすぐどっかにぶつけて傷だらけになるし、ピカピカの新品じゃなくてもいいやみたいな感じで中古市場を見て回りました。自分の身体でさえ大切に扱えないのに、カメラを大切に扱うことができないのです。多少使用感があったとしても、すぐそれ以上にボロボロにする自信があります。新品で買うよりもそれなりにお安めな品をゲットしました。

マイクロフォーサーズというかOM SYSTEM、いつまで続けられるのか行く末に不安を感じていないわけではないので、あまり高額な投資をしたくないというのも本音です。

 

というわけで、我が家にやってきたOM-D E-M1 Mark3。

登場してからある程度年数の経っているカメラではあるし、後継機のOM-1も出ているし、今更「これいいよ!」みたいなレビュー記事を書くつもりはあまりないです。

今後の記事でアスペクト比4:3の写真が登場したら、OM-D E-M1 Mark3で撮ったんだなぐらいに思ってください。

 

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【富士フイルム】X-E4と一緒に揃えたモノ

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先日の記事で、山で使うカメラとして新たに富士フイルムのX-E4+XC15-45mmのレンズキットを購入して使った感想などを書きました。

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今回の記事では、富士フイルムX-E4のカメラ・レンズ以外に購入した周辺機器などをご紹介していきたいと思います。

 

FUJIFILM X-E4と一緒に揃えたモノ

 

サンディスクSDカード Extreme PRO

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個人的に最も信頼を寄せるブランドがサンディスク。カメラを買うたびに新しいSDカードは新調していて、毎回サンディスクのExtreme PROという製品を選んでいます。

幸運にも、これまで今まで一度もトラブルに遭ったことがありません。カードはサンディスク一択。

過酷な環境でも使える耐久性もあるということなので、Extreme PROなら、多分カメラが壊れてもデータは無事なはず。

 

ネジ込み型レンズフード

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アマゾンで売ってた中国製の52mmのネジ込み式レンズフード。遮光性能目当てでなく、レンズ本体前玉保護として。

山の中では基本的にレンズキャップはせず、ずっとレンズむき出しで行動しています。岩とか木とかにカメラがぶつかることが度々あるので、レンズが傷つきにくいように購入しました。

 

CHUMS カメラストラップ

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妻もX-E4を気に入ってくれたので、ちょっとかわいらしいアクセントの入った黒いストラップ(汚れが目立ちにくい)のにしました。

滑り止めかなんかのために裏面にレザーが貼ってありましたが、肌当たりが非常に悪かったので縫い目の糸を切って剥がしました。作った人はちゃんと外で使ってテストしたのかという疑問が残る作り。

肌が痛くなるレザーの滑り止めは非常に印象が悪いですが、滑り止めさえ外してしまえばフツーに使えます。

幅広である程度重い機材にも対応できるフツーのカメラストラップです。

 

PeakDesign アンカーリンクス(のパチモン)

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PeakDesignの純正カメラストラップは、個人的にはちょっとゴツすぎ長すぎで、調整機能とかも要らないので、購入対象から除外。シンプルなカメラストラップを使いたかったので、購入した製品。一般のカメラストラップにPeakDesignのアンカーが装着できるようになります。

ストラップを結構頻回に着脱するので、ワンタッチでストラップ着脱できるようになるのが便利。

純正品がアマゾンで品切れだったので、中国製の安いコピー製品買ったら着脱のスムーズさ若干劣って地味にストレスです。細かいディティールが気になる方は、多少高くてもPeakDesignの純正を買うことを、個人的にオススメしたいです。

 

PeakDesign アンカー・黒

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アンカーは当初、家の中で余ってた赤いのをつけていましたが、X-E4本体と色のバランスを考えて黒いのを買い増しました。

シックなデザインのカメラには、黒のアンカーが似合うと思います。

 

SUNWAYFOTO クイックシュー

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ミニ三脚とかで撮影する場合に備えて購入。一番小さくて嵩張らないやつを選びました。

 

レオフォトのミニ三脚

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長時間露光や自撮りのために使うと思って購入。せっかく軽いカメラを買ったので、三脚も気軽に持ち出せる重量とサイズ感のものを追加してみました。

軽いし、値段を考えると凄くしっかりとした作りなので好印象です。

旅行や登山用ミニ三脚、レンジャーシリーズ(LS)223Cという製品に自由雲台が組み合わさったモデルです。

 

ホットシューカバー

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以前カメラのホットシューに落石受けて凹ませてしまい、使用不可になった経験から。

また落石を受けて壊すなんてことはそうそう無いとは思いますが、なんとなく保護のために付けています。

 

カメラと一緒に買う周辺機材選びの参考になれば幸いです。

 

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【富士フイルム】X-E4(とXC15-45mmF3.5-5.6)は登山に良いカメラかも

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2021年7月、新しいカメラを買いました。

今までずっと気になっていたブランド、富士フィルムのX-E4というカメラです。

使用する場面は山。具体的には登山とかクライミングとか。

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一般的にX-E4は、アウトドアに最適なカメラと紹介されることはあまりなさそうな気がします。

しかし私にとってX-E4は、山で使うに値する魅力溢れた製品です。

山で使うカメラとして、X-E4(と、キットレンズのXC15-45mmF3.5-5.6)の魅力をこれから語っていきましょう。

 

FUJIFILM X-E4+XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ

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登山やクライミングなどに、手軽に持っていける小型軽量なカメラが欲しくて買ってしまいました。富士フイルムのミラーレスカメラ、X-E4、XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZレンズキット。

 

本体外観等

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シルバーカラーを買いましたが、デザインもクラシックテイスト溢れていて好みです。カメラにあまり興味のない妻からも好評でした。

APS-Cサイズ、2610万画素 X-Trans CMOS4センサー搭載。

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本当にシンプルな背面のデザイン。左上部にはビューファインダー付きで、ファインダー派にもウレシイ。

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上面にはシャッターボタン、露出補正ダイヤルとシャッター速度ダイヤル。

 

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本体の底部分。三脚穴が光軸下にないのと、クイックシューを付けるとバッテリー/SDカードスロットに干渉してしまうのが、個人的には気になるところ…。

 

細かな画質評価や、本体のディティールは他のカメラブログやらYoutubeやらを山行にしていただくとして…。

今回はこのX-E4を山で使用するということに関してフォーカスを当てて書いていきます。

 

小ささ、軽さは大切な性能

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小さく軽いことは、登山に持っていくカメラとしては非常に優秀です。

安全で快適な登山のためには、無駄な重量を減らすことが大事です。その中でカメラは、山を登ることだけを考えると、完全に不要な荷物です。

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荷物が軽いと登山は楽になります。体力的な余裕が増すことで、登山上の安全にも繋がります。

カメラの重量が軽くなった分、食べ物、お酒など、山での楽しみを多く持っていくこともできます。

 

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X-E4(とキットレンズのXC15-45mm)の魅力は、なんと言っても、小さくて軽いこと。

本体(X-E4)の重量は364gで、キットレンズ(XC15-45mmF3.5-5.6)の重量は135g。合わせて499g。APS-Cセンサーを搭載したカメラの中ではかなり軽量です。

これよりも軽量なカメラもありますが、ズーム機能の有無や、センサーサイズ、バッテリーの持ちとか諸々を考慮すると、X-E4のXC15-45mmのレンズキットが総合的に山で使いやすいバランスのカメラという結論に至りました。

 

カメラ+レンズで重量1kg超えのカメラを山に持っていくと、咄嗟の動きでストラップにぶら下がったカメラが身体にぶつかって来て痛いことがあります。

X-E4+XC15-45は本体が軽いので、ストラップを付けて動いてもカメラによるボディーブローがありません(あっても本当に軽度)。これは長時間カメラを肩から下げて行動うする時、不快が少なくて良いです。

本体、レンズが軽いのでストラップで肩がけした時にカメラがお辞儀しない(レンズが下を向かない)ので、歩行する時にカメラがぶらぶらと揺れることが少なくなって邪魔になりにくいです。

 

X-E4の得意なこと

「写真やカメラのために山の楽しみをできる限り邪魔されたくない。でも、山の中で見つけた素晴らしい景色を美しく撮りたい」という目的に対して、X-E4は素晴らしい性能を発揮します。

