【パタゴニア】R1テックフェイス・プルオーバーの使用感

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パタゴニアの「R1テックフェイス・プルオーバー」というテクニカルフリースを山での遊びに使ってみてのレビュー記事です。

 

Patagonia R1 TechFace Pullover

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スペックと特徴

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パタゴニア・R1テックフェイス・プルオーバーとは。公式による説明は以下。

保温性と通気性とプロテクションの理想的なバランスを実現した非常にテクニカルなクライミング用トップ。岩肌に対応する耐摩耗性を備え、伸縮性に優れた袖口と長めのフロントジッパーを採用したクライミング仕様のデザイン。フェアトレード・サーティファイドの縫製を採用

通気性を備えたストレッチダブル織りの5.2オンス・ポリエステル92%(リサイクル・ポリエステル69%)/ポリウレタン8%。DWR(耐久性撥水)加工済み。

275 g (9.7 oz)

パタゴニア公式より

防風性・耐摩耗性のあるプルオーバータイプ(ハーフジップ)のフリースジャケットです。

R1テックフェイスを使ってみての印象としては、通常のR1フリースとフーディニ(ウインドシェル)を足して2で割ったようなジャケットという感じです。

ほどほどの防風性と、ほどほどの保温性。そして丈夫(高耐久)。

「ほどほど」と、文字にしてみると中途半端な感じなのですが、そのほどほど感が絶妙なバランスで成り立っています。さすがパタゴニア。「スペック上には現れない、現場で使ってみて分かる良さ」みたいな、絶妙な製品を作るのが本当に上手い会社です。

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シーズン終盤の瑞牆山では、終日テックフェイスを着用

高い耐摩耗性をもつテックフェイスは、トラッドクライミングとの相性良し。瑞牆ではチムニーでガリガリ摩擦を掛けながら登りましたが、R1テックフェイスにダメージはナシ(流石に何度も何度も繰り返しやったらガタは来るでしょうが)。

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12月前半の鹿島槍ヶ岳日帰り登山でも、テックフェイスを常に着ていました

「アウターを脱ぐと風が吹いて寒いけど、着ているとオーバーヒートして汗冷えする」ような困った山の環境でも、ほどほどの防風性を持ったR1テックフェイスだと、ウェアの着脱回数が抑えられます。

 

従来のR1フリースと比較して

私がオールシーズン、登山やクライミングに愛用しているフリースがR1シリーズ。速乾性があり、薄くて動きやすく、ちょうど良い保温性を持っている、非常に使い勝手の良いウェアです。

同じ「R1」と名前がつけられているテックフェイスと、従来のR1フリースの違いを見比べてみましょう。

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R1テックフェイス(左)、通常のR1フリース(右)

R1テックフェイスと比較して、通常のR1フリースの方がフリース生地の厚み、格子の密度ともに上です。従って、テックフェイスよりも通常のR1の方が暖かいです。

体感的にテックフェイスは、R1の半分ぐらいの薄さ。ただし、テックフェイスには防風性がある分、暖かさは通常のR1の半分というわけではない感じですね。そこそこ暖かいです(あくまでもそこそこ)。

テックフェイスの防風性は風がほぼ筒抜け状態のR1と比べ、生地の目が詰まっているぶんそれなりにあります。ただし、冷たい強風が吹くとさすがに寒さを感じます。完全防風ではありません。その代わり、汗抜けはよくて蒸れる感じは全くなく、気温にもよりますがずっと着たままでも快適です。

ひとつ個人的に気になった点は、袖口の伸縮性について。R1テックフェイス従来のR1フリースも、どちらもストレッチ性があり、動きを妨げることはありません。しかし、テックフェイスの方は袖口がきつめなので、袖をまくり上げることができません。

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テックフェイスはここまで

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従来のR1フリースは肘上まで袖まくり可能

従来のR1フリースは肘上まで袖まくりできて、これがクラックなどで岩の隙間に腕を突っ込む際に都合が良かったのです。

生地の強さについては、明らかにR1テックフェイスの方が丈夫そうです。R1だとチムニーに突っ込むには勇気がいるのですが、R1テックフェイスだと粗い使い方しても従来のR1よりも長持ちしそうです。

 

R1フリースについての記事はこちら

www.dimountainphotos.com

 

プルオーバー

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プルオーバーは、腹回りがスッキリしているのでハーネスとの相性良し。

登ってると暑いけど、風が吹くなかビレイして冷えることのあるマルチピッチのクライミングで特に使えると思いました。

フリースは自分の場合、フロントジップをフルオープンして羽織ることはないので、(自分の場合)。プルオーバーでも何ら不都合はないですね。

 

毛玉

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何度か使ってみて気がつきましたが、R1テックフェイスは表面に毛玉ができます。

腕の内側や腹の部分など、よく擦れる場所に毛玉ができやすい印象です。

実用上の不都合はありませんが、気になる人は気になるポイントかもしれません。

 

まとめ

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テックフェイスは「R1」と名前がついていますが、保温性が違うので、「従来のR1に防風性と耐久性がプラスされたもの」というイメージしてしまうと「期待したほど暖かくない…」と人によっては感じてしまうかも。

テックフェイスの特徴のひとつとして挙げられる防風性は完全なものではなく「ある程度風を遮る」程度のものです。特に取り上げませんでしたが、撥水性もなくはないがそれなり。雨中行動には適していません。

使う人によっては非常に中途半端な印象を与える製品でしょう。

マルチピッチクライミングなど、汗をかく行動と停止を繰り返す活動で、ウェアの着脱回数を減らしたい場合には、保温性や防風性がほどほどあることが有効なのです。あくまでも「どんな条件下でもウェア着脱が不要なほど快適!」ではなく「我慢すればそれなりに寒さも風も耐えられる」程度にしてくれる性能なんですけどね。

「羽のように軽い」とか「抜群の保温性」とか「どんな強風もシャットアウト」とか、そのようにキャッチーな特徴がないのがR1テックフェイス。だけどその絶妙なバランスが、必要な人にとっては非常に使いやすいのです。

 

メンズ・R1テックフェイス・プルオーバー 

 

フード付きタイプなどのバリエーションもあります。

 

ウィメンズ・R1テックフェイス・フーディ。レディースもあります。

 

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