クソみたいな話です。
〜この記事をまとめると〜
山の中でウンコを漏らした
その時にメリノウールのパンツを履いていた
ウンコを漏らしたパンツは帰宅後も臭くなかった
メリノウールのパンツは凄い(かも)
メリノウールとは何か
メリノ種というヒツジ(羊)からモサモサ生えた毛をバリカンか何かでガーッと刈り取って、その毛を洗ったり染色したりしてお洋服とか靴下とかにしたのがメリノウールのウェアです。
綿とかポリエステルと比べたら高価。
メリノウールの主な特徴として挙げられるのが、汗をかいても汗冷えしにくいという体温調節効果。その他に、汗をかいても臭いにくいなど抗菌作用などもメリノウールを選ぶ上で大きなメリットとなっています。
詳しく知りたい方はメリノウールの詳しい特徴について、ネットで検索してみてください。メリノウールの特徴を解説!おすすめの商品○選!みたいな嘘くさい記事が沢山みつかると思いますよ★
そして、メリノウールのパンツ(スマートウールのパンツだよ!)を履いた私が山へと向かうところから、悲劇はスタートするのです…
不穏な予兆
2022年7月前半のある日。見上げると、雲の隙間から青空が見えていました。
重苦しかった雲が流れ、清々しいブルーな空間が上空に広がっていく様子は、今日が素晴らしい日になることを予感させます。そんな気分と相反するように、体内で何かが蠢いているのを感じ、車のハンドルを握る私は眉をひそめていました。
朝から腹の調子が悪い。昨日の夜に食った激辛うどんがどうも怪しい。
私は現実から目を背けていた
天気は良い。気温は高いが、時々吹く風が心地良い。今日は良い日の筈だが…
時々グルグルと、まるで遠方の雷鳴のような轟きを上げている腸蠕動の感覚を、私は気のせいだと思いこんでいました。
「なぁに、心配することじゃない。ここに来るまでに2回も、トイレに行ったじゃあないか。それで全部出しきったろ? これ以上何が出るっていうのさ。」
そうやって、自分自身に言い聞かせていました。
顔面蒼白な感覚
さて、これから登ろうという時に、下腹部に何かが溜まっているような感覚を覚えました。経験から言えばこれは屁だ。直腸の中に溜まっている屁が、肛門といいう壁を突き破って体外に出たがっている感覚だ。俺の経験からすると、これは屁だ。ウンコではない。
これから気合の一登りをやろうっていうのに、屁が溜まっていたら集中力を削ぐ要因となるな、ここで一発出してやろう。景気づけのイッパツだ。
そう思って、腹に力を入れる私。
「ぶうぅ~」と、ドライな音のオナラが出てくるものだと思っていました。
しかしその経験からくる想定は大きく裏切られ、「ぶぴょぴょっ」みたいなウェットなサウンドが、肛門から聞こえてきたのです。それと同時に、尻の周りには何やら温かな感覚が。
ヤバい!
