個人的に選んだ、小川山にあるグレード5.10c~dのルート集です。
長野県の川上村にある、廻り目平周辺の岩場(通称:小川山)。そこには、初心者から上級者まで楽しめる、数多くのクライミングルートが開拓されています。
大したことないクライマーである、当ブログの作者が、小川山で登ったルートの中で印象深かったり、楽しかったものを一般クライマー目線でピックアップしてみました。
【小川山】5.10c~dのクライミングルート集
レギュラー(マラ岩)
5.10c
マラ岩裏面にある薄被りのカチカチフェイスを。的確なルートファインディングとムーブの組み立てが肝。
上部までゆっくり休めるところがない。カチフェースの部分からスラブのところに切り替わるところで一休み可能です。上部は上部でツルツルのスラブとなっており、下とは異なった怖さがあります。
登りきった後に見られるマラ岩の山頂部からの景色はご褒美。
届け手の平(マラ岩)
5.10c
マラ岩正面(西面)から見て左側にあるスラブルート。白く磨かれた斜面が印象的。
核心部では、ルートの名の通りに「届け!」と願いながら大穴(スローパー)に腕を伸ばすことになります。リーチがある方が有利かも。
JECCルート(マラ岩)
5.10d
先に紹介した『届け手の平』の右隣。グレード的にも、体感的にも一段以上難しく感じました。
いきなり最初のボルトまでも遠いので、そこまでヒヤヒヤです。途中ボルトがちょっと遠い箇所もあるので、落ちたら結構下からやり直しに。
単純に足を上げていけば登れる…というわけではなく、きちんとムーブを組み立てる必要があり、登り応えのあるルートです。
クレイジージャム(親指岩)
5.10d NP
小川山で最も有名なクラックルートである『小川山レイバック』の裏側で、岩の中を通ってクラックが繋がっています。小川山レイバックを登っている人と会話ができそう。
最初のシンハンドと、中間部のワイドが核心。個人的には、最後のトラバースして岩の上に立つところが苦手。
シーズン始めには、クラックを抜けた先にモモンガの糞がてんこ盛りになっているらしい。春先に登ると運が付くかも。掃除してくれている人に感謝!
コグレ大サーカス(屋根岩2峰)
5.10c
セレクションや蜘蛛の糸などのルートが有名な屋根岩2峰。隠れたところにひっそりと存在するルートです。
カンテの後トラバース、そしてバランシーな立ち込みと、最後のマントル。「なかなかの好ルート」との説明文の通り、最高ではないけど良いルートだと思います。
外傾したテラスからガバ取りに行くところが核心部ですが、数手が難しい。ムーブさえわかれば割とすんなり。
冬のいざない2P目(ハコヤ岩)
5.10c NP
薄く前傾した美しいハンドクラック。
3Pのマルチルートですが、他のピッチはぱっとしない。2P目の取り付き地点である「扇テラス」までは回り込んで歩いて登れるので、2P目のみ登ることが可能です。
クラックから隣のクラックへと移る時が核心で、利きの甘いハンドジャムで耐える必要があります。ハンドジャムの登竜門的なルートとかなんとか。
初めは核心でハンドジャムが効かずにスッポ抜けていましたが、経験を重ねると不思議とジャムが効いてきました。
アバタもエクボ(水晶スラブ)
5.10c
初登者曰く「体調によって難しさが全然違う」らしいです。
傾斜が緩めのスラブです。何もないようなツルツルな面にフリクションを信じて立ち上がっていくタイプ。
ボルトを遠く足下にしながら進んでいかなければならない場面もあり、そういったスラブ要素が好きな人にはたまらない…はず。
難しいところを大回りして抜けることも可能ですが、できれば正面から取っ掛かりのないスラブに挑んでいきたいものです。
白糸(最高ルーフ左の岩)
5.10c/d
出だしから3ピン目ぐらいまでが独特。スラブ面を使わず、顕著なカンテや、スタート地点から見て左側の岩も使うというちょっとトリッキーな構成。
3ピン目以降の後半はカチ系で、落ち着いていけばさほど難しくないです。
日があたりにくい立地な上、そんなに登る人も多くなさそうなので、岩にはところどころコケが生えています。
フォボス(火星人)
5.10c
小川山のクライミングエリア名の中でも、駐車場からかなり遠いところにあります。所見で迷わず火星人のエリアにたどり着くのは結構大変。
火星人と呼ばれる岩の特筆すべき点は、美しさと見映え。
今回紹介するルートである『フォボス』は、小川山にしてはボルトが多く、比較的プレッシャーなく楽しめます。割と明瞭なホールドのあるスラブ。
アプローチが遠い分も加味されているのか、グレードは甘めだと思います。
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