メイバランスは登山の栄養補給に最適か?

明治から発売されているメイバランスという栄養補助食品、登山の栄養補給にどうよという観点で書いていきます。

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登山は長時間の有酸素運動となるため、エネルギー切れ(シャリバテ)予防のために食物の携帯が必須となります。

一方で、重い食品を大量に持っていくと、それ自体の重さによって余分なエネルギーを消耗してしまいます。

登山の楽しみ方は人それぞれですが、危険度の高い山や、長距離・長時間行動を含めた山行になってくると(食を楽しみにする要素が低い山行)、食物含めた荷物の軽量化・装備の効率化が重要になってきます。

 

今回着目したのは、山での食事を単なる栄養補給として捉えた場合、栄養補助食品こそが最も効率のよいエネルギー源ではないかという点です。

薬局や通販などで気軽に買える、meijiのメイバランスが山の栄養補給で使えるかどうか考えていきたいと思います。

 

メイバランスが登山の栄養補給として最適な食品か考察

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【写真】メイバランス各種

 

メイバランスとは

メイバランスとは明治(meiji)から発売されている栄養補助食品です。

www.meiji.co.jps

明治メイバランスMiniカップはドリンクタイプの栄養食品です。1本125mlで200kcalのエネルギーが摂取できる他、3大栄養素である、たんぱく質、糖質、脂質のほか、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も含有されております。味に飽きることなく飲み続けられるように、12種類の味をご用意しております。食欲がない時、食が細くなった時などに手軽な栄養補給飲料としてご使用いただけます。

食欲不振や病気などで、普段の食事からでは十分な栄養補給が難しくなった高齢者などが、不足している栄養素を補うために飲むものとして、メイバランスは発売されているようです。

 

ある時、管理栄養士さんとお話する機会があったので、メイバランスについて聞いてみました。

要点は以下に

メイバランスには、人間が生きていくために必要な栄養素が配合されいてる。

他の食品を一切食べず、メイバランスを摂取(飲む)だけで、人間は栄養不足にならずに生きていくことができる。

コンパクトでカロリーが高いメイバランスは、登山での栄養補給には最適かもしれない。

 

メイバランスの栄養素・比較

これからメイバランスの栄養量について見ていきます。

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明治 メイバランス

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実測重量は146.5gです。

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エネルギー量は200kcalです。カロリー/グラムで計算すると1.36kcal/gとなりました。

炭水化物 31.8g

脂質 5.6g

たんぱく質 7.5g

炭水化物、脂質、たんぱく質は3大栄養素と言われています。

炭水化物(1g/4kcal)50-60%、脂質(1g/9kcal)20-30%、たんぱく質(1g/4kcal)13-20%の割合で摂取することが推奨されているので、メイバランスは3大栄養素を割合バランス良く含んでいることになります(たんぱく質はやや低めですが…)。

食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの山で不足しがちな栄養素を含んでいる点も外せません。持って行けるものが制限される山の中では、食事も偏りがち。手軽に栄養素がバランス良く取れるメイバランスの強みです。

 

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日本人の行動食の王道であるおにぎり。セブンイレブンで売っている紅しゃけおにぎりです。

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重量の実測値は113.5g

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エネルギー量は175kcalです。カロリー/グラムで計算すると1.54kcal/gとなりました。

炭水化物 36.7g

脂質 1.1g

たんぱく質 4.6g

コンパクトに持ち運びでき、腹持ちのいいおにぎり。登山の行動食としてもなかなか優秀です。

 

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ゼリー飲料の定番、inゼリー エネルギー(旧ウィダーinゼリー)

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重量の実測値は189.5g

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エネルギー量は180kcalです。カロリー/グラムで計算すると0.95kcal/gとなりました。

炭水化物 45g

脂質 0g

たんぱく質 0g

3大栄養素の含有量で見た場合、内容物は純粋に炭水化物です。炭水化物は身体に取り込まれると即席のエネルギー源として使われるので、活動中ではこれでいいのかもしれません。水分の含有量が多いのか、重さに対してカロリーは少なめな印象です。

 

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軽くて高カロリー、登山者にも愛されるカロリーメイト。

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重量の実測値は93.5g

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エネルギー量は400kcal。カロリー/グラムで計算すると4.28kcal/gとなりました。

炭水化物 40g

脂質 22.4g

たんぱく質 8.7g

軽量でエネルギー量は見た目多く、登山で軽量に持ち運びできる食品としては優秀な印象です。ただし、即席のエネルギーとして使われない脂質が22.4gも入っているのが注意点です。

脂質は1gで9kcalなので、

カロリーメイトに含まれる脂質の量:22.4(g)×9(kcal)=201.6(kcal)/パッケージとなります。カロリーメイト1パッケージで、400kcalと見た目カロリー量は多いですが、半分は脂質によってカサ増しされています。

 

で、実際にメイバランスってどうなのよ

こうして色々と比較してみると、メイバランスは栄養バランスに優れるのかも知れませんが特別な優位性というのは特に感じられませんでした

メイバランスのみで2000kcal摂取しようとなると、10本必要です。

146.5g×10なので、1460g。約1.5kgとなります。たくさん持つと結構重いんです。

更に、低容量高カロリーなので、味が結構甘ったるい。積極的に飲みたい味かと言うと…う~んと首を傾げざるを得ません。あくまで栄養補給と割り切って飲むといった感じでしょうか。好きな人はいるかも知れませんが、個人的には…。

疲れてくると好きでない食事は喉を通りにくくなりますし、一種類の栄養食品をガマンして食べるより、栄養効率は多少劣っても楽しみながらパクパク食べられるものが、個人的にはいいかな~なんて思っています。

 

山で不足しがちな栄養素を補うという考え方もありますが、自分の場合は山に入るといってもたかが2~3日。その際に不足したビタミン、ミネラルなどの栄養素はすぐに欠乏症が出てくるわけでもないですし、下山したらしっかり補充してやればいいと思っています。

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まぁ、山でも栄養をしっかり補給できるに越したことはないですけどね。

 

劣化版パッケージ

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明治 メイバランス

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同じメイバランスですが、最近はこちらのパッケージも販売されています。薬局などで、1個単位でバラ売りしている場合に出回っているのはこちらですね。

正直このパッケージは、登山で持ち運ぶことを考えたら無駄が多くなっているので好きではありません。無駄なフタが付いているし、容器はプラ製なので、紙パックのように潰したりできません。ストローの経も一回り大きいです。

ディーアイはこれを劣化版パッケージと呼んでいます。

 

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ゼリータイプのパッケージもあります。

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inゼリー エネルギーよりも軽くて高カロリーなので、こちらはゼリー飲料の選択肢の一つとして入れても良いかもしれませんね。

 

メイバランスde登山まとめ

栄養成分的には優れているので、山で栄養補給をするという観点だけでいくとメイバランスは良いのかも知れません。

ただし、たくさん持っていくと結構重いし、甘ったるくて飽きのくる味でもあるので、山の栄養補給をメイバランスだけでやるのはキツイと思われます。

登山中に持っていける食料には制限があり、栄養素が偏りがちになるなので、栄養バランスに優れた栄養補助食品を持っていくのはアリだとは思います。

3大栄養素だけでなく、食物繊維やビタミン・ミネラルもバランス良く含んだメイバランスは、栄養補助食品として優秀なので、活用の可能性はあるかもしれません。

 

 

 

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 www.dimountainphotos.com