懸垂下降の方法【登山・クライミング】

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懸垂下降についてです。歩いて降りられないような場所から安全に下降する際に、必須となる技術、懸垂下降。

クライミングの技術書には必ず載ってはいますが、テキスト全体の2ページぐらいとかで、ざっくりした説明にとどまっていることも多いという印象です。「ここが知りたい!」「こういう時はどうするの?」とか、疑問点が浮かんでくることも。技術書には案外細かいところが載っていないものもありました。結局、分からないところは友人のクライマーに聞いたり実践で学んでいきました。

今回は懸垂下降について書いていきます。

※内容は筆者の個人的な知識、経験に基づいています。ロープワーク・クライミングのプロではありませんので、その点をご理解ください。

 

懸垂下降の方法【クライミング技術】

懸垂下降とは

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歩いて降りられない(歩いて降りられるけど滑落リスクが高い)場合、安全に下降するための手段

 

手順

・(セルフビレイ)

・支点にロープをセット

・下降器をセット

・(バックアップのセット)

・懸垂下降

・下降器を外す

・ロープを回収する

f:id:di82:20190227214147j:plainセルフビレイを取って安全を確保してから、支点にロープをセット。そのロープに、下降器(ATCなど)をセット。 

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下降器のカラビナはHMSのロック式がベター。ロックを忘れずに。

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先行の場合(手を離して絡まったロープを解くなどの作業をすることがあるので)、バックアップをセット。

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セルフビレイから下降器にテンションを移して、下降器のセットにミスが無いか確認。

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セルフビレイを解除し、懸垂下降の実施。下まで降りきったらロープを引いて回収します。

 

支点の選択

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明神2峰の下降点に残置された下降支点

上の写真は下降支点です。ロープがたくさん垂れ下がっててゴチャゴチャしています。中にはだいぶ古いものや傷んでいるものも混じっていて、積極的に使いたくないものがあります。

恐ろしいのはロープの痛み具合だけでなく、ロープが結んである先は何十年前に打たれたかわからないような、ボロボロのピトンだったりする場合もあるのです。

支点選びは、下降中に「もしこれが崩壊したら死ぬ」という危機感が大切。

 

懸垂下降中、下降者の安全の全てを担う下降支点には、体重の数倍の力が加わることもあります(ドスンという衝撃が加わった時とか)。

手でちょっと引いてみて大丈夫だからといって、下降中に支点の紐がプツリと切れない保証はないのです。

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残置されたロープは、紫外線や岩や金属との摩擦によってすり減っている可能性もあります。下降前に、必ず残置ロープ(スリング)の全周を確認するようにしましょう。見えてない裏側が擦り切れそうになっている可能性も0ではありません。

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強度不明

古いボルトはピトン(ハーケン)は、中まで錆びて朽ち果てている最中かもしれません。

懸垂で立ち木を利用する場合もあるでしょう。立ち木の中には枯れていて、中身がスカスカになっているものだってあります。

スリングを巻きつけるのにちょうどいい大きさのその岩は、体重をかけて引っ張ると動くかもしれません。

命はひとつしかありません。懸垂下降の前に、これから自分の安全を全て担うことになる支点の強度を必ず評価しましょう

支点のロープやスリングの安全性に不安がある場合は、自前のスリングを使うのも手です。ひとつ1000~2000円ぐらいする?あなたの命は、新品のスリングの価格よりは高いと思いますよ?