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先に紹介したように、X-E4(XC15-45mmF3.5-5.6レンズキット)はAPS-Cサイズのセンサーを搭載したカメラとして、非常に軽量です。一般的なフルサイズセンサーを搭載したカメラと比較すると、X-E4を持って山の中を歩くと、かなり軽快です。

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軽いカメラを持っていると、重くてゴツいカメラを持っている時と比べて機動力が増すので、山の中を軽快に歩き回って「これ良いな」という景色をサッと写真に収めることができます。「疲れて写真撮るのがメンドクサイ」みたいな写欲の低下も起こりにくいです。

 

背面ボタン類など、シンプルな設定機能しかないので、細かい設定とかの追い込みはそこそこにしておくのが良いでしょう。

適当にオートで撮っても、素晴らしい景色の中だと、それなりに美しい写真が撮れます。

歩く→良い景色を見つける→シャッターを切るといったシンプルなプロセスを楽しむのに向いているカメラがX-E4だと思います。

 

画質

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画質は良いです。

富士フイルムの色味というのは、正直ブラインドで当ててみろと言われても出来る自信はないですが…。写した写真はどれもキレイで満族のできるものです。

フルサイズセンサーを搭載したカメラをメインに使っている自分にとっても、富士フイルムのこのカメラが画質的に大きく劣るという印象はありません。

さすがに暗所でのノイズの乗りとか、ボケの大きさとかは、フルサイズセンサーを搭載したカメラに軍配があがります…。暗所で積極的に使う場合を除けば、満足出来るレベルです。

使ってるレンズがコンパクトの並画質レンズなので、高級レンズを装着すればフルサイズとも十分画質勝負できそうなポテンシャルは感じます。

 

キットレンズ(XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ)

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重量135gで超軽量。使わない時はコンパクトで、電源を入れると本体がニューっと伸びます。

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電源を入れてから撮影可能なるまでいくらかタイムラグがありますが、登山のスナップ用途としては許容範囲内です。

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XC15-45は結構寄れるので、山の中で見つけた小さな撮影対象をサッと撮るのにも便利です。広角端(15mm)で特に被写体に近づけるので、撮影場所の雰囲気を残しながら高山植物やきのこなど、小さな被写体を写すのが楽しいです。

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広角端は23mmスタートなので、他の一般的な標準ズームレンズに比べて、景色をワイドに撮れます。山向き!

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望遠は弱いので(フルサイズ換算で69mm相当)、南アルプスや八ヶ岳から富士山をアップで撮ったり、突然遭遇したライチョウをアップで撮ろうとしても上手く写せない可能性はあります。諦めるか望遠レンズを用意する必要があります。

さすがに開放とかで使うと周辺は甘かったりしますが、その辺は軽さと利便性のトレードオフだと思っています。

 

注意点など

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素晴らしい山歩きカメラだと思っているX-E4ですが、割り切った設計のため弱点というか注意点はあります。

 

操作性

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背面のボタンの操作性はお世辞にも良いとは言えません。

ボタン類は小さくて操作しにくいです。素手ならまあ何とかのレベルですが、寒い時期にグローブをした状態だと余計に押しにくい。

細かい設定を現場で詰めていくとなると、ちょっとストレスになるかも知れません。ある程度は予め設定しておくか、オートで撮るという使い方が良いと思います。

細かく設定を弄りながら作品を作っていくというよりは、スナップシューターとしてサッと使うのが、このカメラの持ち味を活かせそうです。

 

バッテリーの持ち

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バッテリーは、自分の使い方だと1泊2日の山行なら大丈夫でした。2泊以上となると、予備バッテリーが欲しいかも知れません。小型軽量ボディとなると、バッテリーの持ちに関してはどうしても妥協せざるを得ないですね。

USB−Cタイプのソケットがあるので、モバイルバッテリーなどで充電できるのは良い点です。

 

防塵防滴仕様ではない

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このカメラは防塵防滴仕様ではありません。雨の中とかで積極的に撮影するわけではないので、雨の日は山に登らない人(あと、雨が降ってきたらカメラをしまう人)には問題無いといえば無いです。

防塵防滴を省いたのと引き換えにこの軽さと小ささを手に入れたのだから、ここは妥協せざるを得ない点です。

冬山で地吹雪みたいな環境の中撮影するとか、滝撮りや沢登りで使うとか、そういったシチュエーションでは、ブッ壊れるリスクがあります。覚悟を決めましょう。

 

本体に手ブレ補正機能がない

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最近は搭載されている機種も多いボディ内手ブレ補正。X-E4は未搭載です。

山の中だと樹林帯とか日の出の前後とかが光量不足になりやすいので、そういった場面で手持ち撮影することが多い方は写真がブレやすいので注意。X-E4のシンプルな本体は、軽さは良いけどグリップ感はいまいちなので、低速シャッターは苦手な印象です。

キットレンズのXC15-45は、レンズに手ブレ補正機能がついているので、薄暗い場所でもまぁまぁ歩留まりは良いのですが、他のフジノンレンズを装着する場合は留意しておきたい点です。

 

 

最後に

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軽いんだけれども、ボタン類はちょっと押しにくかったりするし、三脚を据えてじっくりと作品作り…といった用途には、向かないカメラかも知れません。

「どれだけ重くて大変でも、美しい作品を撮るためなら頑張れる」「山には写真を撮るためだけに行っている」というような人にはオススメしません。

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楽しい登山の合間に「これ良いな」とか「キレイ」とかをサッと撮影するには、素晴らしいカメラだと思います。

重いカメラは嫌だけど、美しい写真が気軽に撮りたい方という方に使ってもらいたいです。

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X-E4と一緒に買った周辺機器などの記事はこちら

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【キヤノン】RF15-35mm F2.8 L IS USMを登山で使用してみて

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キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ専用の超広角レンズ、RF15-35mm F2.8 L IS USMを山(登山など)で何度か使用してみたので、その感想を書いていきます。

重いけど写りは良い。高いけど良い。超広角(広い範囲を写せる)ので登山などと相性のいいレンズです。 

 

RF15-35mm F2.8 L IS USMを山で使用してみて

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CANON RF15-35mm F2.8 L IS USM

 

超広角レンズについて

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一般的に超広角ズームレンズ16-3514-24という画角のものが多いです

14-24の画角は、本気の超広角レンズとしてラインナップされていることが多く、F2.8通しのフラッグシップ系に採用されていたりします。広角域では1mmの差かはなり大きく、14mmという画角は16mmと比べて明らかに広い範囲が写し出せます。反面、14mmスタートのレンズの望遠端は24mmというのが基本で、望遠端までズームしたところで広角域しか写せません。

14-24mmの他にラインナップされていることが多い16-35mmという画角のズームレンズもあります。広角域は妥協している反面、望遠端35mmは準広角なので、スナップ的な使い方ができたりして、35mmは意外と使い所が多かったりします(レンズ交換が面倒だと思っている人は特に)。自分は16-35mmの超広角ズームレンズを使ったことがありますが、意外と35mmという画角も出番が多いです。

今回紹介するRF15-35mmF2.8Lは、広角側は"標準的な"超広角よりも広い15mm。望遠端は意外とよく使う35mmと、使い勝手の良いズーム域でありながらも、超広角レンズの魅力である広角域を頑張って1mm広げたという画角が魅力。そんなにレンズ交換したくない人にとってはポイントが高いです。持っていく交換レンズの本数を少なくしたい場合にも良いかと。

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(左)RF24-105mm F4 L IS USM

(右)RF15-35mm F2.8 L IS USM

RFレンズのLレンズは見た目がよく似ています。キヤノンRFマウントの標準的なLレンズとしてラインナップされている、24-105mmと比較して、15-35mmはひと回り大きくなっています。

 

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RF15-35mm F2.8をEOS Rに装着した図

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レンズには花形フード付属(ロック機構付き)

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フード装着時

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広角端(15mm)

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望遠端(35mm)では銅鏡が少し伸びます

RF15-35mmF2.8を最初に持った感じは「見た目よりも重くない」でしたが、流石に840gという重量はずっしりとした感じ。結局のところやっぱり重いです。

荷物を入れた登山用ザックを背負った状態で、カメラを肩からぶら下げた感じでは現在メインで使っているレンズのRF24-105(700g)装着時とさほど変わらないです。15kgオーバーの荷物をザックに入れた状態とか、レンズの重量差140gというのは、疲労度が変わるといえば変わるような気もするし、変わらないような気もすれば変わらないというのが正直なところ。長時間肩からぶら下げっぱなしになるちょっと疲れます。今までフルサイズの一眼レフを担いで登山を散々やってきたので、重いレンズだけどもなんとかなる重さ、といった印象です。

