OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROと、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROが手元にあるので、比較記事を書いてみたいと思います。
両レンズとも、オリンパスのマイクロフォーサーズマウント対応。標準画角をカバー。オリンパスのフラッグシップレンズシリーズである『PRO』の名を冠しています。
『大口径標準ズームレンズ』と『高品位高倍率ズームレンズ』というキャラクターの違いはあるものの、オーバーラップしている部分もあります。どっちを買おうか迷っている人もいるはず。
両レンズを比較することで、購入検討している人の助けになれば幸いです。
- OLYMPUS M.ZUIKO PROレンズ比較。『12-40mm F2.8』vs『12-100mm F4』
OLYMPUS M.ZUIKO PROレンズ比較。『12-40mm F2.8』vs『12-100mm F4』
左がM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
右がM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
両レンズ共にマイクロフォーサーズマウント対応。
オリンパス、M.ZUIKO PROレンズです。
スペック比較
最初にM.ZUIKOレンズ12-40mm F2.8と12-100mm F4のスペックをざっと比較してみましょう。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
『大口径標準ズームレンズ』
焦点距離:12-40mm(35mm換算24-80mm)
開放口径比:F2.8(ズーム全域)
最大撮影倍率:0.3倍(35mm換算0.6倍)
大きさ:69.9(経)×84mm(全長)
重量:382g
価格:80,190円(2018年9月25日 Amazon.jp価格)
★防塵防滴設計
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
『高品位高倍率ズームレンズ』
焦点距離:12-100mm(35mm換算24-200mm)
開放口径比:F4(ズーム全域)
最大撮影倍率:ワイド端0.3(35mm換算0.6倍)、テレ端0.21倍(35mm換算0.42倍)
フィルター経:72mm
大きさ:77.5(経)×116.5mm(全長)
重量:561g
価格:131,850円(2018年9月25日 Amazon.jp価格)
★防塵防滴設計
★レンズ内手ブレ補正あり。対応ボディで、最大6.5段分(OM-D E-M1 firmware ver.4.0、 E-M5 Mark II firmware ver2.0以降のボディ)
大きさ比較画像
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark IIにM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROを装着した図。小型のE-M5本体にマイクロフォーサーズの中では大型レンズである12-40mm F2.8を装着すると、レンズが結構主張気味です。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの重量を念のため秤で測定。389g
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark IIにM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを装着した図。12-40mm F2.8も本体に対してレンズが大きかったですが、12-100mm F4は更に一回りデカい印象です。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの重量を念のため秤で測定。567g
画質
レンズ選びである意味最大の関心事である画質について、詳細を見ていきましょう。
12mm(35mm換算24mm)
12mm(35mm換算24mm相当)で撮影した写真。中央部と周辺の画質比較です。
F2.8
F4
F5.6
F8
25mm(35mm換算50mm)
25mm(35mm換算50mm相当)で撮影した作例です。中央部、周辺の比較を見ていきましょう。
F2.8
F4
F5.6
F8
40mm(35mm換算80mm)
40mm(35mm換算80mm相当)の比較画像です。12-100mm F4の焦点距離目盛りには40mm丁度がなく、ボディの液晶に表示される焦点距離が38mmか41mmの3mmごと表示だったので、厳密に正確な40mm比較ではないですが…(画角が少しズレてます)
F2.8
F4
F5.6
F8
100mm(35mm換算200mm)
M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PROは未対応の画角ですが、M.ZUIKO 12-100mm F4 PROの望遠端100mmの画像を参考のために出していきます。
F4
F5.6
F8
マクロ性能
オリンパスのフラッグシップ『M.ZUIKO PRO』レンズ群は、「寄れる」ことも売りにしています。
本家マクロレンズには及びませんが、M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PROとM.ZUIKO 12-100mm F4.0 IS PRO共に、簡易マクロ的な使い方が可能です。
それでは、どれほど被写体に「寄れる」のか、テストしてみましょう。
被写体は『蛍石』です。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
カタログ値では、M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PROの最大撮影倍率は0.3倍(35mm換算0.6倍相当)。広角端、望遠端の最大倍率については記載はありませんでした。両端とも0.3倍?
広角端(12mm)で最大限まで寄った写真。
広角端(12mm)のワーキングディスタンス。かなり近くまで寄れます。
望遠端(40mm)で最大限まで寄って撮影。
望遠端(40mm)のワーキングディスタンス。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
M.ZUIKO 12-100mm F4.0 IS PROの最大撮影倍率は、ワイド端0.3(35mm換算0.6倍)、テレ端0.21倍(35mm換算0.42倍)です。焦点距離によって最大撮影倍率が変化。広角側の方が最大撮影倍率は大きいです。
広角端(12mm)で限界まで寄って撮影。
広角端(12mm)のワーキングディスタンス。レンズフードが接触するんじゃないかってぐらい、アホみたいに寄れます(褒め言葉)。
望遠端(100mm)で最大まで寄った写真。
望遠端(100mm)のワーキングディスタンス。100mm(35mm換算200mm相当)なので、それなりに最短撮影距離はそれなりに離れる…というより、広角側がアホみたいに寄れるだけです。何でも近寄れれば良いってもんじゃないですからね。
ズーム倍率(画角)の差
12-40mm(35mm換算24-80mm)と、12-100mm(35mm換算24-200mm)の焦点距離が実際のところどれだけの差があるか、比較してみましょう。
比較写真を撮るために、家から割合近い場所にある某大社に向かいました。
12-40mm F2.8と12-100mm F4の両レンズでの広角端である12mm(35mm換算24mm相当)で撮影した図。
前の写真の場所と同じ位置から、40mm(35mm換算80mm相当)で撮影。12-40mm F2.8では望遠端に当たる焦点距離です。
更にズーム。12-100mm F4の望遠端で、100mm(35mm換算200mm相当)の焦点距離です。
続いて某大社からそんなに遠くない場所にある、某湖へ。
12mm(35mm換算24mm相当)で適当に撮影。カモが逃げていく…。
40mm(35mm換算80mm相当)。12-40mm F2.8の望遠端の焦点距離です。カモをアップで撮りたくて近づいてみましたが、ある程度近づくと逃げられてしまうのでこれが限界。
その場から動かず、12-100mm F4の望遠端である100mm(35mm換算200mm相当)で撮影。カモをそれなりにアップで写せました。
例えば山の中などで、近づくと逃げてしまう動物に遭遇した際、12-100mmを持っていれば、レンズ交換の手間がなく(レンズ交換中に逃げられてしまう可能性も)、動物をそれなりに大きく写せる可能性があります。
レンズフード
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO、両レンズにはレンズフードが付属しています。
左がM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROのレンズフード。
右がM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROのレンズフード。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROのレンズフード。出っ張ったフード脱着スイッチが両サイドに付いているという謎設計。意図せずボタンが押され、レンズフードが緩んでいることがあります。
こちらはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROのレンズフード。脱着ボタンは片側にひとつで、不意に押されて外れないように、ボタンは奥まった位置にあります。まともなデザインです。
それぞれのレンズが持つ長所
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROとM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROを比較してきました。
最後に、お互いのレンズを比較した場合、それぞれのレンズが持つ良い点を挙げてみます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
・周辺画質が良好
・開放F値が2.8と明るい
・小型軽量
・比較的安価
・マクロで被写体を大きく写せる
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
・望遠端が100mm(35mm換算200mm相当)
・広角マクロでより被写体に寄れる
・対応ボディにて6.5段相当の手ブレ補正適応
・レンズフードがまとも
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