 

セルフビレイを忘れずに

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下降点にロープを通したり、下降器をセットしたりする前に、しっかりと強度のある支点でセルフビレイ(自己確保)をすることが大切です。

下降点は崖っぷちの場合がほとんどなので、懸垂下降の準備中に墜落…なんてことはないようにしたいです。

また、下降器のセットミスの可能性(ヒューマンエラーは常に付きまとう)もあるので、セルフビレイをしたたまま下降器をセットして、実際に体重をかけて大丈夫か確認して、最後の最後にセルフビレイを外すようにします。

 

下降器のセッティング

ATC(チューブ型デバイス)を使用する場合

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Black Diamond ATCガイド

最近主流の下降器は、チューブ型のデバイス。ビレイ(確保)器としても使用します。

Black Diamond社のATCや、Petzl社のルベルソなどが有名です。

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ロープをデバイスの穴に通し、カラビナをかけることでセット。下側のロープの角度を調節することで、下降スピードを調整できます。

このデバイス、上下があって、チューブの穴(スロット)の、ギザギザになっている部分が下になるようにします。

 

エイト環を使用する場合

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Black Diamond スーパーエイト

エイト環ですが、使っている人はあまり多くありません。現在はATC(チューブタイプ)が主流ですね。ただ、一部のクライマーは今も根強く愛用しています。

沢登りでは、泥だらけになったロープで懸垂下降しても、ATCと違って穴に泥が詰まることがないのが利点だそうです。

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エイト環ではこのようにロープをセットします。

 

カラビナのみでも懸垂下降ができます

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ATC(チューブ型デバイス)やエイト環などの下降器がない場合、カラビナだけでも懸垂下降は可能です。

ミュンターヒッチ(イタリアンヒッチなどとも)という結びを使います。

ただしコレやるとロープに巻きグセが付いて、その後のロープ操作がやりにくくなってしまうので、個人的にはは出来るだけ避けたい。下降器を紛失した場合など、最後の手段としています。

 

下降時の注意点

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絶対に下降器の下側の手を離さない

下降器よりも上のロープを持たない。持ってもいいですが、両手で下降器よりも上のロープを持った場合、デバイス(下降器)無しでロープにぶら下がっているのと同じです(意味がない)。

下降中、無闇にジャンプしない。飛び跳ねると一時的に支点に大きな荷重がかかります。「支点が吹っ飛んで落ちた人を見たことがある」と、とあるベテランクライマーより。スマートに、スムーズに降りるように。

途中でロープが絡まっている場合もあり、絡まったロープを解く必要が出てくる場合もあります。下までロープが届いているが確認できていない場合、最初に下降する人はバックアップを取っておいた方が無難です。下降の途中でロープに結び目を作って流れないようにする方法もありますが。

 

バックアップについて

バックアップとは

下降器以外に、スリングをロープに巻き付けておき(摩擦がかかると止まる結びなので、フリクションノットと言います)、下降中に両手を離しても墜落しないようにするための方法です。 

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バックアップがあれば、両手を離しても大丈夫

投げたロープが木に絡まった、ロープが途中で団子になってしまった、降りながら中間支点を回収したい…などの場合、バックアップがないと下降中に片手でロープを解いたりなどの操作をしないといけません。バックアップを取っておけば、懸垂中のミスによる墜落事故の発生リスクを軽減できます。

 

バックアップに最適な結び方は?

スリングをバックアップに使用して、フリクションノットという結び方でバックアップを取ります。

フリクションノットには、プルージック、クレイムハイスト、マッシャーなど、数種類の結び方があります。

「どの結びがいいの?」と、山岳レスキューやってるプロの方に聞いてみたら、「どれでもいいと思うけど…俺はマッシャーかな」と言っていたので、自分もマッシャーです。マッシャーが一番手っ取り早いような気がしますし。

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プルージック

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クライムハイスト

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マッシャー

どんだけ疲れていて集中力が落ちていても、間違いなくさっと結べるように、色々な結び方を覚えるより、ひとつの結びを確実に素早くできるようになることが安全かな、と個人的には思います。

 

バックアップの位置

下降器の下にバックアップを設置することをオススメします。

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下降器の上にバックアップを設置すると、体重が急激にかかった際にロック(バックアップのロープがメインロープに強く食い込んでしまう)してしまい、解除が困難になってしまいます。そうなると宙ぶらりんです。為す術なし。バックアップへの荷重を解除して解くか、ナイフでバックアップのスリングを切るかすれば脱出可能ですが、そんな面倒なことが起きないように、デバイスの下にバックアップを取っといたほうが無難だと思います。