機動力を重視した山行をする場合には、持ち出していません(そういう場合はMFTなどをチョイス)

 

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とりあえず導入初日に落として雪まみれにしてしまいましたが、防塵防滴設計のため問題なし。

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別の日にも雪まみれ→雪が溶けてレンズが濡れた状態になりましたが、トラブル発生なし。何度か似た状況になりましたが、とりあえず雪を被るぐらいでは大丈夫そうです。

山で使う超広角

超広角レンズを使うと、現実世界で見たものよりも空間が大きく広がって写せるので、標準的な画角では写せない写真を撮ることが出来ます。

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風景写真、特に登山と広角レンズの相性は良いです。スケールのある景色を余すことなくフレーム内に納められます。

 

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両端がスッパリ切れ落ちたナイフリッジの撮影では、高度感(切れ落ちてる感)が強く表現できます。

 

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山頂など、あまり身動きが取れない(後ろに下がれない)場所で、いろいろな要素をフレームインさせたい場合は画角の広さは便利。

「距離は足で稼げ」と言われることもある写真技術ですが、山では物理的にできないことも多いので、これ以上引ききれない場面ではレンズに頼りましょう。

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山の中だと樹林帯や谷間などで薄暗くなる場面というのは多々あります。そういった場面で、本レンズのF2.8の明るさや手ブレ補正機能は、効果的に手ブレを防いでくれます。開放でも画質は良いので、ガンガン開放から使えるのも良いところ(広角端だと四隅は暗くなりますが…)。

 

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風景撮影にこそ活きる(と思っている)超広角レンズですが、油断しているといとも簡単に自分の影が写り込んでしまいます。太陽の向きには注意が必要です。

 

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新しいレンズだけにコーティングにも力を入れていると思いますが、逆光時に全くゴーストが出ないわけではありません。角度によってはゴーストが出てきます。上の写真をご参考にしてください。

 

35mm(準広角)も使えます

このレンズの望遠端である35mmという画角も、山で使うのに何かと便利です。

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単焦点のポートレート用のレンズとかに比べたら、流石にボケ量は叶いませんが、開放2.8というF値とフルサイズセンサーのお陰で、背景がボケたそれなりに一眼っぽい写真は撮れます。

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準広角の画角は、人物にフォーカスを合わせつつも山の雰囲気を同時に伝える…というのには丁度よい感じです。

奥さんや友達と山に行く機会が多い場合、準広角的な画角は出番が意外とあったりします。一緒に行く人が写真に興味がない人だったりすると、レンズ交換でガチャガチャやって待たせたりすると嫌な顔をされる場合もないとは言えないので、レンズ交換が少なくなるようなズーム域のレンズはありがたい。 

15-35mmは何でも撮れる画角ではないですが、広大な風景と山岳スナップぐらいは写せるので、このレンズだけもって登山などに行くことも度々あります。

 

お値段について

キヤノンのテクノロジーが詰まった純正レンズで、しかも明るいF2.8通しのF値を持ったレンズ。

これが安いわけがありません。

お値段は約300,000円。

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このレンズを買った後、しばらくの間は食卓にもやしと鶏胸肉が並ぶ機会も多かったです…。

デカくて重いし、そのうえ値段が高いしで、全ての山写真愛好家の皆さんに自信をもってオススメします!…とはちょっと言い難いレンズなんですが、写りは良いし画角も使い勝手は良いし明るいズームなので、それが欲しい人にとってはなんとも魅力的なレンズですね。

 

 

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【オリンパス】M.ZUIKO 9-18mm F4.0-5.6は、機動力を生かした山行で最適

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マイクロフォーサーズ対応の軽量・コンパクトな交換レンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6のレビュー記事です。山遊び(登山/クライミング)という使用状況に絞った観点で、本レンズの魅力について語っていきたいと思います。

 

OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6

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OLYMPUS OM-D E-M5 Mark IIにM.ZUIKO 9-18mm F4.0-5.6を装着した図。

 

M.ZUIKO 9-18mmの魅力

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M.ZUIKO 9-18mm F4.0-5.6

M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6は2010年に発売された、マイクロフォーサーズマウント対応のカメラレンズです。新しいレンズではありません。

本レンズの最大の魅力は、9-18mm(35mm換算18-36mm)という超広角でありながら、155gという圧倒的な軽さコンパクトなサイズ。それに尽きます。

このレンズには、素晴らしい解像感とか、とろけるようなボケ味とか、レンズの明るさとか、カメラマニアが期待するような要素は一切ありません

「軽さこそ正義」という、山の世界で役に立つレンズであります。

「ちゃんとした写真も撮りたいけど、この登山(クライミング)は軽量化が肝になるので余計な装備は省きたいという状況」で取れる妥協案という感じ。

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(左)M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6

(右)M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

小型軽量さが売りのマイクロフォーサーズレンズ群ですが、9-18mmは特に小型なデザインとなっています。

 

山×軽さ×超広角

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山は時として息を呑む絶景を見せてくれますが…

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山にいる間は常に絶景を見ているわけではありません

素晴らしい朝焼けとか夕日とかのシーンなんかはたいてい一瞬で、重い荷物を背負って息を切らしながら歩いて…という地味~なシーンが非常に長いのです。地味にトボトボ歩いている時には、荷物は軽いほうが圧倒的に楽です。カメラ機材も当然荷物になるので、軽ければ軽い方が歩きが楽なのです。

 

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こんな岩壁を登る時には、時として装備の重さが通過の成否を分けたりすることがあります。(荷物が重いとたいてい大きくなるので、動きの邪魔にもなるし)

 

レンズの画角(数値が少なければ広く写せる)について。

以下2枚の写真は季節こそ違いますが、同じ位置で撮ったものになります。

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標準レンズの広角端(24mm)で撮影

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9mm(35mm換算で18mm相当)で撮影

山の中では「これ以上動けない」という場所も時々あって(上の撮影場所はテント泊用マットぐらいの広さしかないテラス)、物理的に限られたスペースでの撮影では撮りたいものがフレームに収まらないことがあります*1

よくある標準ズームレンズの広角端は24mmぐらいなので、となると上の撮影場所の場合はクライマーとバックの山を同時に写せないのです。

軽量さとコンパクトさに加えて、M.ZUIKO 9-18mm F4.0-5.6は広い範囲が写せる「超広角レンズ」ということに価値があります。

もともと軽量・コンパクトなシステムが売りのマイクロフォーサーズシステムの特徴を、遺憾なく発揮しているレンズです。

 

軽量・コンパクトがいいなら最近の超広角レンズを搭載したスマホでいいんじゃね? という声も否定しません。(むしろ、軽量化最優先ではスマホが最適解かも?)

ただ、スマホの画質はスマホのモニタで見る分には良いのですが、拡大すると画質が荒れていたりする場合もあるし。タッチパネル対応じゃないとグローブしたままで操作できなし。寒いと使えないこともあるし。どうも自分の用途だと、スマホで写真を撮る気にはなれないので(時々記録写真を撮るためには使ったりする)、軽量コンパクトな機材で超広角な写真を撮りたい場合、M.ZUIKO 9-18mmを装着したマイクロフォーサーズのカメラがよいのではないか…という結論に至ったわけです。

趣味というか自己満足というかどれだけを許容するかという話。

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軽くて比較的かさばらないので、クライミング(リード)でも背負っていけます。

 

ただやはり、画質で言えばフルサイズセンサーカメラ+高解像度or明るいレンズの方が数段良いので、重量増に寛容なハイキングや撮影目的の山行などには、フルサイズのカメラを選択しています。

マイクロフォーサーズの9-18mm F4.0-5.6のレンズでは、ボケを生かした写真は撮りにくいし、星景撮影には向いていない。レンズ/カメラが得意とする用途に合わせて使い分けています。

 

機動力を生かして撮影できる山の世界

M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6を使用し、山で撮影した作例のいくらかをここでご紹介していきます。

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欠点

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M.ZUIKO 9-18mm F4.0-5.6は、山遊びで軽量化が必要な人にとっては良いレンズなのですが、やはり欠点もあります。いくつか気になる点を挙げてみます。

 

