北アルプス(黒部源流域)の印象的な場所【まとめ】

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北アルプスの最奥部。黒部源流というと、何か特別な響きがあります。南北100kmに渡って連なる広大な北アルプスの中でも、黒部の流れが始まる雲ノ平や鷲羽岳周辺エリアは、特に山深い場所です。

今回は北アルプスの奥地にある印象的な場所について、アレコレ書いていきたいと思います。

 

北アルプス(黒部源流域)の印象的な場所

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三俣蓮華岳から見る黒部源流エリア

 

黒部五郎岳(くろべごろうだけ)

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2839m 日本百名山

何かでえぐり取られたようなカール地形が特徴。

良い山ですが人里から遠いので、連休時でもなければ静かなことが多いです。何度でも行きたい良い山ですが、遠くてたっぷり歩かないといけないので、気軽には行けません。

カールの基部にある黒部五郎小舎(くろべごろうごや)は、大自然の中にぽつんと佇む赤い屋根がチャームポイント。若かりし頃から山を楽しむ山女である母ちゃんが、「若い頃にあそこで働いてみたかった」とか言っていた。

山小屋から山頂までは尾根をたどるルートと、カールをたどるルートの2つがあります。どちらも良いのですが、大岩がゴロゴロ転がるカールを通過して歩く登山道のほうが個人的には好き。 

 

鷲羽岳(わしばだけ)

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鷲羽岳山頂からの景色

2924m 日本百名山

故伊藤正一氏による名著『黒部の山賊』の主な舞台となった三俣山荘。その山荘を見下ろすように聳える、ピラミダルな秀峰が鷲羽岳。

この山の山腹を横断するように痕跡が残る『伊藤新道』は、今は廃道になってしまったようですが、そのうちに歩いてみたいと思っているルートです。

山頂直下に鷲羽池という池がある。この池と槍ヶ岳とを併せてご来光の写真を狙ってみましたが、ガスのために展望が得られなかっという悲しい思い出がありあす(それでも山は楽しい)。

 

伊藤正一写真集 源流の記憶 「黒部の山賊」と開拓時代

伊藤正一写真集 源流の記憶 「黒部の山賊」と開拓時代

 

 

水晶岳(すいしょうだけ)

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水晶岳山頂からの眺め(赤牛岳方面)

2986m 日本百名山

北アルプス最奥の山。黒岳という地味な名前もついていますが、いまは水晶岳と呼ばれることがほとんど。

鷲羽~ワリモ~水晶~赤牛ファミリーの中では最も標高が高い。ゴツゴツとした浅黒い山体は、槍穂高とは違った渋い魅力があります。

過去に大荒れの天気の中、付近を通過したことがあります。雨を避けるように水晶小屋に入って、ホッと一息。小屋で温かい食べ物を頂いた時には生き返った気分でした。三俣山荘の故伊藤正一氏が、もともと避難小屋として開設したという水晶小屋ですが、まさに自分もお世話になっていました。

水晶岳から赤牛岳を通過し、黒部ダム方面まで一気に落ち込む『読売新道』というルートがあります。登りでコースタイム9時間以上。長丁場になる上に途中に水場や山小屋もないという上級者向け登山道。

 

雲ノ平

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日本最後の秘境と呼ばれる北アルプスの台地。

雲の平のテン場(キャンプサイト)は窪地にあり、展望も限られた方向にしか開けておらず、正直期待はずれ。雲ノ平を存分に楽しみたいのなら、展望の良さそうな雲の平山荘での宿泊を、個人的にはオススメします。

できることなら雲ノ平で停滞して、周囲を散策しながらゆっくりと1日過ごすとか、そういった贅沢な時間を過ごしてみたいと思う場所です。休みをくれェ…。

 

雲ノ平~薬師沢間

雲ノ平と薬師沢を結ぶ、縦走時には重要なルートなのですが、ここは出来たら通りたくないと思わせてくれる登山道。

なかなかに過酷なところなのです。

ゴロゴロした岩が多い激登で、傾斜がかなり強いので登りでは息があがります。本当に酷いのは下りの方で、ゴロゴロした岩にはコケが乗っているので、猛烈に滑ります。

 

薬師沢小屋(やくしざわごや)

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北アルプスの奥地に、黒部川のほとりにぽつんと建っている小さな山小屋。

縦走登山者と、沢ヤと釣り師が集うなんとも不思議な場所。

谷にあるので水が豊富。汗だくになって風呂に入れぬ縦走中でも、ここの沢に入れば汗を流し落とすことが出来ます。沢水は超冷たいので1分も入ってられないけど。

ここの小屋番さんが書いた『黒部源流山小屋暮らし』という本はなかなか面白かったので、山小屋について興味のある人はぜひ一読を。

黒部源流山小屋暮らし

黒部源流山小屋暮らし

 

 

赤木沢(あかぎさわ)

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黒部源流域に存在する美しい沢。沢登りの難易度としては初級者向け(沢装備必携)。

ロケーションが何より素晴らしく、好天に恵まれれば抜けるような広い青空のもと、快適な遡行が楽しめます。赤木沢を抜けて振り返ると、そこには北アルプスの山々が広がり、他の沢登ではなかなか味わえない壮大なスケールを感じることが出来ます。

薬師沢出合から赤木沢出合までは黒部川の本流をあるくことになりますし、北アルプスの奥深さを改めて感じられる場所。

 

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カベッケヶ原(かべっけがはら)

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黒部の山賊で、バケモノが出ると言われた場所です。

笹が一面に生え茂っていて、独特の雰囲気。

物陰に隠れて「オーイオーイ」とか叫ぶのは、わかる人にはわかる悪戯。本気でビビるのでやめて差し上げて。

 

定本 黒部の山賊 アルプスの怪

定本 黒部の山賊 アルプスの怪

 

 

高天ヶ原(たかまがはら)

北アルプス奥地で温泉に入れる場所。行ったことのある人の話を聞くと、みんな「良かった」と言っているので、いつか行ってみたい…

 

薬師岳(やくしだけ)

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太郎平から見る薬師岳

2926m 日本百名山

北アルプスで最も立派な山体をした、なだらかな山。北アルプス北部の奥所に、どっしりと根を下ろすように鎮座しています。

一般的な登山ルートである折立に行くまでが大変ですが、主要な登山ルートは整備されていて快適。

山頂に到着した時にはガスガスだったので、次は山頂からの展望を楽しみたい。

 

薬師岳~スゴ乗越~越中沢岳

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薬師岳のテント場から五色ヶ原まで1日で歩きましたが、とにかくアップダウンが多くて大変だった記憶が残っています。

薬師スタートで立山方面に行く場合、スゴのテント場で行動終了すると微妙に時間が余るし、五色ヶ原だと大変だしで、ちょっと悩ましい。

 

五色ヶ原(ごしきがはら)

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雲ノ平のような高所の台地。「日本最後の秘境」と呼ばれ登山者の間で有名雲ノ平ほどの知名度では劣りますが、ここ五色ヶ原も景色の美しさでは決して引けを取りません。

むしろ知名度がない分こちらの方が訪れる人も少なく、人の少なさで言えばこちらの方が「秘境」と言っていいのかも知れません。

位置がちょっと微妙で、なかなかここを目的として来る人も少ないかとは思いますが、個人的には北アルプスで最も再訪したい場所のひとつ。

 

 

北アルプス テントを背中に山の旅へ

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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地 (山と高原地図 38)

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PEAKS特別編集 北アルプス山小屋ガイド【改訂版】 (エイムック 4002)

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