【ATCパイロット】BDの新型ビレイデバイスのレビュー

Black Diamond(ブラックダイヤモンド)から発売されたビレイデバイス、ATCパイロットを先日購入し、幾度か使用したのでそのレビューを書いていきたいと思います。

基本的にヘボクライマーが書いてることなので、上級者の参考にはならないかもしれないので、あしからず。

 

Black Diamond ATC Pilot

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到着したてのATCパイロット。

使用しているカラビナはOcunのCondor HMS Twist Lock

 

※使い心地に関してですが、自分が使ったことのあるビレイデバイスは、同じくBD社のATCガイドと、MammutのSmartぐらいなので、主にそれらのデバイスとの比較になります。

デバイスはロープ、カラビナとの相性もあるので、レビューの際に使用したカラビナやロープ以外の製品では、印象が異なる可能性があります。

 

デバイスの概要

シングルピッチのクライミングに対応したビレイデバイス

シングルロープのみに対応

対応ロープ経:8.7~10.5mm

重量:86g

ロープの取り込み/出口はステンレススチール製

ブレーキアシスト機能

 

ATC Pilotの紹介動画(英語)


Black Diamond ATC Pilot Belay Device - FULL DETAILS

 

特徴としては、ブレーキアシスト機能付き(セミオートロック)。

使い方は通常のATCとほぼ同じでOK。

本体を傾けることによりスムーズなロワーダウンが可能。

などと言ったところでしょうか。

重量が86gとATCガイドとほぼ同じで、ブレーキアシスト付きデバイスの中ではかなり軽量というのもいい感じです。

ロッキング機構付きビレイデバイスとしては、PetzlのGriGriが有名ですが、最新型のGriGri+で200gと、結構重量があります。

シンプル、軽量、なおかつ(セミ)ロック機能があるというのが本製品の魅力です。

 

 

外観

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ATCパイロット 横から見たところ。

 

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口側。ロープが出入りするところはステンレススチール製。

スムーズなカーブがつけられていて、ロープに優しそうです。

ステンレスはアルミに比べて耐久性が高いのも嬉しいです。

 

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ケツ側。口側はステンレス製ですが、それ以外はプラスチックです。

ALL金属製のMammut Smartなどのデバイスと比べると、若干安っぽさと頼りなさを感じてしまうのも事実。薄くなっている部分はぐっと押すと少しだけたわみます。

強度的にはしっかりテストされているはずなので、大丈夫だとは思いますが。

 

 

使用感

使用方法は、以下の動画から(英語)


How To: ATC Pilot

 

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初使用は、山梨県の兜岩。

 

使ってみての印象は、公式の言うとおり、ロープの出し入れはATCなどのチューバー系と同じなので、戸惑うことはありませんでした。

ATCやルベルソ等を問題なく使える方は、初回から特に違和感なく使えると思います。

ブレーキアシストの性能ですが、ロープに急にテンションがかかった場合は、問題なく作動してくれました(当たり前ですが)。

ノーハンドでフォールを止める実験とか、そんなバカげたことはしなかったので、どこまでブレーキ機能が働くのは未知なところもあります。

ブレーキハンド側から手を離すなとマニュアルには書いてあります。それだったら、ブレーキ無しでいいじゃんという気がしないでもないですが、ビレイ中に突然ハチに襲われたり、落石が当たったりして注意が逸れたり手が離れる可能性もゼロではないので、ブレーキアシスト機能は、ないよりあった方がより安全であると個人的には思っています。

本体を傾けてロワーダウンをさせる機能ですが、「そんなの別になくてもいいじゃん」と、使う前には思っていたんですが、繊細なスピードコントロールができるので意外に気に入っています。

 

Mammut Smartと比較して

ブレーキアシスト機能付きビレイデバイスとして、自分が他に使ったことのある製品はMammutのSmartというものです。機能的にはATC Pilotとほぼ同じ感じです。

Smartの欠点として、クリッピング等の際に急いでロープを出そうとした時にロックしてしまうというのがあります。

ロックさせずにロープを出すのに少々コツがいるのですが、急いでいる時たまにロックさせてガチャガチャやってしまうことがあり、クライマーに迷惑をかけてしまうことがありました。

ATCパイロットは、急いでロープを出した際に全くロックしないわけではないですが、Smartほどのつっかかり感はありませんでした。

比較的スムーズなロープの出し入れが可能なので、登る側、ビレイする側共に、余計なストレスがかかりにくいというのが良い点だと思いました。

また、Smartはノーズ部分にロープが絡まってしまうことがたまにあり、地味にストレスになっていましたが、ATCパイロットは出っ張り部分がなく、コンパクトな形状なので邪魔と感じたことはありません。

値段は

Mammut Smart:¥3,780

ATC Pilot:¥4,860

Mammutの製品は、高級路線のブランドとは思えないほどの、かなり控えめなprice tagとなっています。

そうするとATCパイロットは、庶民派の印象のある(最近はちょっと値上がりしましたが)BDが出しているにしては、少し割高感があるような気がします。

Smartは全てのパーツが金属製ですが、ATCパイロットは軽量化のため仕方ないとは言え、一部がプラスチックのパーツになっています。Smartと比較して値段が高い割には、見た目的には高級感はない感じですね。

使い易さで言えばATCパイロットの方が上に感じますが、値段ほどの大きな差は…人によるといった感じです。

 

 

最後に

良いと思った点も、イマイチだと感じた点も書きましたが、総合的にはかなり気に入っています。

やはりブレーキアシスト機能は安心感がありますし、ビレイ時間が長くなればなるほど(ハングドッグがあると尚更)、ブレーキ無しのデバイスと比べて疲れが少ないです。

ロープを出す時のつっかかり感も少なく、ストレスなくロープの出し入れがコントロール可能です。

シングルピッチのクライミングでは、メインのビレイデバイスとなりました。

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アイスクライミングでも使用しています(シングルピッチオンリーですが)。

構造が単純な(カムなどの機構がない)ぶん、凍りついたりといったメカトラブルの心配がないのも良いです。

 

【ATCパイロットで実際に使用したことのあるロープ】

Beal Tiger Unicore Dry cover 10mm

Mammut Infinity Protect 9.5mm

Tendon Master 9.4mm

ロープが滑るなどのトラブルは今のところありませんでした。

使い込んでいるロープもあるので、ドライカバーがなくなっている分滑りにくくなっていることも考えられます。

参考になれば。