防塵防滴設計ではない

オリンパスのPROシリーズのレンズは、OM-Dシリーズ中上級機のカメラボディと組み合わせることで、水洗いにも対応できるような強力な防塵・防滴性が売りとなっています。一方M.ZUIKO 9-18mm F4.0-5.6はスタンダードラインの製品なので、オリンパスの強みである防塵・防滴構造は省かれています。

山の過酷な環境下では、水しぶきを浴びたり、雪にまみれたり、砂埃が降り掛かったりするのはよくあることで、防塵・防滴機構がないと故障率が上がってしまうことは必須。その点が心配です。

 

暗い(F値)

これも(比較的)安価で軽量なレンズに望む点ではないのですが、F値が4.0スタート(望遠端は開放F5.6)なところはやや残念。天気が良い、青空の下の撮影なら良いのですが、暗めの場所でシャッター速度を上げたい場合はどうしてもISOを上げざるを得ず、画質が犠牲になってしまいます。

オリンパスの手ブレ補正機能は素晴らしいですが、被写体ブレは防げないのです…

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被写体ブレの例

 

レンズの繰り出しが面倒

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これは持ち運びモード

持ち運びのコンパクトさを享受するのには仕方のないことなのかもしれませんが、本レンズは使用前にズームリングを回して、撮影できるモードにしないと写真が撮れません。

地味に面倒です。咄嗟にシャッターを切りたい場合は特に。

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広角端9mmの時、レンズは最長となります

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望遠端18mmのレンズ長

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レンズ本体はコンパクトですが、それは持ち運びモードの時。撮影モードの時にはレンズの同鏡が繰り出された状態になるので、見た目的には不格好だと思います。

 

広角端がやや狭い

これも軽量・コンパクトさを求めるが故の妥協点なのでしょうが、広角端9mm(35mm換算で18mm)というのは、超広角レンズの中では写せる範囲が狭目の設定です。

世の中の『超広角ズームレンズ』カテゴリーの中では、広角端が(35mm換算で)16mmスタートが標準的で、中には14mmスタートのレンズもあります。

望遠の1mmは大した差はありませんが、広角の1mmは結構大きいので、広角端16mmとかの超広角レンズを使い慣れると、18mm相当のM.ZUIKO 9-18mm F4.0-5.6は少し画角が狭く感じてしまいます。

 

総評

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カメラ・レンズは数多くの製品が世に溢れていますが、軽い超広角レンズが欲しい場合、選択肢はそう多くありません。

山遊びでは快適さだけでなく安全性の面からも、軽量化が重要になってくることがあります。

その2点を考慮した場合、M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6という選択肢が自然と浮かんできました。このレンズ、軽さと小ささ意外に強みはないですし、山岳写真界隈からは無視されがちな存在だとは思うんですが、私は悪くはない選択だと思っています。

 

 

 

レンズを岩にガンガンぶつけるし、行動中出しっぱしにする時はレンズキャップしないので、プロテクトフィルターは必需品。どうせぶつけて傷がつくので高いのでなくとも良いです。

 

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*1:「画角は足で稼げ」の言葉は通用しない

山でも使える軽量単焦点レンズ【RF35mm F1.8 MACRO IS STM】

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キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ、EOS R本体と一緒に購入した最初のRFレンズがRF35mm F1.8 MACRO IS STM

簡易マクロ的にも使える、画角35mmの小型軽量な単焦点レンズです。

購入後、このレンズが持つ魅力については、過去にまとめました。

今回は、購入後しばらく使用してみて、改めて感じるRF35mm F1.8 MACRO IS STMの良さや、私がメインに使用している山遊び(登山やクライミング)という場面ではどうかという点について書いていきたいと思います。

 

【RF35mm F1.8 MACRO IS STM】山をメインに使った感想

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金峰山山頂。軽快に山を登った後に撮影。

 

小型軽量であることの強み

ミラーレスのボディ+軽量単焦点レンズの組み合わせはやはり軽いです。

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RF35mm F1.8 MACRO IS STMの特徴の一つとして挙げられるのが、フルサイズ対応のレンズとしては小型軽量(305g)なところ。

EOS R(580g)と合わせることで重量は885g。何と比較するかにもよりますが、1kgを切るので、フルサイズセンサー搭載のカメラとしてはそれなりに軽いです。

 

登山では装備を軽くすればするほど、快適になります。

以前に使っていたフルサイズ一眼レフ(EOS 6D)+と標準ズームレンズ(24-105mm F4)では持ち運びには重量感を感じますが、カメラ本体とRF35mm F1.8という組み合わせにすると、かなり軽快に山を歩くことができます。

 

カメラ装備フルセットで持っていくと、キレイな写真は撮れても、装備が重くて歩きが地獄…なんていうことにもなりかねません。

フルサイズの画質は欲しいけど、装備の軽量化も大事!という方にとっては、使い慣れた画角の軽量な単焦点レンズを一つだけ持つという選択肢も良いのではないでしょうか。意外と一本でなんとかなるというのが、個人的な感想。

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RF35mm F1.8 MACRO IS STMの逆光テスト。ゴーストは出ますがそこまで気になりません。

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富士山山頂部にて

 

35mmでも風景はそこそこ撮れる

35mmという焦点距離は、人物をや風景撮影を含め、オールラウンドに使うのには一番勝手の良い画角じゃないかと個人的には思っています。

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35mm一本だと山の雄大な風景を切り取るのには狭いのではないか…という疑念も以前はありましたが、いざ使ってみると、撮り方にもよりますが、35mmでも意外となんとかなることが多いです。

 

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もちろん場面(撮影場所)によっては、「もっと広角のレンズがあったらなぁ」と思うことはありますけど、それは軽快さとのトレードオフだと割り切っています。

レンズ交換なしでスムーズに歩ける分、画角の制約はフットワークでカバー!という考えのもと、歩きながら撮影しています。

 

広角側はスマホでも…

晴れた青空のもとでは、最近のスマホでも結構キレイな写真が撮れます。

流石にスマホで撮った写真は拡大すると粗が目立ったりしますが、スマホの画面で鑑賞とかSNS投稿ぐらいだったら、スマホでも十分な場面もあったりします。

ボケや明暗差を生かした印象的なシーンの撮影はRF35mm F1.8などの単焦点レンズに任せ、記録写真はスマホで撮影…というスタイルもなくはないかな、と最近思っています(本気で作品としての写真撮影がしたい場合は除く)。

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針ノ木岳山頂にて 35mm F1.8 MACRO IS STMで撮影

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同じく針ノ木岳山頂より スマホで撮影


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明暗差のある環境や、色が印象的なシーンなど、ここぞという時にはフルサイズセンサーを持つカメラの出番です。

 

F1.8の明るさ

単焦点レンズといえば、明るいF値によるボケを生かした写真。

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RF35mm F1.8よりも明るいレンズはありますが、もっと明るいレンズは大抵重い(そして値段が高い)ことが多いので、軽量コンパクトなRF35mm F1.8 は山登りで有利。

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動きのある被写体の場合でも、F1.8という明るさのお陰である程度早くシャッターを切ることが可能。(ISO感度を上げて画質を犠牲にしなくてもよい)。

山の中で人(動きのある被写体)を撮影する場合、明るいレンズがあると良いこともあります。

 

簡易マクロとして

RF35mm F1.8 MACRO IS STMは最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ機能を持っています。

本格的なマクロレンズほどは寄れませんが、山の中で見つけたキノコや高山植物などを撮影するには十分寄れます

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等倍マクロの方がそりゃしっかり寄れますが、本格マクロの領域だと、手持ちでは手ブレがどうしても発生しやすくなってしまいます。三脚なしで手軽に撮影…という場合、35mm F1.8 MACROぐらいの性能でも、山の中では十分なケースも多いです。

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山歩きを楽しみながら、足元の気になる景色をクローズアップ撮る…という場合では、RF35mm F1.8 MACRO IS STMの性能は、レンズ交換の手間もなく、スピーディに撮影に移行できるので便利です。

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下山後メシの撮影

下山後の食事…普段は食べることのない、出先の土地での料理。食事の前にその料理写真を、ついつい撮りたくなってしまいます。

ただ、大きなカメラをもっての入店・撮影はちょっと恥ずかしい気もするし、スマホの撮影では味気ない…と私は思ってしまうことがあります。

そんな時には軽量単焦点レンズの出番。

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RF35mm F1.8 MACRO STMは小さめのバッグの中にも入れておけますし、接写もできるし明るいレンズなので、店内での撮影にも便利。

