山で見る景色は素晴らしいです。
ディーアイは元々写真撮影が趣味だったんですが、美しい被写体を求めて自然の中に入っていくうちに、山登りにハマっていきました。
素敵な撮影地や、超絶技法や構図などのテクニカルな話ついてはその道の詳しい人たちに話をお譲りするとして、今回このブログでは山での写真撮影について、基礎の基礎をお話していきたいと思います。
【初心者向け】 写真撮影で登山する時のキホン
まずは安全登山を
最初に断っておきますが、山は危険地帯です。
毎年のように遭難が発生し、何人も亡くなっています。
死ぬまではいかなくとも、道に迷って山中で何日も過ごしたり、滑落したり、凍傷になったり、暴風雨で低体温症になったり、高山病になったり、足を捻挫したり、転んで骨折したり、虫に刺されたり、熊に殴られたり、ハチに刺されたり、落石に当たったり、突然持病が悪化したり…。そんなトラブルで遭難してしまうと、もちろん自分は辛いですが、家族や職場にも多大な迷惑をかけてしまうことになります。
写真撮影のための登山をするということは、そういったデンジャラスゾーンに足を踏み入れるという覚悟を持つ必要があるわけです。
山に入って大自然の写真を撮りたい方々に一言。
自分の安全を守れない人間が、大切な機材を守れるわけがないのです。
決して無理をしないように、山での写真撮影を楽しみましょう。
山の天気について
山の天気は町の天気とは異なる場合があります。
まず、気温が低くて寒いです。下界ではTシャツ一枚で汗ばむ気候でも、山頂ではヒトケタ気温なんていう場合もあります。撮影待ちの時は冷えるので、軽量ダウンやフリース、ウインドブレーカーなどがあると重宝します。
また、天気予報では晴れマークが付いていても、山の上は霧の中だったり、雨が降ったりしている可能性があるわけです。
ガス(霧)で何も見えやしねぇ…
晴れていれば山頂からは大絶景が見られるはずです。
クソ重い機材を担いでいってこの状況だと泣けてきますよね。
平地とは異なる特性を持った山の天気を知り、山の天気や天候変化を予想した上で山に登ることで、『当たり』写真の枚数を増やす。
天候は、山で写真を撮る上では小手先のテクニックよりも重要です。
『山 カメラ おすすめ』とかのグーグル検索よりも、まずは山の天気についての知識を増やしていくことの方が大切ですよ!
また、特に夏山では午前中に晴れていても、午後になると雨が降ってくることは日常なので、自分はカッパ、機材には防水袋が必要になってきます。
悪天を避け、素晴らしい景色の中で安全登山を!
※レインウェア※
※おすすめサイト※
有料の登山天気予報サイト。登山者からの信頼が厚いです。
こちらは英語の海外サイトですが、無料で利用可能。海外の山のみならず、日本の山の予報も出しています。
※山の天気に関する本※
天気予報を見るだけではなく、山岳気象に関する知識を持っておくのも大切ですね。
地図をしっかり読んでおくこと
登山の前には、これから登る山の地形を頭に叩き込んでおきましょう。
山岳写真では、写真を撮っている時間よりも、歩いている時間の方が圧倒的に長いです。
一日の行動時間も限られていますし、美しい景色を求めて歩いているのに、道に迷ったりしていたら時間がもったいないですよね。
また、地図を読んで山の地形を熟知しておくことにより、
「あと1時間ぐらい歩けば、樹林帯を抜けて○○尾根の上に出るな。そこで××岳と△△岳が見えるから、そこで良い写真が撮れそうだ」
など、計画的に撮影ポイントを回ることができます。
皆さんご存知の通り、太陽光の下では時間帯によって光の入る角度が変わるため、太陽の位置によって山の陰影の入り方も変わってきます。
影は山の立体感を強調するので、印象的な山の写真を撮るためにはぜひ考慮しておきたいポイントです。
狙った通りの角度からの写真を撮るには、時間の管理が必須。そのためには、あらかじめ地図を頭に叩き込んでおき、コースタイムの確認と時間の管理をするのはとても大切です。
地形とルート確認を欠かさず安全登山を!
※読図についての参考書籍※
地図を持っていたとしても、見なかったり、見方がわからなかったりする人もいるので…GPSというのも、今の時代ではひとつの選択ではないでしょうか。
「GPSなんかに頼っていては地図読みの能力が育たない」という意見もごもっともですが、道迷い遭難するよりはマシだと思いますので。
ヘッドライトは必需品
登山にヘッドライトは必需品です。
人工灯も月明かりもない環境では、マジで何も見えません。
何らかの状況で下山が遅くなってしまい、完全に日没を迎えてしまった場合、ヘッドライトがないと行動不能になってしまいます。
駐車場まであと100mの距離とかでも、真っ暗になってしまったら行動できなくなってしまい、そのまま遭難という事態にもなりかねません。
そんなに重くも嵩張るものでもないので持って行きましょう。
ヘッドライトのテクニック
登山にクリップオンストロボを持っていく人は数少ないと思います。
ストロボほどの性能は期待できないにしても、ヘッドライトを使えば、岩陰に隠れたキノコや植物をライティングすることが可能です。
上の写真は適当に撮ったやつですが、ゴミ袋とかで光を拡散すればもうちょっと軟調の光にもできるはずです。
ヘッドライトは一番上等なヤツでも、クリップオントロボに比べたら大分安いですし、写真を撮りに山に入るなら是非とも買っておきましょう。
いざという時に電気が付かないでは困るので、ストロボ代わりに使うのはほどほどに。
もしもの時に備えて安全登山を!
※ヘッドライト※
登山を始めた頃にはエナジャイザーを使っていました。
安くて必要十分な機能を備えているので割と良いです。
ディーアイが現在使っているのはコレ。
冬山や嵐の中でも使える、頼れるタフモデルです。
結局、何が一番大切なのさ
Q.写真を撮るための登山で一番大切なものは?
A.大切なことはたくさんあるのでひとつに絞ることは不可能ですが…あえて言うとすれば体力ですね。
体力があれば、カメラ本体でも交換レンズでも三脚でも、好きな機材を好きなだけ持っていけます。
体力があれば、撮影ポイントから次の撮影ポイントまで素早く移動してたくさんの写真を撮ることが可能です。
体力があれば、急斜面を駆け上がってご来光のタイミングに間に合わせることが可能です。
体力があれば、悪天候に巻き込まれそうになっても、超スピードで逃げ帰ってくることが可能です。
体力があれば、人がなかなか入っていけない山奥で素晴らしい絶景にめぐり合えるチャンスが増えます。
体力があれば、普通の人なら疲労困憊して動けなくなるような状況下でも、モチベーションを保ちながら写真を撮り続けられます。
感性やらテクニックやらも大事ですけど、山の場合はまず目的地に辿り着けないことには話にならないので、まずは体力をつけることが大切です。
山で写真を撮るために必要な基礎知識を少しだけ書いてきましたが、細かいことを言えば大切なことはまだまだあります。
重ねて言いますが、山は危険地帯です。
平地と全く異なる自然環境の中に身を晒す行為が登山です。
自分の安全が守れない人間に、高価で大切な機材を守ることはできませんので、山で写真を撮りたい皆さん、そこんとこヨロシクお願いします。
写真・カメラに関する別記事