自らに訪れた非常事態をその瞬間に察知し、咄嗟に近くの藪の中へと我が身を隠しました。
落ち着け、落ち着くんだ。とりあえず早くズボンを脱ぐんだ。
ブツは未確認ながら、私は確信していました。これは便失禁だ。やっちまった。あぁ、なんてこった。しかし、出たものはもう戻せない、とりあえず落ち着こう。
人目から隠れられる場所に入ると、素早くズボンを脱ぎ、内側の生地を確認しました。…不幸中の幸いだ。ズボンは汚れていない。
…リカバリー可能。
パンツは案の定汚れていました。はい、屁と一緒に水っぽいウンコが出してしまいました。ただ、焦ることはない。繰り返しになりますが、リカバリーは可能です。
ズボンは汚れていない、ウンコちびったパンツだけ脱ぎ放てば、後はノーパンで行動すれば何とかなるのは経験から知っています。
「ごめんなさい。ウンコ漏らしました!」
茂みの中から下半身スッポンポンの間抜けな姿で、仲間にヘルプを要請しました。今日は平日で、周りに我々いがい誰もいなくてよかったと心から思いました。仲間にはティッシュとビニール袋を持ってきてもらい、私が潜む茂みに投げ入れてもらいました。
おケツをティッシュできれいに拭き上げてクリーンに。汚れたパンツは現段階ではどうしようもないので、ビニール袋に入れて、念入りに口を締めて密封しました。
履く物履かずして
ウンコを漏らしたとしても、★量が少ない、★身を隠せる場所、★迅速な対処など、諸条件が重なれば辛うじて致命傷から逃れられます。
今回、漏らしはしたものの、汚れたパンツをすぐさま脱ぐことによって、ズボンへの汚染の伝播は回避できました。ノーパン状態になってしまいましたが、外見上はウンコを漏らした大人には見られないでしょう。
それから疲れ果てるまでクライミングを楽しみ、帰路につきました。
当日ご一緒させてもらった皆様、ご迷惑をおかけしました。
上にも書きましたが、その日が平日で、我々以外にはその場所にいなかったのが、不幸中の幸いでした。「何あのオッサン、いい歳してウンコ漏らしてんの?」みたいな目で見られていたらと思うと、涙が出てきそうです。
隠れた実力者
楽しい信州の山遊びを終えて、帰宅した私に現実が襲いかかります。
そう、ウンコを漏らしたパンツの洗濯です。
「そのパンツをそのまま洗濯機に入れたら殺す」と妻に言われたので、手洗いでパンツをキレイに洗うことにしました。
真夏に汗だくになり、更にウンコが付いたパンツは、真夏の気温の中ビニール袋に密閉されて何時間も放置されていました。
高い気温と、汗成分の湿気と、下痢っぽいウンコ。それらが混じり合って熟成されたら、それこそ地獄のような臭いになっていることが容易に想像できました。ビニール袋の封印を解くのを、最初はちょっとためらったぐらいです。
しかし、おぞましい予想に反して、ビニール袋からパンツを取り出してもほぼ無臭でした。
ちょっとおかしいぞ、臭くなる要素しかないのに、予想していた地獄のような臭いはしない。漏らしたパンツにちょっと鼻を近づけてクンクン臭いを嗅いでみましたが、そんなに刺激臭っぽいものは感じられませんでした。
「メリノウールには天然の防臭機能がある」登山用品店の(ちょっと大げさな)売り文句が頭をよぎりました。ウンコを漏らしたパンツは、メリノウールの防臭性能によって臭いを抑えられたのではないかと。
スマートウール社のメリノウールのパンツ、ユニクロのエアリズムパンツと比べて優位性を見いだせなかったのですが、今回のことで評価を見直しました。
臭気を感じ取るまで念入りにクンクン臭いを嗅いだわけではありませんが、とりあえず真夏の気温の中密閉熟成されたウンコ漏らしたパンツは、そんなに臭くなかったというのはある意味衝撃でした。
メリノウールには防臭効果がある…
メリノウール、凄いかも。
私が学び得たもの
腹の調子がおかしい時に、安易にオナラはするな。
調子に乗って刺激物を食うな。
パンツはメリノ。
物事を深く理解するために
今回のメリノウールウンコ漏らし事案を通し、メリノウールの防臭性に対する性能を賛辞する記事を書きました。しかし、根拠という面で信頼性に欠けるものであるということは、残念ながら否定はできません。
ひとつに、事例がほんのひとつであるということ。本当にメリノウールのパンツは、他の素材のパンツよりウンコの臭いを抑えられるのか? 私のウンコの量が少なかった? ウンコそのものがそれほど臭くなかった? 例えばユニクロのエアリズムパンツで漏らしたらちゃんと臭かったの? メリノウールの優位性を高らかに叫ぶには、根拠となる情報が不足している感があるため、今回はメリノウールの防臭性はウンコを漏らした時にも発揮される『可能性がある』という言葉までにとどめておきたいと思います。
示唆を含んだ一事例としておいてください。
詳細に比較検討される場合は、材質の違うパンツをそれぞれ用意し、同質の排泄物を塗り込み、一定時間放置したあと臭いを嗅ぎ比べるとか。公平かつ科学的な実験が必要でしょう。
誰かがこの事例からインスピレーションを受け、漏らし比べたものを公表してくれたら嬉しいです。
あなたの活躍を心からご期待しております。
to be continued...
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