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まとめ

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RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、山でもなかなか使えるレンズです。

正直言って「もっと広角のレンズを持ってこればよかった!」と思うこともあるのですが、軽量で持ち運びが本当に楽

山を楽しく歩きながら、キレイな写真を撮ることができる点が良いです。

カメラボディ+ズームレンズ各種+三脚とか持っての山歩きは、確かにキレイな写真は撮れますが「山を歩く楽しみ」みたいなのがある程度犠牲になってしまう場合も。誰かと一緒に登山する場合、相方が写真撮影に対して理解がある方なら良いのですが、そうでない場合は白い目で見られてしまうことも。

単焦点レンズが一本だけだと、画角的な制約があり苦労することもありますが、それだけに「この画角でどう撮れば結果が出せるか」ということを考えるきっかけにもなります。

便利なズームレンズを持って山に行くことが多いですが、RF35mm F1.8 MACRO IS STMを一本だけもって山に入るのも楽しいです

 

 

 

 

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【OM-D E-M5 Mark II】カメラを水没故障させてしまったので、保険を使った話

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先日OLYMPUSのミラーレスカメラ、OM-D E-M5 Mark IIを(12-40mm F2.8レンズも)沢登りで水没させて故障させてしまいました。

 

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水没後、完全に起動不能となってしまったOM-D E-M5 Mark II

そんな時、入っててよかった保険サービス!

沢登り用カメラの水没故障とその後についての顛末を記していきたいと思います。

 

OM-D E-M5 Mark IIの浸水故障と保険対応

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悲劇の引き金となった沢登り(柿其川)

 

沢登り中に起きた悲劇

2019年8月11日、長野県の南木曽町にある柿其渓谷で沢登りをしてきました。

 

沢登りでの写真撮影は、カメラが濡れてしまうリスクがかなり高いので、耐水性に優れたオリンパスのOM-D E-M5 Mark IIというカメラをいつも使っています。

 

沢では毎度のことですが、水しぶきを浴びながらの写真撮影。カメラは濡れていますが、途中までは完全にノートラブルでした。

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OM-D E-M5で撮った最後の一枚

この後、カメラをザック上部のポケットにしまいました。

そして、背負っていたザックを一旦下ろしてあれやこれややっている間に、ザックが半ば水没した状態で水中一回転。

カメラを入れていた上部ポケットに浸水が発生し、ポケット内部がプール状態に(水没後、いくらか時間が経過してから気づいた)。

その後撮影をしようとしてカメラを取り出してみたら、レンズ内部にも浸水しているのに気づきました。ひと目で「これはヤバい状態」ということを認識。その時カメラは瀕死の状態でした。

 

故障状況

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浸水の影響でセンサー部分に水滴が見られる

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レンズの内部にびっしりと水滴が

オリンパスのOM-DとPROレンズは高い耐水性も売りになっているので、外部から水が入りにくい構造となっています。

状況から推測すると、カメラが完全に水に浸かった影響で、マウント部分からじわじわと水が侵入。カメラの核となるセンサー部分や、耐水性のないレンズの後玉へと浸水が伝っていったことが、今回の故障原因であると考えられます。

 

【症状】

【OM-D E-M5 Mark II】

内部への浸水。センサー部分への水滴の付着。ビューファインダーの曇り。

バッテリー室、SDカードスロットへの浸水。バッテリー、SDカード共に濡れた状態。

乾燥させたあと、バッテリーを入れた状態で電源をONにしても反応はないが、軋むような起動音あり。通電はしている?

電源をOFFにしても起動音はなり続ける状態。バッテリーを外すと音は消える。

当然、外部からの操作は全く受け付けない。

 

【M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO】

前玉、後玉に水滴がびっしりと付着している状態。

水滴が多すぎて、まともなイメージの撮影は不可能。

長期間乾燥を続ければ水滴は消失する可能性はあるが、防滴シーリングの影響で時間がかかりそう。水滴が消失したとしても、水滴の跡がレンズに残るため、画質による影響は避けられない。

電子部品の生死に付いては、OM-Dが完全に操作を受け付けていない状態なので確認不可。

 

入っててよかった水没対応保険

浸水の影響で完全に復旧不可能な状態となってしまったカメラ・レンズ。絶望的な状況と思いきや、救済策ありです。

OM-D E-M5 Mark IIを購入した時、すでに沢登りで使う予定でした。そのため、水没のリスクを考えて『保険』に入っていました。

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アマゾンがヤマトロジスティクスと提携して販売している、『クロネコ延長保証』というサービス。カメラ・ビデオカメラ対応の3年間補証プランというものに、カメラ購入時に追加料金を払って加入していました。

自然故障だけでなく、落下や水没などの物損故障も対応する保険サービスとなっています。

 

OM-D E-M5 Mark II + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 Proレンズキットを購入したのが2018年の5月28日。保険の加入も同日で、保証期間は3年間。

価格(2018/5/28当時)

OM-D E-M5 Mk2レンズキット:129,958円

3年保証プラン:11,380円

 

問い合わせ開始から対応

2018/5/28 OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II 12-40mm F2.8 PROレンズキットを購入。クロネコ延長保証も同時加入。

 

2019/8/11 沢登り中にカメラが水没故障。

 

8/12 カメラを購入したAmazonを通して、今回加入していた保険会社であるヤマトロジスティクスに故障の連絡。

 

8/13 ヤマトロジスティクスから、保険についてのメール連絡。故障状況・症状についての質問あり。

詳細な故障状況について、その日のうちにメールで返信しました。

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実際の返信画面

クロネコ延長保証の免責事項について、気になることがあったので、メールの返信に合わせて質問。

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実際の返信画面

気になっているのは以下の項目。

・今回の故障は沢登り中に発生。

・保険の免責事項の中に「メーカーが定める想定された用法を超える過酷な使用に起因する故障及び損害」という項目があり、水濡れのリスクの高い沢登りはその「過酷な使用」に当てはまるのかどうか。

・沢登りが「過酷な使用」に当てはまるとしたら、アウトドア活動と撮影における「過酷な使用」の線引はどのように行っているのか。

今回、カメラの故障は沢登り中に発生したことを正直に伝えていました。もし「そんな条件でカメラを使うお前が悪い」とか言われたら悲しいので、「じゃあどこまでの仕様ならOKなのさ?」ということもハッキリさせておきたかったわけです。

 

8/15 ヤマトロジスティクスから返信。

・問い合わせに対して、防滴・完全防水などの規格があるので、その規格によって案内が変わる。

・ヤマトロジスティクスはその資料を持っていないので明確な案内は不可能。

・修理依頼品の送付方法を連絡するので、ヤマトの窓口から「着払い」で送ってほしい。

保険会社であるヤマトロジスティクスでは「過酷な使用」については判断はできず、メーカー(今回の場合ではオリンパス)の修理部門が故障したカメラを診断して判断を下すようです。

 

8/16 水没故障したOM-Dとレンズを着払いにてヤマトロジスティクスの窓口へ発送。

 

8/27 ヤマトロジスティクスから連絡。

・メーカー診断の結果、修理は不可能。

・ヤマトロジスティクスのサービス規定に基づき、代替品(新品の同機種)を提供する。

・代替品(新品の同機種カメラ)は、延長保証をつけることはできない。

・今回故障して修理依頼に出したカメラの返却はできない。

・この提供を以て、今回加入していた保証を終了する。

代替品(新品のOM-D E-M5 Mark II+M.ZUIKO 12-40mm F2.8 Pro)の送付先を連絡して欲しいということだったので、その日のうちに自宅の住所をメールにて返信しました。

 

8/30 Amazonからの荷物が自宅に到着。

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新品になって帰ってきたOM-D E-M5 Mk2と12-40mm F2.8

購入から1年以上経過しているので、いくらか自己負担金が発生するかと思いましたが、 請求はなし。購入時よりカメラの価格が下がっている為?

