先日、当ブログの数少ない読者である兄(山はやらない)に言われました。
「お前のブログは変な用語ばかり使ってて読みにくいんだよ!」
はい。
前回記事を改めて読んでみると、確かに仲間内で話すような用語満載で書いてしまいました。
老若男女問わず愛され、人様の役に立つ情報を提供するためにはじめた当ブログ…。
もっと親しみやすいように書かねばと反省しました。
そこで今回は、「何で雪山登るんですか?」
という、もっともな疑問に対しての答え。
登らない人にもわかりやすく、雪山登山の魅力をご紹介したいと思います。
雪山登山の魅力とは
「そこに山があるから」は有名なセリフですね。
そう言っちゃってもいいんですが(楽なので)、老若男女に役立つ情報をテーマに運営しているこのブログ、ちゃんとダラダラ理由をつけて説明させてもらいます!
魅力その1 景色がキレイ
山に登って高いところから見下ろす景色。大きな山の圧倒的な形。
山に登り、山を見るといつも感動してしまいます。
その中でも、雪山で見られる景色は素晴らしいと思います。
比較のため、まずは雪山ではない山の写真をいくつか載せていきます。
高山植物や紅葉など、雪のない時期にこそ見られる楽しみもたくさんあります。
しかしながら、雪のない山は登山道や標識などがあり、時にはゴチャゴチャとした印象を受けることもあります。
一方、雪山で見られる景色は…
基本は白と黒のモノトーンな世界です。
登山道はもちろん、時には標識や山小屋でさえも雪に埋まってしまうことがあります。
人工物の多くが雪の下に埋まり、白い景色が広がることで、
山の神々しさがひときわ輝いて見えます。
これは、北アルプスの唐松岳、八方尾根の八方池で撮った写真です。
8月の八方池
2月の八方池
大きな池が凍って雪に埋もれてしまい、上を歩くこともできるようになります。
全く同じ場所なのに、時期が変わるだけでこんなにも違ってしまうことに大きな驚きと発見があります。
『エビの尻尾』や『シュカブラ』などの自然が作り出すユニークな現象が見られるのも、雪山の魅力です。
エビの尻尾。強風で氷雪が岩や柱にこびりついたものが、エビの尻尾のように見えることからそう呼ばれます。
シュカブラ。雪紋、風紋とも。風によって雪が削られ、波のような形になります。
こんな記事も書いてます↓
風紋の陰影 風の置き土産 【シュカブラの写真集】 - のぼるひと
このように、雪のない季節ではとても見ることのできない神秘的な光景や、雪山でしか見ることができない不思議な自然現象などに出会えることが、雪山登山の大きな楽しみの一つです。
魅力その2 大変だけど達成感がある
雪山は大変です。まず、必要な道具が増えるので装備が重くなります。
雪のない山に比べて危険度も高く、命を守るための装備は削るわけにはいきません。
時には深い雪を掻き分けながら進むこともあります(登山用語でラッセルと言います)。
このラッセルがものすごく大変で、雪がない時には15分ぐらいで歩ける距離を進むのに、1時間ぐらいかかってしまうこともあります。
重い装備を背負って、雪を掻き分けながら進むのは、非常に大変です。更に、雪のない時期の山と比べて危険度は段違いです。
そんな大変な登山だからこそ、登りきった時のうれしさは格別です。
大変な思いをした分だけ、大きな感動を得ることができます。
その達成感も、雪山の大きな魅力だと思います。
魅力その3 道具がカッコイイ
雪山に上るには、アイゼン、ピッケルなどの専用の道具が必要となります。
ピッケルは、歩く際にバランスをとる際に使用するほか、万が一滑落した際には先端を突き刺して滑落停止をしたり、先端を雪に突き刺して手がかりにしたりと、様々な使い方をします。
アイゼンは、雪山用のスパイクのようなもので、靴に固定して使います。
靴のゴム底が滑ってしまうような固い雪や氷に金属の爪が刺さることで、滑り止めになります。
標高の高い場所では雪が風で磨かれたりしてガチガチに凍っていることも多いため、スリップ⇒滑落とならないためにアイゼンを履くことは必須です。
アイゼン、ピッケル共に色々なメーカーが、色々な商品を出しており、お店で選んでいる時にはRPGの武器屋に入っているような錯覚に陥ります。
自分が選んだ武器(じゃないんですけど…)を次の山で使うことを想像すると、ワクワクしてしまいます。
道具の選び方について詳しい記事も書いたのでよかったら参考にしてください。
他にも、雪山を登るために使う様々な装備がありますが、その紹介はまた別の機会に…。
魅力その4 静かで人が少ない
これは、人によっては悪い点に感じられることもあると思いますが…。
満員電車に渋滞、街の喧騒、職場の人間関係など、色々ストレスの多い現代です。
そんなストレス満載の社会から離れ、静かな山の中にたたずむ…素晴らしい時間です。
だがしかし、人気の山で、連休中だったりすると、うんざりするぐらいの人がやってくる場合もあります。
せっかく自然に癒されに来たのに…
テント場は大混雑。晴れた連休中の百名山(冷池山荘テント指定地)
一方の雪山は、敷居が高いだけあって、訪れる人は雪のない時期と比べるとずっと少なくなります。
もちろん、時期と場所によってはある程度の人数と出会うこともありますが、それでも雪のない時期とは比較にならない少なさです。
雑音から遠く離れ、聞こえてくるのは風の音だけ。
わずらわしい社会から解放され、大自然の中をただ歩く。
夏は人気で大勢の人が訪れる山でも、冬になれば山の中で誰一人として出会わないということもあります。
人がいなければ、大きな声で歌いながら登ってもいいです。誰の迷惑にもなりません。
人と出会わないことで、そのぶん自然を深く感じられます。
自然に癒される人にとっては、素晴らしい時間となるはずです。
おまけのあれこれ
雪山登山の魅力についていくつか書かせてもらいましたが、いかがだったでしょうか。
「登ってみたい!」というポジティブな意見が聞けたら、紹介した甲斐があってうれしいです。
ですが、先ほども書いたように、雪山登山は当然、危険がありますし、大変です。
ワクワクだけを胸に秘めて何の準備もせず、いきなり雪山に飛び込んでしまったら、最悪の場合、遭難という結果になりかねません。
「雪山登山を始めてみたい! でも、どうやって始めたらいい?」
という方にアドバイス。
金を払ってプロのガイドに教えてもらうのがイチバン安全で確実です。
「最初に何を準備したらいい?」
という方には、強靭な肉体と返事をさせてもらいましょう。
色々高機能なウェアは出ていますが、最終的に役に立つのはやはり体力!
服や道具は金を出せばすぐに手にいれることができますが、体力をつけるのはすぐにという訳にはいきません。
雪のない山をひたすら登るか筋トレでもやっときましょう。
あ、技術書などの本を読むのも忘れてはいけません。
最近はwebでの情報収集が盛んだとは思いますが、その道のプロが書いていることにはまず間違いはありません。
インターネットは確かに気軽で便利です。しかし、どこの馬の骨とも分からん奴が、もしかしたら間違っている情報を自信満々に書いている可能性もあるため、ネット情報には注意が必要です。⇒こういうのとか。
また、このブログでは、雪山登山は主に森林限界を越えるような山のことを書きました。
が、それだけが雪山登山ではなく、もっと標高の低い山、例えば里山での雪山登山もあります。
しかし、低山の雪山登山ははっきり言って自分の専門外なので、詳しくないので詳しく書けません。
ググれば、多分誰か頭のいい人が分かりやすい文章で書いているはずなので、そちらを参考にしていただければいいかと。
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