2014年に行った初めての海外登山。
行き先はヨーロッパアルプスのモンブラン(4810m)でした。
以前からモンブランは登ってみたいと思っており、実際に年一度もらえる一週間の長期休暇を使って何とか登れないか考えていました。
そんな折に、北アルプスで出会った岳友から一緒にモンブランに登りませんか的なお声がかかり、今年の春に憧れのモンブラン登山は一気に現実味を帯びることになりました。
一週間の日程でのモンブラン登山は、期間が短く登頂は運任せなところも大きいですが、観光は抜きに山だけに集中すれば何とかやれないことはない計算になります。
というわけで、日本でできる限りの準備を整えてヨーロッパまで行ってきました。
モンブラン登山【登山準備編】
今回は日本での準備からシャモニー着、登山前日までを書いていきたいと思います。
まずは山小屋の予約から
まず日本で真っ先に行っておくことは、グーテ小屋の予約。
ここは世界中の山屋さんがモンブラン登山を目的に集まってくる完全予約制の人気小屋です。
幸いにも、当時時間だけはたっぷりあった友人Hが、ネットで小屋の予約を取ってくれました。
聞くところによると、ネットに張り付いて、グーテ小屋予約解禁とほぼ同時に予約を取ってくれたらしいです。それでも、その後すぐに小屋は予約で埋まってしまったとのこと。友人Hに感謝です。
小屋の予約は8/31と9/1予備日も入れた2日間です。登山に適した天気になかどうかは完全に運次第。
予約日を中心として、職場への休みの申請や航空機の手配などの準備をしていきました。
富士山でのトレーニング
モンブランの標高は4810m。
いくら天候に恵まれたとしても、高山病でダウンしてしまえば登れません。
なので、国内で事前に高度順化のトレーニングを行っておくことが登頂率を上げるために必要だと考えました。
それに対して日本最高峰の富士山は標高3776m。
モンブランの標高よりも1000m低いです。しかし、山本さんの本によると、富士登山でも海外高峰のためのトレーニングには十分効果的とのこと。
こちらの本は登山のトレーニング学の最新版
山本さんの説を信じて、時間があれば富士山登山を行って体を高度に慣らしていきました。
6月の富士山 富士宮ルート
7月の富士山 御殿場ルート
8月の富士山 山頂付近
出国までに合計6回の富士登山を行いました。
初回は3500m超えたあたりから息苦しさを感じていましたが、3回目ぐらいからは激しい運動さえしなければ山頂付近でも息切れをしなくなりました。
春に膝を痛めたり、7月にロードバイクで角から出てきた車と衝突したりといったトラブルもありましたが、無事に回復し、体調は万全な状態で出国の日を迎えました。
日本出国~ヨーロッパ到着
8月28日
仕事のあとに関西国際空港から夜の便で日本を発ちました。
この先帰国まで食べられない日本食を満喫。
写真に写っているのはJALの飛行機ですが、実際にはEmiratesでドバイ経由でした。
スイス・ジュネーブ国際空港に到着。
Arrivalで一足先にヨーロッパに到着していた友人Hと合流。
友人Hはドイツ人の友達に会ったり、ドイツ最高峰のツークスピッツェ(2962m)、ツェルマットでブライトホルン(4164m)に登ったりしてヨーロッパを楽しんでいた様子。
お互いにジュネーブ空港からシャモニーへの移動手段について何も考えていなかったことが発覚。
少し焦りましたが、ロビーにあるインフォメーションで尋ねたら、シャモニー移動用のバンが随時出ている(たしか35EURほど)と教えてくれました。
シャモニー行きの乗り合わせのバンに乗り込み、ほとんどスイス観光もしないままモンブランの麓町、フランス・シャモニーへ。
シャモニー着 登山準備
いつの間にかスイスとの国境を越え、フランス・シャモニーへ。
モンブランの麓町は生憎の天気。
宿の主人曰く、ヨーロッパアルプスの天候はここ数年で最悪だったらしいです。
ですが、これから天気は回復傾向と嬉しい情報を受け取りました。
信頼できる友人Hチョイスによる相部屋の安宿。
雨風凌げて寝られればOK!
実際のところ、結構居心地はよかったです。
まずはレストランで乾杯。
モンブラン麓の地酒的なものらしいです。
こちらのピザは丸いカッターで切り分けるのではなく、ナイフとフォークを使って食べる感じでした。
ヌードルジャポネーゼという怪しい名前のカップ麺ですが、信頼の日進ブランド。
レストランで食事を摂って、シャモニーの街中を軽くぶらぶらしたあとに宿で一泊し、長旅の疲れを癒しました。
シャモニー到着の翌日は、翌々日の登山に向けて登山の情報収集&買出しです。
8月29日
丁度Ultra Trail du Mont Blanc(UTMB)開催中。
このせいで宿の予約が取り難かったと友人Hより。
まずはインフォメーションセンターに寄って、モンブラン登山について尋ねたら行くように言われた場所。
シャモニー中心部の教会近くにあるMaison de la Montagne。
ここの2階にあるOHM(Hight Mountain Office)で登山情報の収集。
OHMにあったモンブラン山塊(Massif du Mont Blanc)の立体模型。
右の一際高い白いピークがモンブラン山頂。谷にあるのがシャモニーの街です。
レストランで山盛りのムール貝を食す。
おフランスの人間は気取って英語は意地でも喋らないイメージがありましたが、普通に英語は通じました。
シャモニーの街からモンブラン山塊の白い峰々や氷河を見上げることができます。
到着初日はイマイチでしたが、天気は回復傾向。嬉しい限りです。
話は変わりますが、建物の窓に飾られた花がアルプスっぽいですね。
エギーユ・ディ・ミディ(3842m)。富士山より高い山頂までロープウェイが通じています。
日本から持ってきた行動食に追加して、現地で買ったものを。
「食べなれたものじゃないと嫌!」という場合を除いて、登山に必要なものは大抵シャモニーで買うことができます。
フランスでも一切フランス料理っぽいものは口にせず。
予算の限られた我々は自炊を決行。
全く色気のない男の手料理。
翌日のモンブラン登山に思いを馳せて、この日は酒はほどほどに、早めに寝ました。
いよいよ明日から登山開始です。
※個人でモンブラン登山を検討中の方向け※