 

もうひとつ、注意点。バックアップの位置が高すぎると、デバイス(下降器)にバックアップのスリングが干渉して、うまくスリングが締まってくれないことがあります。

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下降器とバックアップの位置が近すぎると、バックアップのスリングがうまく締まらず意味がない

自分の場合は、バックアップはハーネスのレッグループから通していますが、下降器そのものをスリングとかでちょっと上にセッティングしておく方法もあります(下降器が手の届かない高さにきてしまうのはNG)。

 

バックアップに使用するスリング、ロープ

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メインロープよりも細いロープを使用。メインロープとバックアップ用のロープ(スリング)の太さに差があった方が良くフリクションがかかります。

レスキューだと7mm以上とか規定があったはず。個人の場合は、自己責任でもうちょっと細いの使っても大丈夫だと思います。最近の(メイン)ロープは細いし。

自分は太すぎると巻く時にやりにくいし、細すぎると見た目心配なので、6mmの細引きを使用しています。

切り売りの補助ロープを約1.5mでカットして、ダブルフィッシャーマンズで輪っかにするとだいたい60cmぐらいのスリングができるのでそれを使用。

ただし、切り売り補助ロープを自分で結ぶと解けてしまうリスクがあるので、自作スリングは推奨していないという意見もあります。フリクションノット用に、結び目がしっかりと縫われた(固定された)製品も出ています。安全性をとことん高めるには、市販の結び目が固定されたスリングを買う方が良いのかも知れませんね。

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市販のスリングといえば、最近良く見かけるダイニーマ(ダイネックス)スリング。白くて細くて高いヤツです。軽くて、強度が高く、保水しないので水を含んでも軽いという利点がある、登山に最適そうなスペックのダイニーマ。融点が約160℃と、ちと熱に弱いところが注意点(ナイロンの融点は約210℃)。フリクションノットでガンガン摩擦をかけると、溶けるリスクがあります。まぁ、ダイニーマが溶けるほどガンガン下降中に摩擦をかけるのか、ナイロンなら懸垂で摩擦をかけても絶対溶けないか、と聞かれると返事に窮するところではありますが。その辺の知識も頭の片隅置いとくと、どっかで役に立つかも。

 

こんな道具もあります→ペツル・シャント

懸垂下降用のバックアップの結び省略するためのデバイスが、ペツルより発売されています。

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ペツル シャント

バックアップ用のロープをメインロープに結ぶ代わりに、このデバイスをメインロープに装着し、カラビナでハーネスと連結することにより、懸垂下降のバックアップが可能なデバイスです。

ただ、こいつはこいつで結構重いし、セットするのが少しだけコツがいって手間だし、クライミング装備を揃えた初期に、必要かもと思って何となく買いましたが、現在は使っていません。

使ってる人もいるし、現在も発売されているロングセラー商品ですし、人によっては使えるデバイスなのでしょう。

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スリングを結ばずバックアップ可能。ただし、装着するのは少し手間

 

ロープの末端

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ロープの末端に結び目(コブ)を作っておくと、万が一ロープが下まで届いていなかった場合のすっぽぬけを防止することができます。

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懸垂下降時、ロープが下まで届いていないとすっぽ抜けます

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ロープ末端にコブを作っておくと、すっぽ抜けを防止できます


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ロープの両末端を、それぞれ別に縛るか、まとめて縛るか2つのパターンがあります。

両末端をそれぞれ別に縛ると、ロープを下に投げたの時に両末端がバラけるので、ロープが塊になって落ちることが少なくなり、絡みにくい感じ?

