【男性登山者必見】 山で女性に関わるマナー

ディーアイの山/クライミング仲間は基本的にオッサンが多いですが、中には少数ですが女性も存在します。

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その女性たちは、単独行当たり前、雪山・クライミングをやっているにはじまり、甲斐駒ヶ岳黒戸尾根積雪期日帰りしたとか、ボルダーで初段落としたとかヒマラヤで6000m峰登ったとかいうパワフルな方々だったりします。

そんな彼女たちとお話をしてくると時々出てくるのが、山で出会った痛い男たちの言動…

自分自身、ひとりの山屋として、相手はあくまでも山そのもの。女に媚を売りたいという気持ちは毛頭ないのですが、見ず知らずの女性に「痛いヤツ」認定されるのは何となく嫌だと思うので、彼女たちのご指摘をざっと聞いてみようじゃありませんか。

山で出会った女性に、「痛いヤツ」ではなく「素敵な人」と思ってもらえば、連絡先ぐらい教えてくれるかもしれませんよ…ぐへへ。

 

男性登山者が山で女性(山ガール)に関わるマナー

 

武勇伝は相手の経歴を聞いてから

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【事例その1】

山小屋の談話室で、聞いてもいないのに自分の山の経歴をペラペラと喋るAジェントルマンさん。

「俺は●●山と■■ヶ岳と××連峰に登ったぜ。いや~●●山は厳しかった。■■岳はあれは一度は行くべきだと思うよ。景色が~。雪山では…が…で…あそこは×●…以下略」

その話を聞いていた山女Bさんはこう思ったそうです。

「(ふ~ん、そんな程度か)」

山女Bさんは、年齢的にはAジェントルマンさんよりは大分若かったらしいですが、Aジェントルマンさんが厳しいといっていた山は特に困難なく登れていたらしいです。また、Aジェントルマンさんの雪山体験も、ほとんど初級レベルの山域ばかり語っていて退屈だったと呟いていました。

 

自分の登山経歴を語って、相手女性に「凄い人っ☆☆☆」と思ってもらいたい気持ちは痛いほど分かりますが、

相手が自分を上回る猛者である可能性も否定できないので、

まずは相手の経歴について探りを入れましょう。

語り始めるのはそれからでも遅くないはず…!

 

ちなみに自分の山歴を語る場合は、「冬の富士山登頂」とか「マッターホルンに登ったことあるよ」みたいな分かりやすくて何となく凄そうなネタと、

「アレアレアをフリーで完登」「ザクロ谷遡行」みたいに、分かる人には分かるネタも併せて持っておくといいかもしれませんね。

ディーアイは上記ルートひとつも登ったことないですが。

また、「コマクサが好きなの?それなら●月の●●岳の●●に行くとキレイに咲いてるからおすすめだよ~」とか、相手の好みに合わせた山話の提供なら喜ばれるかもしれませんね。

自分が語りたい山より、相手が知りたい山、みたいな。

しかしディーアイ自身が基本的にモテない男なので、偉そうに女性とのトーク方法について語っても全く説得力無いのですが。

 

ワイルドアピールもほどほどに

【事例その2】

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夏山で縦走中の話。その日は事前の天気予報でも荒天の予報でした。外は土砂降りでとてもテントを張れる状況ではもなく、山小屋は人で溢れていたらしいです。

Cジェントルマンさんは談話室で自らの体験を語り始めます。

「俺は今日●●源流を越えてきたんだけど、いや~流されるかと思ったよ。危機一髪って感じかな。沢が激流になっちゃってて。俺は何とか突破したんだけどさ…」

雨天予報だったため●●源流をあえて通らず、天気が本格的に荒れる前に尾根ルートを歩いてきた山女Dさんはこう思ったそうです。

「(リスク管理できていないのかな?)」

雨が降れば沢が増水するのは当然。隣に比較的安全に通れるルートがあるのにあえてリスクの高い道を行き、それを勇ましい出来事のように語るCジェントルマンさん…。

最近の感度の高い女子(天候とかルート情報とか)に対しては、肉食系(危なっかしくガツガツ登る)よりは草食系(安全第一で登る)のが印象が良いのかもしれませんね。

G・レビュファさんも、「冒険は大好きだけど危険は大嫌い」と言っていましたし。レビュファさんは山ガールじゃなくてオッサンですが…。

 

負けを素直に認めること

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【事例その3】

登山で勝ち負けや優劣を競うのは正直意味が無いとは思いますが。

▲ヶ岳でのお話。ロードバイクも趣味としている山女Fさんは、その日も快調に歩いていたそうです。

そんな中、疲れた様子で歩いていたEジェントルマンをいつもの歩行ペースで抜いたところ…

山女Fさんは語ります。

「その人、私の顔見て女ってわかったら、すごく必死にペース上げてついて来て…」

明らかに疲れているのにも関わらず、女に負けたくないという気持ちからか一生懸命ペースを上げようとしてくるEジェントルマン…。

山女Fさんは、頑張って歩けど追いつけないEジェントルマンさんの姿を振り返り、残念な気持ちになったらしいです。

正直申しまして、男のプライドとして、女性に負けたくないという気持ちは自分も何となく理解はできますが…。プライドはトレーニングと実績によって打ち立てられるべきだと思いますので、負けたくなければ日々自分を追い込むトレーニングは必須。

自分個人としても、追い抜いた相手に「若いね~」とか言われたりするとそんなにいい気分しないですからね。山で元気に歩けるのは確かに年齢的なものもあるかもしれませんが、それ以上に体力をつける(維持する)ためのトレーニングの成果だと思っているので。…話が逸れました。

