沢登りであまりにも有名な笛吹川・釜ノ沢・東俣に行ってきました。沢を初めた時から、一度は行ってみたいと思っていた場所です。
更に今回は、タープを張ってはじめての沢での野営体験も行いました。
場所:山梨県、笛吹川東沢釜ノ沢東俣(甲武信ヶ岳)
登山日:2018年7月22日~23日
登山タイプ:沢登り、泊まり
メンバー:ディーアイ、miyu(彼女)
タープ泊の沢登り・笛吹川東沢釜ノ沢東俣
釜ノ沢と甲武信ヶ岳
釜ノ沢は、奥秩父山塊、山梨県の甲武信ヶ岳にから端を発する沢で、笛吹川の一支流となっています。
美しい渓相で有名な沢であり、比較的低い難易度も相まって、大奥の遡行者を迎え入れています。沢登りの対象としては最も有名な沢のひとつです。
釜ノ沢を擁する甲武信ヶ岳は、名前の通り甲州(山梨)、武州(埼玉)、信州(長野)の3県の境界にある山です。
笛吹川・釜ノ沢だけでなく、日本最大級の河川である千曲川(信濃川)の源流の山でもあり、日本百名山にも選出されています。
遡行開始~野営地まで
『道の駅みとみ』あたりにある無料駐車場に車を停めました。その後『西沢渓谷入口P』の存在に気づいてちょっと損した気分。
西沢渓谷のハイキング道をしばらくあるき、上の標識のところで右側の『東沢』方面へ入っていきます。
東沢に入った後は、しばしゴーロ(岩がゴロゴロした地形)沿いに進んでいきます。
鶏冠谷出合のところで渡渉(沢を渡ること)。
鶏冠谷出合を見送り、東沢を釜ノ沢方面に詰めていきます。
どんどんと両岸が険しく迫る地形に。旧登山道は右側についています。多くの人が訪れる人気の沢だけあって、踏み跡はしっかりとあるので迷うことはありませんでした。
沢の澄んだブルーが美しい。
笛吹川東沢の有名な難所『ホラノ貝のゴルジュ』です。果敢に挑んでいるパーティがいました。我々にはそんな実力がないので、左岸(下から見て右側)の巻道から、難所は巻いて通過します。
難所の巻道の終盤に出てくる『山の神』
山の神を通り過ぎると程なくして、広々とした河原に出ます。
ここから少し進んだところで、沢登り用の装備を装着しました。
しばらくは単調なゴーロ歩きが続きます。これがほんとに結構長いです。
巨大なナメ滝。
ツルツルのスラブ(斜めの一枚岩)を歩いていくところ。油断するとつるっと滑って沢にぽちゃっと落ちます。…落ちてもそんなにダメージはないんですけどね。
このあたりから沢は一層美しく、景色を楽しみながら歩くことができます。
澄んだ水の中を泳ぐ人。
この分岐を右に。岩には『釜ノ沢』と赤い字でラクガキがしてあります。
釜ノ沢に入ってすぐに現れる、青い釜を持つナメ滝。
ツルツル過ぎて滝沿いには登れないので、写真左川の岩から森の中へと巻いてきました。
人気の沢だけあって巻道は明瞭。ピンク色のテープで目印がつけられているところもあります。
美しいナメ滝が連続します。
連続するナメ滝を越えた後は、千畳のナメ。思わずため息が漏れるような美しさです。
この滝もツルツル過ぎてとても登れそうにはなかったので、左側から巻きました。
釜ノ沢を『西俣』『東俣』に分ける両俣出合。今回遡行予定のルートは『東俣』なので、右側の滝沿いを登っていきました。
両俣出合、東俣のナメ滝沿いを少し上がったところで撮影した写真。
美しい滝が続々と現れます。
基本的に滝はツルツルだったり、ホールド(手足をおくところ)が少なかったりするので、あまり滝の直登はできず、巻いていくことが多かったです。
この滝を左側から巻いてすぐのところに、目的の野営地がありました。
タープで野営
初めての沢泊は、タープで。
いい感じの薪も拾えて、焚き火を問題なく起こせました。
焚き火に合うのはビリーカン。
焚き火…見ているだけで癒やされます。
焚き火で作った美味しいご飯を食べた後は、地面に直敷したクローズドセルマットレスの上で朝までぐっすり眠れました。
脱渓~甲武信ヶ岳~下山
翌日。
しばらくは沢のすぐ横にある樹林帯を登って行きます。
野営地より上の沢はところどころ荒れていて、あまりキレイとは言えず。
絶景の初日と比べて、2日目は消化試合的な印象が強いです。
この分岐は右へ。
ここも水流沿いに右側へ行きます。
本流と木賊沢の分岐のあたりの巻道が分かりにくく、危うく迷いそうになりましたが、なんとか本流に戻る。最後のナメ滝を登っていきます。
このへんまで来ると、沢の終わりはもうすぐです。
ポンプ小屋到着。釜ノ沢東俣の遡行はこれにて終了です。
ここで沢装備を外します。
ポンプ小屋から歩いて10分ほどで、甲武信小屋に到着。
せっかくなので日本百名山のひとつ、甲武信ヶ岳にも登っておきます。涼やかな沢を出たら急に暑くなったので、気温差でレンズが結露。しばらくまともな写真が撮れませんでした。
帰りは『徳ちゃん新道』を使って下山。
時々傾斜が急なところもありましたが、おおむね歩きやすい道でした。
甲武信小屋から登山口まで約4時間…距離的にも、気持ち的にも長い下山でした。
下山後、あまりに暑かったので着衣のまま沢でクールダウン
沢登りをすると、登山では基本的にタブーである『濡れる』ということに抵抗感がなくなります。
3~4歳ぐらいのころ、名古屋・栄の噴水に入って遊んでいたガキは、全く成長していませんでした。
おわりに
釜ノ沢、癒し系の良い沢でした。
ホラノ貝ゴルジュ巻道を過ぎてからの長いゴーロ歩きや、野営地から脱渓点のポンプ小屋までの歩き、徳ちゃん新道の長い下りなど、ちょっとダレるところもありますが…。
総合的に見て、感動的なほど美しいブルーの水を湛えた渓谷で、クソ暑い夏の2日間を涼しく過ごせて満足です。
はじめてのタープ泊は…廻り目平で焚き火とかに慣れていたのもあって、ノートラブルでした。ブログのネタになるようなトラブルがなかったのは、ある意味ちょっとつまらんですが。
沢登りはバリエーションルートと同じです。登山道は基本的に整備されていないですし、危険いっぱいです。はじめての方は経験者とご一緒に。
おまけ:カメラの完全なる防水方法
今回使った/役に立った装備
今回の沢登りで使ったカメラです。多少濡れてもびくともしない耐水性が魅力。強力な手ブレ補正により、1/6秒とかでも手持ち撮影ができます。
今回は泊まりで荷物が多かったので、このザックを使用。完全防水なので、沢登りでも安心して使えます。
沢の焚き火で料理するには、はやりビリーカンが似合います。軽量シンプル。汚れも味になります。2人で使うならMサイズぐらいがベスト。
小物類の防水に便利です。
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