北アルプスの餓鬼岳にある白沢は、コンパクトで手頃に遊べるなかなか楽しい沢でした。
場所:長野県、大町市、餓鬼岳
期間:2019年7月30日
登山タイプ:沢登り、日帰り
メンバー:ディーアイ、店長
餓鬼岳 乳川支流 白沢遡行
ルート概要
今回は北アルプス・餓鬼岳の一般登山道から入り、最初に行き合う沢(白沢)から入渓。餓鬼岳の山頂は目指さず流れが途切れるあたりから引き返すという計画でした。
餓鬼岳登山道の前半は沢沿いに作られているので、すぐ登山道にエスケープできます。また、登るのが困難な滝が出てきた場合でも、登山道へと逃げることで簡単に巻くことも可能です。
沢登り開始
ちょうど長い梅雨が明けて、登山シーズンに入ったところですが、北アルプスの中でも餓鬼岳は不人気な山域。大勢の登山者が訪れる人気の山と違い、餓鬼岳登山口の駐車場にはまだまだ余裕がありました。
15分ほど登山道を歩くと、いよいよ白沢が現れます。登山道は沢を渡す橋を通過し奥へと続いていますが、我々は沢登りが目的なので、登山道を外れて沢へと足を踏み入れました。
しばらくは大きな滝もない平凡な沢歩きが続きます。沢の水は冷たく、暑い夏には心地よい。
餓鬼岳の一般登山道は、時々沢(今回遡行しているルート)を横切ります。横目に登山道を見ながら、ジャブジャブと水流を進んでいきます。
いざとなれば登山道からエスケープできるので、心理的なプレッシャーは少ないです。
横からもっと楽に抜ける方法はあるのですが、平凡な沢歩きにスパイスを加えるべくあえて水のラインから登ったりしました。
(土砂崩れだかなんだかで)沢に溜まった木々の間をすり抜けて進む場面が何度かありました。
紅葉ノ滝
紅葉ノ滝は登山道からだと上部が少し見えるだけですが、下部は両岸を岩に挟まれたゴルジュ帯。
紅葉ノ滝下部の登りは、2段に分かれていました。
1段目は水流の左側から。一見ツルツルで足場が無いように見えましたが、水流内にフリクションを効かせられるスタンスがあり、そこに立ち込んで上のガバを取って終了。
2段目は本流横を流れるチョロチョロとした水流脇を登りました。まともな手がかりがなく、斜めの足場に全力で立ち込む1ムーブが鍵。床が岩盤で、落ちたら怪我しそうだったので怖くてその一歩がなかなか出せない。店長が肩を貸してくれたので、ショルダーで突破。後続の店長をお助け紐で引っ張り上げ、難所をクリア。
右が本流で、左が支流のチムニー滝。チムニー滝を登れば、すぐに登山道に合流できます。
紅葉ノ滝、上部は直登できるわけでなく巻きになります。その後登山道と合流するまで、それほど立派な滝登りがあるわけではないので、紅葉ノ滝上部手前にあるチムニー滝を登って登山道へと合流した方が楽しめたかな?とも思いました。
魚止ノ滝
紅葉ノ滝を過ぎてしばらく行くと、登山道がちょいちょい沢を横切ったり、沢のすぐ脇を通ったりしています。
魚止ノ滝右岸の支流をしばらく登っていくと、魚止ノ滝を巻くように作られた登山道と合流します。それから登山道を歩いて、魚止ノ滝上部に出ました。
小滝の連続地帯~下山
沢沿いのゴーロ帯に登山道が作られています。一般登山道として考えると、餓鬼岳のルートはすごくワイルドです。
ところどころ、巨岩が印象的なゴーロ帯と小滝が交互に出てきます。
進むにつれ、水流は少しずつ弱まり、渓相は平凡なものへと変わってきました。
地形図を見た感じでは、これから水流もなくなりそうで、面白そうな地形はなさそうな感じだったので、適度なところで脱渓することにしました。
地図上では沢から右岸(進行方向から見て左側)を詰めていけば登山道に合流しそうだったので、登りやすそうな支流を詰めていくことにしました。
ほぼヤブ漕ぎなしで、登山道にたどり着くことができました。
この日は麓の気温が35℃にも達するような日だったので、山の中も結構暑かったです。脱渓した後は、少しでも歩くと汗がじわじわと滲んできました。登山道ばかり歩いていても暑いので、危険な滝のない場所は快適な沢を選んで下っていきました。
魚止ノ滝や紅葉の滝の区間は登山道を下り、それ以外は沢をメインにしたことで、下山も楽しく快適でした。
駐車場に車を停め、出発したのが7時ごろ。ヤブ漕ぎもなく、快適に下山し、駐車場に戻ったのが午前11時ごろ。思ったよりも断然早く遡行が終了しました。
餓鬼岳の白沢は、半日手軽に遊ぶには良い沢かもしれません。
装備
ヌメリが少なく、ツルツルのスラブが多い沢なので、シューズはラバータイプがおすすめです。
ロープは8mm30mを持参(今回は使用せず)。
沢ではこのカメラ・レンズの組み合わせをメインで使用しています。
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