保険期間中、物損保証が効くのは1回きりなので、次に壊した場合は、自腹で修理もしくは新品の購入が必要となります。

次は水没させないように気をつけていきたいです。

 

 OM-D E-M5 Mark II耐水性の限界について

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シャワー程度の水圧なら余裕で耐えられる

沢登りなど、水濡れが想定される環境での使用について、OLYMPUSのOM-Dシリーズには高い信頼性を置いていました。

しかし、OM-Dは高い耐水性を持っているものの、「完全防水ではない」ので、当然ながら水濡れの許容範囲については限界があります。

 

【個人的な感覚での、OM-Dの耐水許容範囲】

・シャワー、雨など、水がかかる状況での使用

  →問題なし【◯】

・カメラを半分水に浸けた、言わば半身浴状態での使用

  →何度か行ったが、トラブルなし。しかし今後も大丈夫な保証はない【△】

・カメラが完全水没した状態

  →マウント部、バッテリー室、SDカードスロットへの浸水あり【×】

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高い耐水性を持つOM-Dシリーズだが限界はある

 

ちなみにSDカードは、信頼のSanDisk(サンディスク)・Extreme PRO(エクストリーム・プロ)を愛用。

今回の水没事故でSDカードスロットに浸水があり、SDカードも水濡れ状態でしたがデータは無事でした。

これまでもエクストリーム・プロはノートラブル。これからもエクストリーム・プロを使い続けるでしょう。

 

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登山で使っているカメラ『EOS R』詳細レビュー

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Canonのフルサイズミラーレスカメラ、EOS Rを買ってしばらく使ってみました。

山のことをあれこれ扱う当ブログらしく、『山』でEOS Rの使い心地はどうなのかということを中心に書いていきます。

 

Canon EOS Rを山で使ってみた感想など

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雪山で

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夏山で

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森の中で

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岩場で

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海外で

 

オートフォーカス(AF)

RFレンズ及び、キヤノン純正のマウントアダプターを介してEFレンズを使った時の話です。(サードパーティ製のレンズは未検証)

オートフォーカス(AF)は、基本的には優秀です。特にUSM(Ultra Sonic Motor)を採用したレンズの場合は、スッと素早く正確にフォーカスが合います。薄暗い場所でもきっちり仕事をしてくれるので、AF性能は高いと思います。

ただし、山で撮影している時に、気になることがひとつ。キヤノンの自信を伺わせる正確かつ暗所に強い(低照度合焦限界-6EV)とされるEOS RのAFですが、『日の出の場面』など、暗さと明るさが混合している場面でAFを使うと、時々上手く合焦しないことがあります

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このような場面でAFが被写体を上手く認識してくれないことがある

一眼レフ(EOS 6D)のAFでは迷わなかった場面で、明らかに迷いが生じるケースが時々。何度かAFボタンを押すと、そのうち焦合してくれるので、実用面では凄く大きな問題ではないですが、小さなストレス。他は概ね問題なし。

 

顔認識(瞳認識)AFについてですが、機能的にはまぁこんなもんかという感じ。山ではポートレートをほとんど撮らないし、人を撮るにしても背景込みの被写界深度の深い写真がほとんどなので、顔(瞳認識)AFの精度についてはあまり雄弁には語れるほどに使っていません。

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山での人物写真は、背景を入れたいので被写界深度は深くなりがち

 

顔(瞳)認識AFで少し気になる点は、AFを全画面モード(顔・追尾優先AF)にしないと作動しないこと。

この辺は、顔認識ONにしておくと、一点AFモードでも自動的に顔認識に切り替わるOLYMPUSのOM-DのAFの方式の方が個人的には好きだったりします。この辺は個人の好みの問題。

 

電子ビューファインダー(EVF)

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EOS RのEVF(電子ビューファインダー)は、詳細で見やすく、良いものだと思います。

暗い画面だと表示がスローになってカクつくこともありますが、暗所でもまずますの使い心地。

ただし、EVFで見た像と、実際に撮影した画像の色味や明るさが違うことがあり、ちょっと気になりました。光学ビューファインダー(OVF)の一眼レフから、電子ビューファインダー(EVF)のミラーレスに乗り換えるメリットのひとつに、リアルタイムに撮影結果を参照しながら撮影できる…というメリットを期待していましたが、条件によってはそうならないこともあります。

あとは、当たり前ですが、EVFは電源オン状態でないとファインダー像の確認はできません。じっくりファインダーを覗き込んで構図を決めたい時には、OVFを採用した一眼レフの方が、バッテリーのことを気にせず済みます。

 

 

電池もち

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3日目…バッテリーは、まだ持っている…

電池持ちは、基本的にほぼ同じバッテリーを共用するEOS 6Dと比べると、明らかに悪くなっています。

一眼レフのEOS 6Dと比べると、体感的には1/3以下の電池持ちです。

バッテリー消費量の増大は、OVFの代わりにEVFを採用しているなど、電子部品が増えているミラーレスカメラの宿命とも言える事項なのである程度は覚悟していたのですが…。やはり、電池持ちは悪いと感じます。

泊まりで何日間か山に入る場合、充電ができなくなってしまうので、遠征登山などではミラーレスより一眼レフの方が有利なのかもしれません。

とりあえず、スイス旅行でツィナールロートホルンを目指した時は、(充電ができない環境で)2泊3日の行程となりましたが、あまり無駄に使わないように心がけたらバッテリーは1つでなんとか持ちました。念の為予備バッテリーも持参しましたが使わずに済みました。

このことから、EOS Rのバッテリーは、一眼レフカメラと比べると明らかに持ちが悪いですが、物凄くバッテリー持ちが悪いかといえばそうでもないといった認識です。 

 

画質

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EOS Rの画質は良いとは思うんですが…。数年前に発売された一眼レフのEOS 6Dと比べた場合、どれぐらい良くなったか聞かれたら「自分の目だと、ひと目で差が分からない」という結論です。

フルサイズセンサーカメラと、スマホとかGoproとかで撮った写真を見比べれば、画質差は一目瞭然ですが、それなりのレンズを装着した今どきの一眼/ミラーレスカメラで撮り比べた写真は、パッと見それほど画質に変わりないような気がします。

重箱の隅をつつくような撮り比べをしたなら、差はあるのかもしれません。

 

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EOS Rで撮った写真か、EOS 6Dで撮った写真か、パッと見で判別できますか?

 

良い点も言及しておきます。EOS 6Dは2020万画素で、EOS Rは3030万画素。画素数アップして一画素あたりの受光面積は減っているはずなのに、EOS Rの暗所性能は6Dと変わらないかちょっと良くなっているような印象なので、センサーは世代を重ね、少しずつ進化しているようです。

 

同じキヤノン製品でも一眼レフ用のEFレンズと、ミラーレス用のRFレンズは、実際に撮り比べてみた結果、新しいRFレンズの方が画質が良かったです。しかし、その画質差よりも、撮影のロケーションとか撮影者のセンスの方がよっぽど結果に影響しそう。

同じ焦点距離とF値(24-105mm F4)のEFレンズとRFレンズの比較をしてみた記事

 

レスポンス

一眼レフの場合、電源を入れると即座に撮影可能となるのですが、ミラーレスカメラの場合、電源を入れてから撮影できる状態になるまで、若干のタイムラグがあります。

一眼と比較するとバッテリー持たない問題があるミラーレスカメラだから、こまめに電源はオフにしておきたい。でも、電源オンにしたとき、起動まで時間かかるのはストレス。

EOS Rの場合、電源オンから撮影可能となるまで、1~2秒ぐらい待たないといけません。しかしそれでシャッターチャンスを逃したということは数回ぐらいしかないので、山で使う分には、起動時間はそれほどストレスにはなっていない感じ。

山だと決定的瞬間に、咄嗟にシャッターを押したい!という場面はそれほどないですね。雷鳥とかカモシカとかに遭遇したときぐらいか。

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高山帯で突然出てくる雷鳥

 

操作性

直感的な操作に関しては、以前の記事にも書きましたが、EOS Rの操作性はあまり良いとは思えません。

いろいろ自分でカスタマイズすれば、「使えなくもない」レベルまでは改善できるという印象。それは、今でも変わりません。

登山の際には、AVオート、一点オートフォーカス設定で、山のスナップ写真を基本にしつつ、場面によって変更(人を撮る時は瞳優先AFにするとか)という運用方法にしています。

絶望的に使いにくいというわけではないですが、ちょいちょい設定を変更しながら撮る人の場合は、ボタン類が省略されたEOS Rは使いにくいカメラかもしれませんね。

設定は基本的に固定で、時々状況に合わせて設定を変更する…というような、(自分のような)使い方の場合、慣れたら操作性に関してはそれほどのストレスにはなりません。

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人が動く写真は、風景と違って比較的頻繁に設定を変えて撮ったりするので、設定は直感的に・瞬時に変更できるに越したことはない。

