南アルプスで日帰りで登れるお手軽な沢といえば、尾白川渓谷鞍掛沢乗越沢!
今回はじめての南アルプスでの沢登り。美しい花崗岩と緑の釜に癒やされてきました。
場所:山梨県、尾白川渓谷、鞍掛沢、乗越沢、八丁尾根、日向山
山行日:2018年8月15日
山行タイプ:沢登り、日帰り
メンバー:ディーアイ、miyu
尾白川渓谷 鞍掛沢から乗越沢へ【沢登り】
今回遡行した尾白川流域について
尾白川は、日本に数多い山の中において、とりわけ名峰との誉れ高い名山・甲斐駒ケ岳を源頭にもつ一級河川です。
尾白川は途中で釜無川へと注ぎ、富士川と名前を変えて静岡県・駿河湾に到達します。
尾白川・鞍掛沢へのアプローチ
今回の遡行では、日向山の矢立石登山口の駐車場を利用しました。
ここから廃道となった林道を歩行し尾白川に入渓。沢を登りきった後は、日向山山頂を経由してこの登山口まで戻ってくる予定です。
今回のスタート地点となる、日向山の矢立石駐車場。
日向山の方には向かわずに、車止めゲートの奥、林道を歩いていきます。
しばらくは、歩きやすい(でも面白くない)林道歩行。
比較的新しい大崩落。トレースあります。
錦滝。近くに東屋があります。
錦抱きを林道沿いに通り過ぎたところにあるゲート。車両通行止めとなっていますが、崩落地点を乗り越えてここまで入ってこれる車両はないでしょう。
先ほどのゲートをすぎると、林道は結構荒れています。
植物のトンネルを進んでいく場面も。
岩間ルンゼの入り口。厳冬期はアイスクライミングできる場所ですが、無雪期だとチョロチョロとした水の流れです。
ここはスルー。
3つのトンネルを抜けた少し先に、フィックスロープがあるのでそれを頼りにして沢へと下っていきます。下った先で、尾白川に行き当たります。
【おまけ画像】尾白川林道、冬の様子と岩間ルンゼ。
尾白川・鞍掛沢遡行
尾白川林道終点からフィックスロープ沿いに下降すると、尾白川に到着できます。
白い巨石(花崗岩)の山、甲斐駒ヶ岳から源を発する沢だけあって、尾白川は花崗岩の大岩がゴロゴロしています。
最初に出てくる深い釜を持った滝。
バスロマンの緑色をぶち込んだような、深い緑色の釜が印象的でした。
この滝は左のスラブ(ツルツルの滑り台みたいな岩)から登りました。
ここで、今回唯一ロープによる確保を実施。30mで問題なし。
ツルツルスラブの登りの後に出てくる、天然のプール。
ここの水流が意外と強く、足元をすくわれそうになりました。
ナメ床と緑の釜が美しい。
魚影も何度か目撃しました。
分岐点。
『尾白川本谷』は左へ。
『鞍掛沢』は右へ。
我々は日帰り周回目的なので鞍掛沢方面へ。
尾白川支流の鞍掛沢に入ると、水量は少なくなりました。
岩壁。様々な地形が出てくるので飽きません。
鞍掛沢で時々出てくる謎の金属製ワイヤーロープ。林道建設時の名残?
尾白川支流の鞍掛沢に入っても、印象的なグリーンの釜が何度も出現。
撮影の際は、反射を抑えて水の透明感を際立たせるためPLフィルターを使用。
ナメ床を手持ちスローシャッターで撮影。
沢登りに三脚を持ってくるようなガッツはありません。また、沢登りの最中に三脚出して撮影してたら、確実に相方に怒られそうです。
手持ちでいくらかのスローシャッター撮影ができる今のカメラは素晴らしい!
この滝は左側の岩を少々回り込んで越えていきました。
フェルトの沢足袋のフリクションを信じて直登した滝。
この滝は高さはありませんが、上の滝の落口がハングしており直登できないので、左岸(下から見て右側)から巻いていきました。
巻道は分かりやすく、コンパクトに巻いて滝の落口近くに抜けられます。
乗越沢~八丁尾根~日向山を経て下山
先ほどの直登不可能な6mほどの滝を巻いてから少し歩くと、支流から滝が落ちる場所があります。そこが乗越沢出合。
乗越沢出合の滝。中段までは水線を。それからは左側から巻くようにして越えました。
乗越沢を経由すれば、比較的楽に八丁尾根に上がることができます。
乗越沢に入ると水量はガクンと減ります。これからは楽しく快適な沢登りは期待できません。
大きなナメ滝。ツルツルで登れそうにないので、右側から巻きました。
緑が多い茂っている場所はアザミが結構な割合で混じっていて、痛みを堪えながらの突破になりました。
乗越沢はアザミ地獄。
水が完全に枯れるとあとは笹薮の登り。アザミから開放されたのが嬉しい。
鞍掛山のコル。ここからは登山道です。
八丁尾根上にある分岐の標識。
日向山に向けて下っていきます。
ビーチのような砂地が印象的な日向山に到着。
人気の日向山からは、素晴らしく快適な登山道を使って下山。
1時間も歩けば矢立石登山口に到着です。
今日も楽しい沢登り。無事に下山できてなによりです。
おわりに
南アルプスといえば緑が濃くて森が深い印象があります。
そんな南アルプスでの沢登りは楽しいに違いないと思っていましたが、まさにそのとおり。尾白川~鞍掛沢は緑の釜が印象的な、非常に美しい場所でした。
なかなか連休が取れない身としては、日帰りでこんなに楽しい沢登りができる今回のルートは貴重です。
天気が曇りだったのが少し残念でしたが、晴れ渡った空の下での遡行は、また次回に。
おすすめアイテム
尾白川の美しい釜が見たい人にオススメ。自宅のお風呂で尾白川気分。
尾白川~鞍掛沢では魚影を何度も目にしたので、時間があったらイワナ釣りをしてみたいです。
美しい沢の写真を取るための必需品、PLフィルター。濡れやすい環境なので撥水加工のものが良い。
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