【キヤノン】RF15-35mm F2.8 L IS USMを登山で使用してみて

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キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ専用の超広角レンズ、RF15-35mm F2.8 L IS USMを山(登山など)で何度か使用してみたので、その感想を書いていきます。

重いけど写りは良い。高いけど良い。超広角(広い範囲を写せる)ので登山などと相性のいいレンズです。 

 

RF15-35mm F2.8 L IS USMを山で使用してみて

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CANON RF15-35mm F2.8 L IS USM

 

超広角レンズについて

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一般的に超広角ズームレンズ16-3514-24という画角のものが多いです

14-24の画角は、本気の超広角レンズとしてラインナップされていることが多く、F2.8通しのフラッグシップ系に採用されていたりします。広角域では1mmの差かはなり大きく、14mmという画角は16mmと比べて明らかに広い範囲が写し出せます。反面、14mmスタートのレンズの望遠端は24mmというのが基本で、望遠端までズームしたところで広角域しか写せません。

14-24mmの他にラインナップされていることが多い16-35mmという画角のズームレンズもあります。広角域は妥協している反面、望遠端35mmは準広角なので、スナップ的な使い方ができたりして、35mmは意外と使い所が多かったりします(レンズ交換が面倒だと思っている人は特に)。自分は16-35mmの超広角ズームレンズを使ったことがありますが、意外と35mmという画角も出番が多いです。

今回紹介するRF15-35mmF2.8Lは、広角側は"標準的な"超広角よりも広い15mm。望遠端は意外とよく使う35mmと、使い勝手の良いズーム域でありながらも、超広角レンズの魅力である広角域を頑張って1mm広げたという画角が魅力。そんなにレンズ交換したくない人にとってはポイントが高いです。持っていく交換レンズの本数を少なくしたい場合にも良いかと。

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(左)RF24-105mm F4 L IS USM

(右)RF15-35mm F2.8 L IS USM

RFレンズのLレンズは見た目がよく似ています。キヤノンRFマウントの標準的なLレンズとしてラインナップされている、24-105mmと比較して、15-35mmはひと回り大きくなっています。

 

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RF15-35mm F2.8をEOS Rに装着した図

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レンズには花形フード付属(ロック機構付き)

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フード装着時

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広角端(15mm)

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望遠端(35mm)では銅鏡が少し伸びます

RF15-35mmF2.8を最初に持った感じは「見た目よりも重くない」でしたが、流石に840gという重量はずっしりとした感じ。結局のところやっぱり重いです。

荷物を入れた登山用ザックを背負った状態で、カメラを肩からぶら下げた感じでは現在メインで使っているレンズのRF24-105(700g)装着時とさほど変わらないです。15kgオーバーの荷物をザックに入れた状態とか、レンズの重量差140gというのは、疲労度が変わるといえば変わるような気もするし、変わらないような気もすれば変わらないというのが正直なところ。長時間肩からぶら下げっぱなしになるちょっと疲れます。今までフルサイズの一眼レフを担いで登山を散々やってきたので、重いレンズだけどもなんとかなる重さ、といった印象です。

機動力を重視した山行をする場合には、持ち出していません(そういう場合はMFTなどをチョイス)

 

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とりあえず導入初日に落として雪まみれにしてしまいましたが、防塵防滴設計のため問題なし。

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別の日にも雪まみれ→雪が溶けてレンズが濡れた状態になりましたが、トラブル発生なし。何度か似た状況になりましたが、とりあえず雪を被るぐらいでは大丈夫そうです。

山で使う超広角

超広角レンズを使うと、現実世界で見たものよりも空間が大きく広がって写せるので、標準的な画角では写せない写真を撮ることが出来ます。

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風景写真、特に登山と広角レンズの相性は良いです。スケールのある景色を余すことなくフレーム内に納められます。

 

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両端がスッパリ切れ落ちたナイフリッジの撮影では、高度感(切れ落ちてる感)が強く表現できます。

 

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山頂など、あまり身動きが取れない(後ろに下がれない)場所で、いろいろな要素をフレームインさせたい場合は画角の広さは便利。

「距離は足で稼げ」と言われることもある写真技術ですが、山では物理的にできないことも多いので、これ以上引ききれない場面ではレンズに頼りましょう。

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山の中だと樹林帯や谷間などで薄暗くなる場面というのは多々あります。そういった場面で、本レンズのF2.8の明るさや手ブレ補正機能は、効果的に手ブレを防いでくれます。開放でも画質は良いので、ガンガン開放から使えるのも良いところ(広角端だと四隅は暗くなりますが…)。

 

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風景撮影にこそ活きる(と思っている)超広角レンズですが、油断しているといとも簡単に自分の影が写り込んでしまいます。太陽の向きには注意が必要です。

 

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新しいレンズだけにコーティングにも力を入れていると思いますが、逆光時に全くゴーストが出ないわけではありません。角度によってはゴーストが出てきます。上の写真をご参考にしてください。

 

35mm(準広角)も使えます

このレンズの望遠端である35mmという画角も、山で使うのに何かと便利です。

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単焦点のポートレート用のレンズとかに比べたら、流石にボケ量は叶いませんが、開放2.8というF値とフルサイズセンサーのお陰で、背景がボケたそれなりに一眼っぽい写真は撮れます。

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準広角の画角は、人物にフォーカスを合わせつつも山の雰囲気を同時に伝える…というのには丁度よい感じです。

奥さんや友達と山に行く機会が多い場合、準広角的な画角は出番が意外とあったりします。一緒に行く人が写真に興味がない人だったりすると、レンズ交換でガチャガチャやって待たせたりすると嫌な顔をされる場合もないとは言えないので、レンズ交換が少なくなるようなズーム域のレンズはありがたい。 

15-35mmは何でも撮れる画角ではないですが、広大な風景と山岳スナップぐらいは写せるので、このレンズだけもって登山などに行くことも度々あります。

 

お値段について

キヤノンのテクノロジーが詰まった純正レンズで、しかも明るいF2.8通しのF値を持ったレンズ。

これが安いわけがありません。

お値段は約300,000円。

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このレンズを買った後、しばらくの間は食卓にもやしと鶏胸肉が並ぶ機会も多かったです…。

デカくて重いし、そのうえ値段が高いしで、全ての山写真愛好家の皆さんに自信をもってオススメします!…とはちょっと言い難いレンズなんですが、写りは良いし画角も使い勝手は良いし明るいズームなので、それが欲しい人にとってはなんとも魅力的なレンズですね。

 

 

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