スイスの山岳リゾート地・ツェルマットの観光の目玉といえば、標高約1600mのツェルマット市内から標高3000mのゴルナーグラートまで一気に登る登山鉄道でしょう。
ゴルナーグラート鉄道は、おそらく観光でツェルマットを訪れる人の大多数が乗ることになるのではないでしょうか。
ただ単に、電車で標高約3000mの展望地へと上がるだけではなく、ゴルナーグラートは氷河を抱いた山々の絶景を眺めながら、手軽なハイキングを楽しめる場所でもあります。
今回は、登山趣味な人間目線での、ゴルナーグラート登山鉄道周囲について、記事にまとめてみました。
ゴルナーグラート鉄道周辺を紹介
料金
公式の運賃表
時期によって運賃は変わりますが、一般的な観光のピークシーズンとなる7~8月は高めに設定されています。
ピークシーズンだとツェルマット~ゴルナーグラートの往復料金は114CHF(約13600円!)
途中のリッフェルアルプまででも、往復料金は50CHF(約6000円)です。
登山趣味の方であれば、途中でハイキングを取り入れて、いくらかの区間を歩くことで高い鉄道料金を節約できます。
営業時間
公式によるゴルナーグラート鉄道の時刻表(PDFがあります)
夏季シーズン(6月初旬~10月半中旬ごろ)では、ツェルマットからの始発便が7:00です。最終便や始発の電車時刻は要確認!
ゴルナーグラート鉄道駅(Gornergratbahn)
標高1605m
ツェルマットの中央駅(観光客が最初到着する場所)からメインの通りを隔てて向かい側。徒歩数分のところにゴルナーグラート登山鉄道の始発駅があります。
とても目立つ場所にあるので見逃す心配は不要です。
建物に入るとキヨスクと受付があり、チケットを買ってから登山電車に乗り込みます。ツェルマット近辺の公用語はドイツ語ですが、英語も問題なく通じます。
始発の時間などは登山客・観光客で満車になることもざらです。ちなみにマッターホルンの展望に優れるのは(進行方向を見て)右側の席なので、電車の中からマッターホルンが見たい場合、改札口が空いたらダッシュで右側を選びましょう。
フィンデルバッハ(Findelbach)
標高1774m
ゴルナーグラート駅から最初に止まる駅がこちら。樹林帯の中にあります。
ツェルマットから約150mの標高差があり、ハイキング目的の人がちょっと標高を稼いだり、最後のかったるい樹林帯下りを登山電車を使ってすっ飛ばすために使う駅だそうです。
フィンデルバッハ駅の近くには、滝の脇に渡された登山鉄道のための橋があり、近くを歩いている場合にはちょっとした写真撮影ポイントとなっています。
リッフェルアルプ(Riffelalp)
標高2211m
この辺から森林限界に到着し、視界が開けてきます。
リッフェルアルプにはマッターホルンの展望に優れたホテルが何件も建っています。
リッフェルアルプ駅から展望に優れたホテルまでには少々の歩行が必要ですが、ホテルへの移動用に電車が走っています。歩いてホテルのある場所に行くことも可。
上からハイキングで降ってきた場合は、リッフェルアルプから登山電車に乗ることで、展望のない樹林帯をすっ飛ばしてツェルマットに戻ることが可能。
リッフェルベルグ(Riffelberg)
標高2582m
ここまで上がってくると、完全に尾根の上に乗った形となるので、展望が大きく開けます。リッフェルベルグは、ツェルマットで最初にできた山岳ホテル(リッフェルハウス)で有名です。
Furi(1867m)を通じてツェルマットへと下りられるロープウェイの発着場もあったりするので、登りは電車で、リッフェルベルグからはロープウェイで下山という選択肢も良いかも。
オシャレな教会であるリッフェルベルグ・チャペル。マッターホルンと合わせて写真を撮ると、SNS栄えしそうです。
ハイキングで一汗かいた後、レストランでビールを一杯やってから電車(またはロープウェイ)下山というのも素敵です。
ローテンボーデン(Rotenboden)
標高2815m
『逆さマッターホルン』は、ゴルナーグラート随一の写真栄えスポット。
(風がない時は)湖面に反射した逆さマッターホルンを見られる池のひとつが、『リッフェル湖』。リッフェル湖へ徒歩およそ5分でたどり着ける停車駅が、ローテンボーデンです。
リッフェル湖の隣には、リッフェルホルン(Riffelhorn)という岩山があります。ここにはロッククライミング用のルートがあり、マッターホルン登山前のトレーニングにも使われています。
スイス・イタリア最高峰のモンテ・ローザ(Monte Rosa 4634m)へのルートに繋がるトレイルがあるのもローテンボーデン。モンテ・ローザに挑むアルピニストたちが下車する駅でもあります。
ゴルナーグラート(Gornergrat)
標高3089m
ゴルナーグラート登山鉄道の終点駅です。丘のてっぺん(正確には頂点ではないですが)にあるドームが印象的な建物が、有名な山岳ホテルである、クルムホテル・ゴルナーグラート。
ホテルに泊まれば、日没の瞬間や、夜は満天の星空、素晴らしい日の出など、日帰りの電車トリップでは見られないような光景に出会える可能性があります。
クルムホテル・ゴルナーグラートでは宿泊のほか、レストランやお土産の販売もありますので、立ち寄ってみるのも良い思い出になるでしょう。
ハイキングの場合、ゴルナーグラートのホテルの奥にもさらにトレイルが続いているので、時間が許せば奥まで足を伸ばしてみるのも良いかも知れません。
ハイキング
ゴルナーグラートのハイキングは、登る人ももちろんいるのですが、標高の高い駅まで電車で移動してから、歩いて下っていく方が多いです。
道もよく整備されており、駅の間も約30分~1時間の歩行距離なので、「疲れたら電車に乗ってツェルマットに帰る」という方法が可能。
おすすめは、ゴルナーグラート駅からリッフェルベルグまでのハイキング。そのエリアの展望は特に素晴らしく、氷河に覆われた山々や高山植物を見ながら歩いていくことが可能。下れば下るほど、展望はなくなっていくので、ゴルナーグラート~リッフェルベルク間の歩行が、ちょうど美味しいところを楽しめる感じです。
もちろん、その他の区間も魅力がたくさんなので、日程や体力などに応じてハイキングを楽しんでもらえるのが良いと思います。
ツェルマットの登山鉄道は値段が高いので、いくらかの区間歩けばその分旅費を節約できるのもメリットです。
ゴルナーグラート周辺から見える山々
最後に、ゴルナーグラートから見える4000m級の山々をざっと紹介していきます。
ちなみに山の名前はドイツ語、フランス語、イタリア語でそれぞれで別についていたりするので、ややこしいです。例えばマッターホルンはドイツ語で、同じ山でもフランス語だとチェルビン、イタリア語だとチェルビーノといった具合。一応、現地(ツェルマット)でよく呼ばれる読み方で、山名を表記しています。
左・カストール(Castor 4228m)
右・ポリュックス(Pollux 4092m)
左・ドム(DOM 4545m)
右・ティッシュホルン(Täschhorn 4491m)
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