尾白川下流域のアイスクライミング1泊2日で行ってきました。
2018年2月4日~2月5日
初日は平田ルンゼ、2日目がガンガノ沢でした。
今回は初日の平田ルンゼ(ベータルンゼと読む)の記録となります。
尾白川下流域アイスクライミング
尾白川下流域のアイスクライミングエリアへ行く際には、駐車スペースは日向山の林道
上部で路駐するか、尾白川渓谷の駐車場を使うか2つのパターンがあります。
今回は先日積雪があったばかりで、路面の凍結が心配だったので、安全策を取って尾白川渓谷のPを利用しました。
アプローチ
尾白川渓谷駐車場から出発。駐車場には立派なトイレあり。
登山道方面の入り口には登山届け記入場所があります。
登山道方面へ進んでいくキャンプ場があり、そこから甲斐駒ヶ岳と日向山への道が分岐していています。
尾白川渓谷キャンプ場から日向山登山口まで40分ほどです。
日向山登山口。登山道へは行かず林道沿いに進みます。尾白川下流域アイスクライミングエリアの基点となる錦滝まではここから40分ほどかかります。
ちなみに、日向山林道上部に車を停めた場合は、日向山登山口まで10分ほどで着けるので、尾白川Pよりも30分ほど時間短縮になります。
日向山~錦滝間の林道途中に、崩落地点があります(帰りに撮影)
木々の合間を縫うように踏み跡がありました。
平田(ベータ)ルンゼ 氷結状況
1泊2日の予定だったので、まずは錦滝のある東屋の近くにベースキャンプを設置。
平坦な場所で、近くに水流もあるので快適です。
あまり景色が良くないのが欠点ですが、クライミング後は酒でも飲んで楽しく過ごしましょう。
錦滝をスルーし、林道を奥へ少し歩いていくと平田ルンゼの取り付きがあります。
「えっ?ここが取り付き?」と思うほど、ショボイ感じです。
気をつけていないと気付かずに通りすぎてしまいそうです。
ルンゼの取り付き付近は水流があり、最初はその水流から少し離れて沢を詰めます。
氷瀑が現れ始めた頃から沢筋に復帰しました。
最初の小滝を越えるとゴルジュ状地形に突入します。
お互いに落ちる心配はないと感じたので、フリーでゴルジュのナメ滝を登りました。
落ちると致命的なので、少しでも不安がある場合はロープを出した方がいいかもしれません。
ゴルジュのナメ滝を抜けた先で、沢は左と右に分かれていますが、ルートは右方向です。恐らく間違えることはないと思います。
短い斜瀑をフリーで越えていきました。
右側の氷柱が見事。
途中で上から見下ろした図。
三本槍の滝。短いですが垂直です。
ここは巻いて登ることも可能です。
平田ルンゼ最後にして最大の見所、松竹梅の滝 50m。
三本槍の滝のすぐ上です。松竹梅の滝取り付き付近は休憩に最適な平地があります。
松竹梅の滝、見た目はすごく簡単そうでしたが…
登ってみての印象は、「簡単だけど結構疲れるので侮れない」でした。
廣川本には「氷は水っぽいことが多い」と書いてありましたが、この日の氷結状況は、気温が低めなこともあってカチカチでした。
アックスの打ち込みに適した窪みは意外と少なく、氷が固いので打っても表面が割れてしまい、なかなか一発でアックスがしっかり決まりませんでした。
トップロープならグイグイ進めますが、リードだと浅い打ち込みではなかなか体重を預けられず、同じ場所にアックスを何回も打ち込む形に…
更に、足を休められるような大きなスタンスも少なく、前爪でずっと立っていないといけない状況。それが50mぐらい続くので、ジワジワとヨレてきて疲れました。
アイスはやはり、氷結状況によって難しさも変わってくるなと思った一日でした。
松竹梅の滝の上で相方をビレイ。
この上にもナメ滝があるようですが、一応ガイドブックに乗っているのはここまでなので、上の滝はそれほどでもないだろうと判断。平田ルンゼ登攀はこれにて終了としました。
平田ルンゼには下降路はなく、50m近いスケールの滝があるため、持参のダブルロープ(50m×2本)を使っての懸垂下降で下りていきました。
歩きとクライムダウン、懸垂を交えての下降。
ゴルジュ帯のナメ滝は2ピッチの懸垂が必要です。
L字に曲がっている場所に残置ピトンがありました。
平田ルンゼを登り終え、テントの張ってある錦滝の東屋へと戻っていきます。
次の日もアイスクライミング予定だったので、日が沈んだあたりでシュラフに潜り込み、さっさと寝ました。
ちなみにこの日の夕食はコレ。
やっぱり辛いものと鍋料理は体が温まりますね。
翌日は錦滝・ガンガノ沢で登ってきました。