【レビュー】 MSR オペレーターTショベル

ショベル・・・雪山でテン泊する時に、なくてはならないもの。

重要な道具ではありますが、はじめはどんなものを買ったらいいのかわからず、

「とりあえず軽くて持ち運びやすそうな物」

みたいな感じで選んで、しばらくの間使っていました。

 

最初に買ったショベルはブラックダイヤモンドのディプロイ3でした。

正直、それしか知らないし、まぁ悪いものではなかったんです。

 

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防風壁作りにショベルは必需品。

 

最初は小型軽量なディプロイ3で十分満足していたのですが、雪山を深く楽しむにつれ、雪洞やイグルー泊などに興味を持ち始めました。

そうすると、小型ショベルでの作業は効率が悪いと感じました。

雪を掘る回数が増え、時間もかかるし疲れもたまります。

そこで、雪洞やイグルー作りに効率の良さそうなショベルはないかと色々調べた結果に行き当たったのが、MSRのオペレーターTショベルです。

 

MSR Operator T Shovel

まず、重視したのはショベルのブレードの形状。

イグルーを作るには四角いブロックを切り出す必要があるので、ブロックをなるべく四角く切り出せるように直線的なブレードが希望でした。

また、雪かき効率も大切なので、ブレードが小さすぎないもの。

あとは、使用せずザックの中に入れて移動する時間がかなり長いので、だいたい700g以下の軽量なものであるという条件も入れました。

腰を痛めずに作業できるように、シャフトを延長できるものも大切な点でした。

以上の条件を理想的に満たしているが、MSRのオペレーターTショベルという製品でした。

 

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上の写真はオペレーターTショベルと、一緒に買ったArvaの軽量プローブ。

プローブはイグルーを作る際、雪の深さを調べるために使います。

 

MSRの出しているオペレーターTショベル、お値段約1万円と、同じクラスのショベルの中では正直高い方です。

値段の関係で買うかどうかは少し迷いましたが、何年も使うものだし、妥協したものを選ぶと後でずっと気になってしまうと考え、思い切って買ってしまいました。

 

MSRが出しているショベルの中に、オペレーターDショベルという商品もあります。

持ち手の形はD型の方が握った際に力が入れやすいらしいのですが、ショベルのハンドルはザックの中に収納したいので、少し迷いましたがコンパクトなT型ハンドルのものを選びました。

T型でも持ちやすい形状をしており、握り心地については他のメーカーが出しているT型ハンドルよりも手の形に合っていると感じます。

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軽量化が可能

オペレーターTショベル、カタログ値では646gということですが、軽量化も可能です。

 

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本体は3つのパーツに分解可能です。

シャフトはハンドル部と中間部に分けることができます。

実はこの中間部パーツは取り外して、持ち手の着いているシャフトを直接本体に装着可能です。

このように ↓

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そうすれば、中間のシャフトを省いた分軽量化が可能となります。

自分はUL派ではないので、作業効率を優先して延長できるようにそのまま外さずに使用していますが…。

ショベルのブレードサイズには妥協したくないが、少しでも軽量化したい、軽くてもいかがわしいメーカのものは買いたくない、という贅沢な嗜好の方にはたまらない仕様なのではないのでしょうか?

これでいったい何グラムの軽量化になるかは正確に計量してはいませんので、興味のある方は是非。 

 

実際に使ってみて

オペレーターTショベルを購入後、何度か山行を共にしてみて、自分の用途では以前に使っていたディプロイ3よりもかなり使いやすく感じました。

以下の写真は、イグルーで泊まるために遠見尾根に行った時の写真です。

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mont-bellのショベルはカタログデータ上では軽いが、ブレード部分に雪が付着してしまったせいで重くなってしまい、余計に疲れました。

一方のオペレーターTショベルはブレード部の雪の付着もなく、 快適に作業することができました。

この辺は雪質や気温などで変わってくるのでしょうが、ご参考までに。

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予想していた通り、大き目のブレードの作業効率は高いです。

また、ブレードのカーブが小さく、ブロック状に雪を切り出す際に有効です。

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イグルー作りという点で、MSRのショベルは理想的な形状をしていると言えるでしょう。

平らな形状だと、雪面を平らにならすのにも便利でした。

 

「平らだし、雪の上に座る時にケツの下にしいたら、濡れなくて済むんじゃない?」

とも思ったんですが、材質が金属なので座ったら冷たかったです。

座るなら銀マットの上がいいでしょう。

 

ショベルの先端についているギザギザは、固い雪を掘り起こすのに便利な形状らしいですが、他のショベルと厳密に比較したことがないので、他社製品と比較してどれぐらいの優位性があるのかは不明です。

 

ブレード部分の四隅に穴があるので、細引きを通せば簡易的なソリになるのかもしれません。シリセードするとパンツが痛むので、そういう使い方もできないかと考え中。

また、ブレード部中央にも穴が開いているので、スリングを通せばデッドマン代わりにも使えそうです。そこに命を預けるのはちょっと勇気が要りますが…多分強度的には大丈夫ではないかと。 

 

 

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イグルーでフォトジェニックな一晩を。遠見尾根にて。

 記事はこちら

 

まとめ

MSRのオペレーターTショベル、使いやすいです。

雪山で穴を掘ったりブロックを作ったりといった作業がかなり捗りました。

お値段は他のライバル製品と比べて少し高めですが、長く使うものなので、自分が本当に納得できるものを買うと後悔がなくて良いと思います。

どういう目的で山に入るかによって、ショベルに求めるものは異なるとは思いますが、山で泊まることを目的としたショベルでは、MSRのオペレーターショベルはおすすめです。