 

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電源スイッチ

未だに好きではないのは電源スイッチの形。溝が掘られた丸形のスイッチを横に回すことで電源のON/OFFができます。

これ、素手で扱う分には問題ないのですが、手袋をした状態だと指が滑ることがあって操作がしにくいのです(できないわけではない)。冬山だと手を保護するために手袋を外せない場面が出てくるので、この操作が割とストレス(寒いと電池のもちが悪いのでこまめにOFFしたいし)。さらに、溝のところに雪が溜まって凍って固まり、ON/OFFできなくなってしまったことが一度ありました。ピッケルでぶっ叩いて氷を割ったらON/OFFできるようになりました。この電源スイッチ形状は時期モデルでは改善を期待したいところです。

 

堅牢性

EOS Rをしばらく使ってみて、山での使用に関しては、目立ったトラブルも無く概ね信用できそうというのが現在の印象です。

今後、故障が発生した場合は印象が変わってくる可能性もありますが…。

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とりあえず、雪をかぶったり水滴がかかったりすることは何度もありましたが、今の所内部への浸水らしきものは発生していません。防塵防滴構造なので、多少濡れる可能性のある場所でも使えます。

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こういうのはEOS Rでは無理

さすがにOLYMPUSのOM-Dシリーズのように、シャワーをぶっかけるような気にはなりませんが、山の中で使う分においては、おおよそ問題なさそうな気配。

 

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何ヶ月か使用で、岩にぶつけたり、落っことしたりしたこともありましたが、特に不具合が発生したりということもありません。

あ、落石がクイックシューに命中したせいで金属部分が凹んで、外部ストロボが現在装着できないとうトラブルが発生しています。でもそれは、どのメーカーのカメラでも同じくダメージを受けるであろう為、レビューとは別の話。

総評

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キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ、EOS Rですが、「山で使えなくもない」というのが現在の認識です。

外の撮影で重要となるバッテリー持ちに関しては、一眼レフのEOSシリーズと比べると、明らかに持ちません。充電のできない長期山行や、1日1000カットも撮るような場合では、まだ一眼レフの方が優れていると思います。

純正のマウントアダプターを使えば、一眼レフのEOSシリーズの、豊富なEFレンズ資産がトラブル無く使えるというメリットはあります。一方で、EOS Rの独特の操作性は、従来のEOSユーザーにとっては慣れるまでストレスでしょう。

フルサイズミラーレスカメラ、EOS Rシリーズ専用に開発されたRFレンズは、2019年8月現在、24-105mm F4 Lと、35mm F1.8の2本を所有しています。両レンズ共に、画質や使い勝手は良く、大変気に入っています。

RFレンズにはキヤノンの本気を感じるので、今のうちにRFレンズを揃えておく意味も込めてEOS Rに移行するも良し(自分がそう)。もう少しレンズラインナップが拡充して、山でもっと使い勝手の良さそうなボディが発売されるまで待つのもアリだと思います。

 

 

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【ツェルマット周辺】マッターホルン撮影・展望ガイド

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スイスを代表する名峰であるマッターホルン(Matterhorn 4478m)。

そして、マッターホルンを始めとした4000mの山々に囲まれた山岳リゾート街のツェルマット(Zermatt)は、世界中から観光客が押し寄せる人気の場所です。

今回の記事では、スイスの人気観光地・ツェルマットを起点とした名峰・マッターホルン撮影・展望スポットのご紹介していきます。

 

マッターホルン撮影・展望にオススメの地点【ツェルマット起点】

 

ヘルンリ稜

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ヘルンリ稜(Hörnligrat)とは、マッターホルン初登ルートであり、現在に置いてはマッターホルンのノーマルルートと呼ばれ、東壁と北壁に挟まれた形で存在する尾根です。 

マッターホルンが紹介される時には、このヘルンリ稜を中心としたアングルで撮影されたものが大半を占めています。

 

ツェルマット市内

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お手軽度★★★

ツェルマット市内から、スイスチョコレートのパッケージ等でお馴染みの、マッターホルンが気軽に見れれます。

特にツェルマット中心部の教会から川の方へ数分歩いた先にある通称『日本人橋』からは、市内からでも素晴らしいマッターホルンの全容を見ることができます。

ちなみに日本人橋は名前の通り、日の出の時間には大勢の日本人ツアー客が詰めかけます。静かな朝日を鑑賞したい場合は別の場所がオススメ。

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ツェルマットでは街中のいたるところから、マッターホルンの姿を見ることができます。

 

スネガおよびロートホルン

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お手軽度★★

マッターホルン市内から発車しているケーブルカーで楽々行けるのがスネガ(Sunnegga 2288m)。そのスネガからロープウェイで更に上がった先にあるのがロートホルン(Rothorn 3101m)。

ヘルンリ稜を中心とした定番のマッターホルンのシェイプと、麓にあるツェルマットの街を同時に見渡せるアングルが魅力です。

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ツェルマット市内からスネガまでは、朝焼けのマッターホルンを見るための早朝便も運行しているらしいです(時間要確認)。

自分は暗いうちにホテルを出て、歩いてスネガまで上がりましたが…。

 

A18 地球の歩き方 スイス 2019~2020

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  • 作者: 地球の歩き方編集室
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド・ビッグ社
  • 発売日: 2019/04/18
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マッターホルン東壁

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マッターホルンの東壁からのアングルは、山がより急峻に見えることが特徴です。

定番のマッターホルンとは違った、天に突き上げるような角度のマッターホルンを撮影したい場合は、東壁を中心としたアングルを。

ロープウェイや登山電車を使って上がれるところが多く、お手軽に高度を稼げる点(金に物を言わせれば)もウレシイ。

東壁側は旗雲がかかりやすいので、天気の良いことが多い午前中が狙い目か。

 

ゴルナーグラート周辺

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お手軽度★★

ツェルマット駅からほど近い、ゴルナーグラート(Gornergrat)行きの登山電車に揺られること約1時間で、標高3000mのゴルナーグラート駅に到着です。

幅広い尾根であるゴルナーグラート(グラート=gratはドイツ語で尾根という意味)のどこからでも、マッターホルンが見ることができます。歩き疲れたら尾根の各地に点在する電車駅から麓のツェルマットに帰れるお気楽ハイキングを写真撮影に組み入れれば、旅は更に充実することでしょう。

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ゴルナーグラート周囲には、逆さマッターホルンが見える池が点在しています。写真の池はRotenboden駅の近く。

図のような逆さマッターホルンと朝日の写真を撮りたい場合、登山電車の運行前に麓のツェルマットから脚を使って駆け上がるか、ゴルナーグラート付近のホテルに宿泊する必要があります。

 

マッターホルングレイシャーパラダイス

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お手軽度★★

ツェルマット市内からロープウェイを乗り継いだ先に到着できるのが、マッターホルングレイシャーパラダイス(Matterhorn glacier paradise)。その標高はなんと3883m。麓のツェルマット(1606m)から、2200mあまりの標高差をほぼ歩かずして上がれてしまいます。

一気に高度を上げることになるので、高山病に注意です。

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驚くべきほどの長距離を走るロープウェイの中から、見る場所に応じて角度が変わるマッターホルンの展望を楽しめます。途中いくつかの停車駅もあるので、各駅停車して撮影を楽しむのも良しです。

 

ガイドブックには載らない スイス旅行の知恵

ガイドブックには載らない スイス旅行の知恵

 

 

ブライトホルン

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お手軽度☆

 

こちらは先にご紹介したマッターホルングレイシャーパラダイスから日帰りで登れるピーク。ブライトホルン(Breithorn 4164m)は、スイスの4000m峰の入門的な山として有名です。

入門的とは言っても、日本でいう「入門レベルの山」とはレベルが違います。この山に登るには、本格的な登山装備が必要。それだけに、4000mを超える山頂から眺める大スケールの景観には圧倒されます。

 

マッターホルン北壁

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新田次郎の小説『栄光の岩壁』で有名。アイガー、グランドジョラスと並び、ヨーロッパアルプスの三大北壁と名高い困難なルートが、マッターホルン北壁です。