登山中、疲れている自分の横を元気に抜かしていく人がいたら、「負けちまったァァァ!フンガー!」ではなく、「あぁ、あの人は日ごろからしっかり歩くための努力しているんだなぁ」ぐらいに見守ってあげると良いのかもしれません。

まぁ、早く歩くことだけが登山の全てではないので、その辺は各個人の楽しみ方でいいと思うんですけどね。

 

距離感が大事

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これは山に登っている女性からたまに聞く話。

山で偶然出会った男性にペースを合わされ付きまとわれた

こういうネタを聞かされたのは決して一回きりではなく、ことごとく評判が悪いですね。

【事例その4】

伊吹山ではじめてのソロ登山を経験した、職場の初心者山ガール・Iちゃんとの会話。

ディーアイ「この前の伊吹山どうだった?」

Iちゃん「ずっとペースを合わせてついてくる男の人がいて…キモくて最悪でした

山で出会った素敵な女子と、そのまま一緒に登山。あわよくばそれで仲良くなって…という関係の確立方法というのは

イケメンとか超絶コミュニケーション能力を持っている人とか、我々よりも一歩先を行く人類にのみ許される技であり、滑舌が悪くて挙動不審のディーアイのような人間が見ず知らずの山女子とご一緒しようとすると、高確率で迷惑行為になってしまいます。

彼女たちは基本的に外面だけは良いので、こちらの話に対しては「そうですかー」「凄いですね!」とか勘違いしちゃいそうな合いの手を入れてきますが、たいていは愛想笑いを浮かべて適当に相槌をうっているだけだったりします。

その場所ではニコニコ笑って相手をしていても、下山したら彼氏や友人相手に、ボロクソ言って愚痴っていると思っていただいても差し支えありません。

 

ディーアイは山で女子に話しかけてもどうせ

「何こいつ…キモっ!」

とか思われるんだろうな~、と積極的にマイナス思考が働いて、可愛い山ガールがいたとしても自分から話しかけるようなことは絶対にしません。空気のように扱うのが基本です。

おじちゃん、おばちゃんはフレンドリーで話しかけやすくて好きです。たまにアメちゃんとかお菓子くれるし。

 

仲間の安全を第一に

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「俺の超絶登りテクニックを見せて惚れさせてやるぜ!」

と、男子諸君は思ったことがあるかもしれません。

これからお話しするのは、今ではすっかりたくましくなった山女Zさんが、登山初心者だった頃の体験。

【事例その5】

今時の登山者にありがちな、SNSで知り合った者同士で、即席のパーティを組み、登山初心者だった山女Zさんはデンジャラスヶ岳(仮称)に向かいました。

そこで、行く手を阻む雪渓登場。先に進むには、その雪渓を横断していく他には手はなさそうです。

雪渓はかなり急斜面となっていて、足を滑らせたら怪我をしてしまいそうです。

SNS登山グループの中でも“比較的”経験豊富なGジェントルマンさんは、真っ先に雪渓をスタスタ渡って、他の仲間たちに言いました

「俺の後について来い!」

パーティの中には山女Zさんと同様、ほとんど素人同然の女子も何人かいて、恐々雪渓を渡ったそうです。

幸い足を滑らせて怪我をする人はいなかったらしいですが、

「怖くて全然楽しくなかった」と、

山女Zさんは言っていました。

初心者に、ともすれば危険な雪渓横断させた事例がきっかけとなり、そのSNSグループ内ではいろいろと揉め事があって、最終的にグループは消滅してしまったそうです。

 

ディーアイも昔、危なっかしいのを見たことがあります。

夏、北アルプスの穂高連峰、午後、雨の後で岩が濡れいている状態で、2人パーティが、涸沢岳から北穂高岳へと縦走しようとしていました。

女性の方は「怖い怖い」と半べそで、涸沢岳の最初の下りでほとんど固まっていましたが、男性の方は「そこに足置いて、三点支持で!」とか、女性が冷静に話を聞ける状態ではないのに関わらず、饒舌にアドバイスらしきものをしていました。

基本的に他人の登山スタイルに口は出さないディーアイですが、さすがに女性が可愛そうだったし、小屋にたどり着く前に暗くなったり、夕立に遭うリスクも十分に考えられる状況だったので、「あなたたちにはこの道は無理なので止めてください」と、言ってしまいました。

男性が「超絶登りのテクニックを見せてやる!」と息巻いている場所は、女性にとっては怖くて危険で楽しくないところである可能性があるので、その辺はお互い山を楽しむためにしっかりと考慮すべき点だと思います。

どっちかが怪我でもしたら心象最悪ですしね。

 

【おまけ】 山あるあるは一般には通用せず

ディーアイ「何日も山を歩く縦走登山では、フロ入りません。何日も入らないけど基本的にみんな同じだから気になりませんね~。ハハハ。あと、冬山って凍傷になるといけないから、ウンコした後でも手は洗わないですね~。それでおにぎり食っちゃう。ハハハ」

職場の一般女子「そうですか…(ドン引き)」

山の常識は世間の非常識

山仲間の間では当たり前と思っていることでも、山に登ったことがない人からすると信じられない行為はあるようです。

「山ってどんなところ?何をしているの?」

という質問に対して、熱っぽくペラペラと語っても、場合によっては相手から

「なんか意味のわからないことをしているキモいオッサン」

というレッテルを貼られかねないので注意です。

 

結局のところ、山男は黙って山に登れ。ということでいいのかもしれません…

 

 

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