アイスクライミング等で使用する軽量アイススクリューの比較記事です。
ロープ、ハーネスなどのクライミング装備に加え、防寒着やアイスアックス、クランポンなどの装備が加わるアイスクライミングでは、装備は重くなりがちです。
装備の軽量化に大切なのが、「より軽いギアを選択する」ということ。「チリも積もれば山となる」で、ギアひとつひとつの軽量化は大したことなさそうでも、合計すると結構な違いになります。
アイスクライミングの装備で意外と重いのが、アイススクリュー。
最近は各社から軽量なアイススクリューが発売されており、軽量な物を選択することで装備をいくらか軽くすることが可能です。アイススクリューは1本が結構お高いギアだけに、良いものを選択したいところ。
今回は軽量アイススクリューの定番であるペツル(Petzl)社のレーザースピードライトと、2018年に新発売されたブラックダイヤモンド(Black Diamond)社のウルトラライトアイススクリューを比較していきます。
ペツルとブラックダイヤモンドの軽量アイススクリューの比較
左:オレンジ色のがペツル(Petzl)のレーザースピードライト(Laser Speed Light)
右:黄緑のスクリューがブラックダイヤモンド(Black Diamond)のウルトラライトアイススクリュー(Ultralight Ice Screw)
最近の軽量アイススクリュー
少し前のアイススクリュー(写真左:ペツル・レーザースピード)は、先端とチューブが両方ともスチール製でした。
ペツル社から発売されたレーザースピードライト(写真中央)は、チューブを軽量なアルミニウム、先端のみを丈夫なスチール製とすることで軽量化を図った製品です。ここ数年は軽いのが基本的にコレしかなかったので、アイスクライミングではかなりシェア率が高い製品となりました。
軽量アイススクリューといえばほぼペツル一択だった市場に殴り込みをかけてきたのが、ブラックダイヤモンド社。2018年にウルトラライトアイススクリュー(写真右)が発売されました。チューブはアルミ製、先端はスチール製と、基本構造はペツルとほぼ一緒。
選択肢が増えるのは、ユーザーとして嬉しい限りです。
ペツル・レーザースピードの重量は124.5g。
ペツル・レーザーライトスピードの重量は90g。チューブのアルミニウム化は軽量化に大きく貢献しています。コレを何本も持っていくと、トータルの重量は結構違ってきます。
ブラックダイヤモンドのウルトラライトアイススクリューは76g。
ブラックダイヤモンドのアイスクスクリューは、ペツルの製品よりも丈が短いので、完全にフェアな比較ではないですが、後発品なためか、更に軽くなっています。
スペック
ペツルとブラックダイヤモンド(BD)の軽量アイススクリュー、カタログスペックを比較してみましょう。
ペツル・レーザーライトスピード
【素材】
先端:スチール
チューブ:アルミニウム
ハンガー:アルミニウム
【3サイズ展開】
13cm 91g 黄色 8500円
17cm 100g 青色 8500円
21cm 110g 緑色 8800円
※価格は税抜き
ブラックダイヤモンド(BD)・ウルトラライトアイススクリュー
【素材】
先端:スチール
チューブ:アルミニウム
ハンガー:アルミニウム
【4サイズ展開】
13cm 74g 黄色 9600円
16cm 81g 青色 9600円
19cm 89g 灰色 9600円
22cm 96g 紫色 9600円
※価格は税抜き
詳細ビュー
ペツルのレーザースピードライト、ブラックダイヤモンドのウルトラライトアイススクリューの詳細を比べて見ていきましょう。
長さの違い
ハンドル部分が黄色の製品は、ペツル、ブラックダイヤモンドともにカタログ上では13cmとなっていますが、実際はペツルのほうが少し長めです。
長めの物の方が氷にセットした際には安心感がありますが、薄い氷にセットする時には短めの物の方が有利。また、短いブラックダイヤモンドの方が少しだけ軽量です。
ペツルは3サイズ4cm刻みで販売しており、ブラックダイヤモンドは4サイズ3cm刻みでのラインナップです。
先端部分
スチール製の先端部分は、ブラックダイヤモンドのウルトラライトアイススクリューの方が長めになっています。丈夫なスチール製の先端部分が長い方が、研ぎ直した際には長持ちしそう…ではありますが、どうせ先端溝のところがなくなってきたら寿命なので、先端スチール部分の長さが寿命の長さに直結するということはなさそうです。
先端からチューブ部分に続くネジ山のデザインも両社で異なるデザインです。どちらが抜けにくいとかは現時点では不明ですが…。
先端部分を別アングルから。ペツルのアイススクリューのほうが、ブラックダイヤモンド製のスクリューよりも経が若干小さめです。
付属部品
ブラックダイヤモンドのウルトラライトアイススクリューには、スクリュー先端部にかぶせるキャップと、チューブのネジ山保護のためのネットが付属しています。
ペツルのレーザーライトスピードには、透明のキャップのみ付属。
ペツルのキャップはシンプルなデザインですが、ブラックダイヤモンドのスクリューキャップは着脱しやすいようなツマミ付きです。
ペツルのスクリューにも一応BDのスクリューキャップとネットは装着できますが、スクリューの系がペツルの方が小さいので、簡単に外れてしまいます。
キャップや付属品は純正がフィットし、使い回しはできなさそうです。
ハンドルデザイン
ハンガーにカラビナ(クイックドロー)を掛けてみたイメージ。
ハンガーにカラビナ(クイックドロー)を掛けてみたイメージ。
使用感
フィールドで両アイススクリューを使ってみての感想ですが、そこまで大きな差異はないというのが実際のところです。
どちらが特別使いやすい/使いにくいという訳ではなく、どちらとも軽量でよく刺さるスクリューです。
上記で大きな差異はないとは書きましたが、表面を水が滴るような水っぽい氷の場合は、ブラックダイヤモンドのウルトラライトアイスクリューは、途中でひっかかりのようなものを感じました。それに対して、ペツルのレーザースピードライトは、最初から最後まで違和感なくスクリューをセットできました。
カチカチに凍った硬い氷に対しては、ブラックダイヤモンドのウルトラライトアイススクリューの方がほんの少しだけスムーズに刺さった印象です。
ただし、BDの方はほぼ新品なのに対し、ペツルのレーザースピードライトはいくらか使用した後の物なので、本当に厳密な比較という訳ではないですが…。
総評
ペツルとBDの軽量アイススクリュー、あれこれと見てきましたが、まとめていきます。
軽量アイススクリューの定番だったペツルのレーザースピードライトに、ガチンコ勝負を挑んだブラックダイヤモンドのウルトラライトアイススクリュー。
後発品だけに、十分軽量だったレーザースピードライトよりも更に軽く仕上げてきました。更に、使い勝手の良いキャップや、ネジ山保護のためのネットも付属しており、シンプルなキャップだけ付属のペツルよりも使い勝手を上げてきました。
どちらを買っても基本的に後悔はしなさそうですが、個人的に選ぶならブラックダイヤモンドのウルトラライトアイススクリューですね。
ペツルのスクリューも実際に使ってみての不満はないので、どちらを買っても後悔はしないような気もします。
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