対して、両末端をまとめて縛ると、風が強い時などにロープ端が別々にバラけて飛んで行くのを防げます。また、コブが大きくなってロープの重さが少し増すので、落ちたロープが緩傾斜帯にかかっても、ロープが自重で落ちやすくなります。

理屈が分かっていればどっちでもOK(某ロープワークのプロより)だそうです。

 

ダブルロープでの懸垂

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シングルロープ(ロープ1本)で懸垂下降できる距離は、ロープの長さの半分までです。ロープ回収のため、下降支点の位置でロープを折り返すためです。

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50mロープ×1本だと、一度に降りられる距離は25mとなります。

 

ダブルロープ(ロープ2本)での懸垂の場合、2本のロープを下降支点の位置で結びます。これによって、1本分のロープの長さいっぱいまで、一度の懸垂下降で降りることができます

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50mロープ×2本の場合、最大で50m下降できます。

ダブルロープでの懸垂下降は、1ピッチが長いルートや、下山時に懸垂下降を繰り返すマルチピッチのクライミングルートで威力を発揮します。

ダブルロープだと、登った距離だけ(ロープの長さ分だけ)下降できるので、マルチピッチ(アルパイン)クライミングで撤退を考慮に入れた場合、必須となることが多いです。

懸垂下降の手順自体は、シングルロープでの懸垂下降とさほど変わりはありません。

シングルと異なる点は、2本のロープを結び合って使うので、結び目ができる点。これは、結び目が解けて事故を引き起こすリスクと、ロープ回収の際に結び目が引っかかるリスクが生じてきます。

 

ロープの連結はどの結びが良い?

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オーバーハンドノット×2

現在ロープの連結はオーバーハンドノット(バカ結び)で良いとされています。一番簡単な結びのことです。これは結び目のコブが小さくなることと、結び目が立つので回収時引っ掛かりにくくなるのが利点です。

末端が短いと結び目同士が引っ張られた時にすっぽ抜けるリスクがあるので、余裕を持って結びたいです。万一に備えオーバーハンドノットは2回結んでいます。

 

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ダブルフィッシャーマンズノット

結び目同士を連結する場合、ダブルフィッシャーマンズノットが強固に結べて、見た目安心感が高いですが、荷重がかかるとロープ同士が固く結ばってしまい、解くのが大変です。夕暮れが迫る中急いで懸垂下降を繰り返す…というような場面では焦ってしまうことになるかもしれません。

 

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エイトノット

エイトノットは、ハーネスなどにメインロープを結ぶ際には安心感のある結びですが、ロープ同士を連結する際にエイトノットを結んだパーティが、結び目が解けたために墜落した事例があるそうです。

末端を長めにとっておくのが大切。

ロープワーク・ハンドブック      Outdoor

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ダブルロープの注意

2本のロープを下降支点のところで結びます。ロープの結び目は下降支点を通過できないことが多いので、懸垂下降を行う前には必ず、どちら側のロープを引いて回収するかを決めておく必要があります。

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ロープ回収ができないトラブル

ロープを回収する際(特にダブルロープの場合多い)に、ロープが岩の割れ目に引っかかったり、木に巻き付いてしまったりして、引っ張っても回収できなくなってしまうことがあります。 

その場所から歩いて降りられれる場合、最悪ロープを残して下山してしまうのも手ですね。死ぬよりマシです。ですが、クライミング用のロープは結構高いし、ゴミを残していくのは環境破壊だし、ぜひとも回収したいのが人情。

また、この先も懸垂下降をしないと降りられない場合は、何が何でもロープを回収しないとお家に帰れませんので、何とかする必要があります。

 

基本的にロープが回収できない(スタックした、巻き付いた)場合、ロープが動かなくなっている原因を引き起こしている箇所まで登り返す必要があります。

動かなくなったロープにフリクションノット(プルージック)を結んだり、アッセンダー(タイブロックやマイクロトラクション等)を使用して、万が一落ちても止まるようにしてから、ロープを登り返します。何らかのきっかけで、スタックしたり絡んでいたロープが解けてしまうと、フリーソロ(安全確保していない状態)になってしまいとても危険なので、登り返しは嫌な緊張感が伴います。

