世界で一番高い山といえば、エベレスト(Mt.EVEREST)。標高8848mで、日本の最高峰である富士山の2倍を軽く超えてくる標高です。
※画像はフリー素材(https://publicdomainq.net/everest-mountain-0001001/)
高いところに登ることが好きな人は、一度は登ってみたいと思う場所ではないでしょうか。
「世界一高い山に登ってみたい!」と思っている登山者は結構多いと思います。一方で「大変そう…」という漠然としたイメージもありますね。
世界最高峰の山に登る…遠く離れた日本列島に住む我々にとっては、別世界のような話であります。エベレスト登山とは、一体どのような感じなのでしょうか。
そこで今回は、山のブログ『のぼるひとの』作者・ディーアイが(登ったこともないのに)エベレストに登るメリット・デメリットについて記していきたいと思います。
エベレスト登山のメリット・デメリット
Mt.EVEREST 8848m(photo by pixabay)
MAP上で赤いピンが打ってある場所に世界最高峰・エベレストがあります。日本から結構遠いですね。
エベレストはネパールとチベット(中国)の国境にある山です。
エベレストに登るメリット
エベレストとローツェ(photo by pixabay)。インド料理屋(店主はネパール人)でよく見る写真ですね。
世界最高峰であるエベレストに挑み、得られるものをまとめてみました。
眺めが良い
エベレストは世界最高峰です。ディーアイは登ったことないですが、その山頂から眺める景色はきっと格別でしょう。
【写真】富士山(3776m)山頂付近より
富士山でも十分絶景なので、エベレストの山頂からはこれよりももっと大スケールの景色が広がっているはずです。
エベレストの山頂では、素敵な写真もいっぱい撮れるはず!
世界最高峰からの記念写真は、最高のカメラとレンズで!インスタとかSNSでいっぱいイイネがつきそうです。
空気の大切さに気づける
「大切なものは、失ってから初めてその大切さに気づくもの」
エベレストの山頂付近の酸素は、地上のおおよそ1/3です。すごく息が切れそうですね。
標高8000m以上は『デスゾーン』と言われています。名前だけで何となくヤバイ感じがひしひしと伝わってきますね。
ディーアイは過去に標高6000mぐらいの山に登ったことがありますが、それでも十分息苦しかったです。
※6000m級の山に登った記録※
体調が優れない中、標高6000m付近で野糞した時には死ぬかと思いました。力づくでいきむのは無粋。呼吸法を意識しながら出しましょうという学びが得られた貴重な山行。
地上よりもはるかに薄い空気の中で行う登山。そんな息苦しい山行を行った後には、いつも当たり前のように呼吸している空気の大切さがきっとよく分かります。一呼吸ごとに「ありがとう」と言いたくなってしまいそう。人間として貴重な成長ができるに違いありません。意識高くありたい人は是非エベレストに!
最高の称号(一般登山者向け)が得られる
エベレスト(世界最高峰)のサミッター(登頂者)は一般登山者にとっては最高の称号です。山小屋なんかで居合わせた他の人々にマウンティングしたい時、『世界最高峰の登頂者』という看板に勝てる奴はそうそういません。
現代の登山界の先鋒が刻む記録は、『キャシャール南ピラー登攀』とか、『称名川本流完全遡行』とか『フィッツ・トラバース』とか、その道にある程度詳しくないと、何が凄いのかよく分からない内容だらけ。マニアック過ぎて一般人はついていけません。
『世界最高峰の登頂者』というのは、山に詳しくない人でもよく分かる「何となくスゲー」称号の代表格です。
余談ですが、エクアドルでの登山の際にお世話になったラファエロという国際山岳ガイド(エベレスト無酸素登頂経験アリ)曰く、エベレストに登る人の約半分は「山が好きというわけではなく、世界最高峰に登ったという記録がほしいだけ」だそうです。
【写真】国際山岳ガイドのラファエロ。頼りになるゴリマッチョ系ナイスガイ。カヤンベ(5790m)にて撮影
エベレストに登るデメリット
素敵なメリットいっぱいのエベレスト登山ですが、いくらかの良くない点もありそうです。以下に解説していきます。
体に悪い
エベレストでは、登山者は過酷な環境に晒される(photo by pixabay)
クレバスの存在、雪崩のリスク、滑落の危険、セラックの崩壊、低酸素環境…8000mを超える超高所の登山では、危険因子が山積です。