多くのアルピニストたちが命と栄光をかけて挑んだ岩壁を眺められる場所へは、ロープウェイなどのお気軽な交通手段はなく、自分の脚で登っていく必要があります。

それだけに、人の少ない静かな山歩きができるので、人気のゴルナーグラート付近とは一転した穏やかな雰囲気が魅力的でもあります。

 

ホーバルメン

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お手軽度★☆

ゴルナーグラートからツェルマットのある谷を挟んで反対側に位置する高台が、ホーバルメン(Hohbalmen 2610m)です。遮るもののない広々とした牧草地帯は圧倒的な展望の良さがあり、そこからマッターホルンの北壁を望むことができます。

ホーバルメンへは、ツェルマットからトリフト渓谷という場所を抜けて到達できますが、ルート全体を通して素晴らしいのでオススメです。

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上の写真の地点から更に市内から離れる方向に進んで行った先にあるSchwarzlager(2741m)という場所は、更に迫力のある北壁の景観を楽しめそうです。が、行ったことがないので詳細は語れません…。

 

ロートホルンヒュッテ

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お手軽度★

上で少しだけ言及したトリフト渓谷を経由して、ロートホルンヒュッテ(Rothornhutte 3198m)という山小屋に行くことができます。その小屋から、ガーベルホルンの尾根を通してマッターホルン北壁の上部を見ることができます。

その場所の景色自体は素晴らしいですが、残念ながらマッターホルン全容を見ることはできません。なので、マッターホルンだけが見たい(他の山に興味ない)場合は、素晴らしくオススメというわけではないですけど…。

 

栄光の岩壁(下) (新潮文庫)

栄光の岩壁(下) (新潮文庫)

 
栄光の岩壁(上) (新潮文庫)

栄光の岩壁(上) (新潮文庫)

 

 

動画

私が2019年7月のスイス旅行で撮影した映像が動画でまとめてあります。

マッターホルンが様々な角度で登場します。


"4K Snow mountain climbing in Switzerland" DJI OSMO ACTIONで撮影したスイスの映像

機材提供・動画編集はドローンブロガーのスカイフィッシュさん(id:drone_skyfish)。

www.droneskyfish.com

動画撮影に使用した機材:DJI OSMO ACTION

 

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RF24-105mm F4 L IS USMとEF24-105mm F4L IS USMの比較

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最近EOS Rを購入し、続いて標準ズームであるRF24-105mm F4 L IS USMを追加購入しました。
自分もそうでしたが、キヤノンユーザーで一眼レフ用レンズのEF24-105mm F4L IS USMを使っている方は、新型のRF24-105mm F4 L IS USMとの画質差がどの程度なのか気になるはず。

ということで今回は、RF24-105 F4 L IS USMEF24-105 F4L IS USM(I型)の比較です。

 

Canon RF24-105mm F4 L IS USMとEF24-105mm F4L IS USMの比較など

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キヤノンのミラーレスカメラ(左)、一眼レフカメラ(右)で、24-105mm F4のLレンズ比較!

 

RF24-105mm F4 L IS USMの外観

最初にキヤノンのフルサイズミラーレスカメラに対応した新型のRFレンズの外観から。

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RF24-105mm F4 L IS USM

 

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RF24-105mm F4 L IS USMのマウント部

 

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RF24-105mm F4 L IS USMをEOS Rに装着した図

 

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ズーム時の銅鏡の伸び

上の画像は広角端24mm(左)と望遠端105mm(右)の銅鏡の長さ比較。

 

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レンズフードには脱落防止用のスイッチが付いています。EF24-105mm F4Lのレンズフードにはこのスイッチはありません。

RF24-105mm F4 LとEF24-105mm F4L IS USMの外観比較

RF24-105mm F4 L IS USMEF24-105mm F4L IS USMの外観的な違いを見ていきましょう。 

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がミラーレス対応のRF24-105mm F4 L IS USM

が一眼レフ対応のEF24-105mm F4L IS USM

 

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RFの方は寸胴な形状ですね。重量は700g。

EFレンズの方は重量670gと、一眼レフ対応のEF24-105mm F4Lの方が30gほど軽量です。

 

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一眼レフにつけた状態での比較です。

左がEOS RRF24-105mm F4 L IS USM

右がEOS 6DEF24-105mm F4L IS USM

f:id:di82:20190517183805j:plainEOS R(ミラーレス)とEOS 6D(一眼レフ)はスペック的には同じクラスのカメラです。

カメラ+レンズを合わせた重量は、EOS R+RF24-105mm1280gEOS 6D+EF24-105mm1350gです。

ミラーレスカメラであるEOS Rの方が少しコンパクトですね。

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EFレンズにはレンズ銅鏡に撮影距離指標の小窓が付いていますが、RFレンズにはありません。EOS RではMF(マニュアルフォーカス)の際にEVF内に撮影距離指標が表示されるため、不必要な機能であると省略された様子。

 

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レンズキャップは全く同じです

 

RF24-105mm F4 LとEF24-105mm F4Lの画質比較

RF24-105mm F4 L IS USMEF24-105mm F4L IS USMの画質比較です。同画質を得るため、カメラボディはEOS Rで統一。

EF24-105mm F4Lは、キヤノン純正マウントアダプターであるCR-EF-EOSRを使用しています。

 

 

解像度

EOS R(3030万画素)で、RAWデータで撮影した無編集の画像を比較してみます。

 

24mm

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RF24-105mm F4 L IS USM

 

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EF24-105mm F4L IS USM

 

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F4

 

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F5.6

 

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F8

 

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F11


50mm

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RF24-105mm F4 L IS USM

 

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EF24-105mm F4L IS USM

 

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F4

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F5.6

 

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F8

 

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F11

 

105mm

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RF24-105mm F4 L IS USM

 

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EF24-105mm F4L IS USM

 

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F4

 

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F5.6

 

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F8

 

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F11

 

周辺減光

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F4

 

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F5.6

 

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F8

RF24-105mmEF24-105mm、どちらも開放(F4)の特に広角側では顕著な周辺減光が見られます。F8ほどまで絞るとだいぶ改善されます。

 

逆光耐性

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RF24-105mm F4 L IS USM

 

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EF24-105mm F4L IS USM

 

ホワイトバランスは全く同じ設定ですが、色味が若干異なっているのが不思議なところです。

 

ボケ

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RF24-105mm F4 L IS USM

 

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EF24-105mm F4L IS USM

三脚を据えて同じ位置から、同じ焦点距離(105mm)で撮影しましたが、RF24-105mm F4 L IS USMの方が少し狭めに(大きめに)写っています。カタログ上では全く同じ画角ですが、若干異なっている?EF24-105mmはマウントアダプターを挟んでいる分、被写体との距離が若干変わる?

 

最大撮影倍率

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RF24-105mm F4 L IS USM

RF24-105mm F4 Lは、最短撮影距離0.43m、最大撮影倍率0.24倍。

 

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EF24-105mm F4L IS USM

EF24-105mm F4Lは、最短撮影距離0.45m、最大撮影倍率0.23倍。

最短撮影距離は0.45mと同じですが、RF24-105mm F4 Lの方が、少しだけ寄れます(0.24倍vs0.23倍)。

 

RF LとEF Lレンズの名称について

キヤノンのレンズの中でも、フラッグシップ級のプロ用レンズがL(Luxury)レンズ

今までの一眼レフ用レンズのEF Lレンズと、ミラーレス用のRF Lレンズ名称ルールが少し異なっています

一眼レフ用のEF Lレンズの名前はEF24-105mm F4LF値の直後にLです。

対するミラーレス用のRF Lの名称は、RF24-105 F4 Lという形になっています。 

F値の後に、スペース入れてLです。RF24-105 F4(スペース)Lです。

すごく細かい点なので、しばらく気がつきませんでした。それがどうしたと言われたら、どうということもないのですけどね…

 

最後に

キヤノンのフルサイズミラーレズ用レンズであるRF24-105mm F4 L IS USM。重箱の隅をつつくような比較をすると、一眼レフ用レンズであるEF24-105mm F4L IS USMよりも画質的には優れているという印象です。

画質のことを考えるなら、EFレンズからRFレンズに乗り換えるメリットはありそうです。あとは、レンズやボディのバリエーションがもっと充実すれば、一眼EOSからミラーレスEOS Rシリーズに移行したくなる人も更に増えるかと(2019年6月現在)。

 

 

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