ロープがトラブルを起こしている箇所(岩に引っかかったり、木に絡まったりしている)まで行ったら、その原因を解除。その場所から懸垂下降して降ります。

ロープが岩場に挟まっていた場合なんかは、トラブル解決したは良いけどその場所から降りるために使える支点がない!という事態が起きることも。その場合どうするかは、その場所の状況によるので、どうすりゃ良いのかは何とも言えないです…。自分は岩の割れ目にナッツを残置して、その場から懸垂したことがあります。石コロにスリング巻き付けて、その石コロを岩に挟み込んで(チョックさせて)支点にするとか?怖い怖い…。

懸垂下降を開始した支点まで登り返して、改めて懸垂するという方法もありっちゃあり。でも、今度こそうまく降りて回収しないと、またロープがスタックするリスクもあり…。

 

クライミングをするつもりはないけど懸垂下降は覚えた方がよいか?

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様々な意見があるとは思いますが…個人的には…

クライミングをやるつもりが無い、登山で登山道の歩行中心なら、懸垂下降は覚えなくても良い気がします。明神主稜とか、ルート上に懸垂下降が必要になるルートに行きたい場合とかは、覚えとく必要はありますけど…バリエーションルートの世界です。

ロープ、ハーネス、下降器、必要な装備を全部持っていくと重いです。持っていくだけで、荷物に数kgの重量が追加されます。それを、使うかどうか分からないルート(この場合は、一般登山道を指す)に持っていくのはどうかと。どうせ使わないようなものは省いた方が、快適だし、軽快に動けるし…。少なくとも、自分はハイキング(一般登山)にロープを持っていこうとは全く思わないですね。

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剱岳とか、奥穂~西穂縦走とか、槍ヶ岳とか、一般的に難度が高いと言われているルートにクライミング装備を持ってく人もいるけど、行くのが整備された登山道なら、「鎖使えよ…」としか。鎖場をちゃんと歩けるようになってから、懸垂下降などのクライミング技術を覚えましょう。

懸垂下降などのロープワークを覚えて、いざという時のレスキューに…という考えもあるかもですが、素人が覚えたての懸垂下降をして、岩場の下に落ちた人をどう助けるつもりなのか。二重遭難すると、救助隊の人の手間を増やすことになりますし。電話するなり、走ったりして救助要請する方が現実的かと。

まぁ、安全に関する考え方は人それぞれ。僕の個人的考えが絶対に正しい訳ではないですし、技術が必要だと感じた方は、学んでおいても損はないかも知れません。

セルフレスキュー (ヤマケイ・テクニカルブック登山技術全書)

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懸垂下降はリスクを伴う技術です

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懸垂下降は、やり方を間違えると死にます。

もしも、独学で覚えようという人がいたら、階段とか坂道とか、失敗しても死なないところからスタートすることをオススメします。

デバイスへのロープセットを間違えると、怪我もしくは死亡。懸垂下降の途中で手を離してしまったら(バックアップがない場合)、怪我もしくは死亡。ロープを掛けた支点が壊れたら、怪我もしくは死亡。途中でロープが切れたら、怪我もしくは死亡。ロープが下まで届いてなくてすっぽ抜けたら怪我もしくは死亡

クライミングでは、懸垂下降時に最も死亡事故が多いとか、どこかで見たような気もしましたし、懸垂技術を覚えたい人は、技術に熟達した指導者に教えを請うか、徹底的な練習、もしくはその双方をやっておくことを、激しくオススメしたいところです。

懸垂下降は死亡事故リスクを伴う技術なので、上にも書きましたが、「クライミングはしないけど何となく覚えたほうが良いかも」ではなく、「目標とするルートに行くために覚える必要がある」場合に学んだ方が良いかと。

 

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www.dimountainphotos.com