きっとエベレストでは、「登山は有酸素運動なので健康に良い!」とかのたまう奴をブッ飛ばしたくなりますね。8000m級の薄い空気では、有酸素運動もままならないでしょう(酸素濃度は平地の約1/3)。
山本さんの本によると、標高5300m以上の高地に、人間は定住できないとのこと。
※参考文献 P224参照
標高8000mを超える地点は『デスゾーン』と呼ばれ、そこで人間は生きていくことができません。その場所にいるだけでどんどん体力を削られていくとか。
突然セラック(氷の塊)が崩れて降ってきたり、雪崩に巻き込まれたり、高いところ(8000mとか)から落っこちたりしたら、命は結構ピンチです。
素敵な栄光がつかめるエベレスト登山ではありますが、死んでしまっては元も子もありません。
お腹の調子が心配
【友人提供】ネパール・ナムチェかどっかの写真
ディーアイはネパールには行ったことはありませんが、インドとエクアドルに行った時には基本的にピーピー状態でした。
エベレストのあるネパール(もしくはチベット)の衛生状態は、日本よりは良くなさそうです。お腹の弱い人は注意が必要かもしれないですね。
【友人提供】ネパールの飯は美味そうではある
お金がかかる
エベレスト登山はお金がかかるそうです。
総額にして500~1000万円ほどかかるらしいです。「オイオイ、高級焼肉何回食えるんだよ?」っていう金額ですね。そんなお金があったら主食をしばらくカニにできそうだ。
入山料だけで一人あたり11,000USドル(約120万円:2018/9/8調べ)かかります(ネパール側からの春期ノーマルルート料金)。
その他旅費や、装備代、ガイド代やポーター代、お土産代などを勘定すると、必要経費がどんどんと膨れ上がってきます。
ネパール政府にとって、エベレストは恐らく大事な収入源。多少値段をふっかけても、『世界最高峰』に登りたい人はジャンジャンお金を払ってくれるでしょう。足元見られた商売されても、世界最高峰に登りたければ黙って払う外ないのです。
エベレスト登山(ノーマルルート)は、今や未知への冒険ではなく、多額の金が動くビジネスと化しているような気がします。命がけのエンターテインメントか。
時間もかかる
一つの例として、アドベンチャーガイズ(日本の山岳ツアー会社)の2018年のエベレストノーマルルート公募隊の行程表では、4/30に東京発。5/30に帰国という日程となっています。
エベレスト登山に要する日数は約2ヶ月。
あなたが会社員の場合、「ちょっとエベレストに登ってくるんで2ヶ月ぐらい休みください」と上司に伝えて、はたしてOKが出るでしょうか!?
恐らく大多数の答えはNO!!
仕事を辞めなければ、エベレストに登れない…。せっかく世界の最高峰に登頂したとしても、会社を辞めてしまった人の場合、仕事が見つからなければビンボー生活が待ち受けている可能性も…。
栄光の登頂から数年後…無職の姿
おわりに
登ったこともないエベレスト登山のメリット、デメリットをまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
正直言って、ディーアイはエベレスト登山にはあまり興味がありません。多額の資金と、数ヶ月の休みが取れるなら、世界中にあるもっと別の美しい山々を登ってみたいからです。
世界には自分が知らないだけで、美しい山々が数多く存在することでしょう。世界最高峰のネームにだけこだわって、そうした山に見向きもしないのは、山好きとしてはどうよという感じです。
でもまぁ、世界最高峰がどんなところなのか、興味が全く無いわけではないですよ。誰かがスポンサーになってくれて、資金を出してくれるというのなら、是非エベレストに登ってみたいです。金が余って仕方がない人、いかがですか?エベレスト登頂記とか、ブログ記事は頑張って書きますんで…。
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常人が標高8000mを超える場所で活動するには、酸素は必須です。でも…このサイズだったらとんでもない本数が必要になるような…。そもそも、飛行機に載せられないかも。富士山では高山病に対し効果アリです(実証済み)。
エベレストを舞台にした漢たちの熱い物語。名作コミックです。
ネパールでお腹を下した時にどうぞ。
エベレスト大量遭難を書いたドキュメンタリー。内容が大変興味深くて一気読みしてしまいました。
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