最近疑問に思うことがあります。
「山にパンツを履いていく必要があるのか」
ということです。
ズボンも履かずに下半身丸出しだとさすがに防衛力的にどうなのかということはあるので、ズボンは履いておくとして…(下半身丸出しは通報ものですし)
パンツを何が何でも履かなければいけない合理的な理由が、自分の持ちうる知識では十分に説明できないのです。
何も深く考えず、何となくパンツの上にトレッキング用のズボンを履いたりして、登山に出かけています。
しかし、何故パンツを履かなければいけないのかが説明できないのです。
パンツを履くという行為自体、山とは全く無関係な下界での風習ではないのか。そんな風習を、人間社会とはかけ離れた、山という大自然にまで持ち込んでいいものなのでしょうか?
そんな疑問が頭を過ぎりました。
「山では社会のしがらみから解き放たれ、解放的な気分にさせてくれるからいい!」という言葉を誰が言っているのかは知りませんが、理由も無しに何となくパンツを履いて山に登っているのは、人間社会のしがらみに無意識に囚われている表れなのではないでしょうか。
今回は、登山でパンツを履くという意味について考えていきたいと思います。
山でパンツはいていますか?
ディーアイのパンツ主戦力、ユニクロのエアリズム。
軽快な履き心地と速乾性が魅力。登山と普段着に兼用しています。何枚も所有。
『パンツ』の定義
パタゴニアの1枚3000円もする高級パンツ。
クライミングギアの模様が素敵。気合を入れた山行に履いていきます。
読者様と記述者の、理解の行き違いを避けるため、『パンツ』とは何を示すのか、ここで明らかにしておきます。
この記事においてパンツという言葉は『アンダーウェア』を指し示します。
素肌の上に直接履くタイプのものです。ブリーフ、ボクサーパンツ、トランクス、Tバック、ふんどしなどです。
トレッキングパンツやジーパンなど、一般にアンダーウェアの上に装着するような衣類は、『ズボン』と総称させてもらいます。
パンツはULの敵
昔、高島屋で買ったバーバリーの高級パンツ。
勝負パンツに…と思いましたが勝負の日は来ない。勿体無くて気軽に履けません。
最近は軽量な装備で山を駆け抜けるUL(ウルトラライト)というスタイルが一部では流行しています。
1グラムでも軽い装備を選び、ひとつひとつの装備の重さをいちいち秤で測定して、総重量を出したりしているスタイルです。
そんな人たちはまさか、パンツなんてはいていないと思います。
適当にパンツの重量を挙げてみますが、例えばパタゴニアのエブリデー・ボクサー・ブリーフなんて88gもするんですよ。
コンパクトな見た目とは裏腹に、物によってはそこそこの重量があるパンツ…。
山での軽量化は行動速度の上昇、体力の温存に繋がるので重要です。
う~む、ますますパンツをはいていく意味が分からなくなってきましたよ…。
パンツの保温性
若き日に勢いで買ったアニマル柄のカラフルパンツ。
コッソリとスイスに持っていき、メンヒ・ユングフラウ登頂の時には履いていました。
パンツには保温性があるじゃないか!
という意見には一理ありです。
下着を身に着けていないと、上にはズボンを履いているとは言っても、下半身はどうしてもスースーしてしまいます。
だけど…
下半身が寒かったら、保温性のあるタイツを履いていけば良いのではないでしょうか?
保温性のあるタイツは、文字通り下半身の保温を第一に考えられて作られた製品です。
腰と股間周囲しか包まないパンツと比べて、圧倒的に保温力は上回ります。
パンツの保温性はタイツ以下。
基本的にパンツは、保温のために身に着けるものではないので仕方ないかもしれません。
では、人はそんな中途半端な保温性しか有していないパンツを、何故どうして山でも履くのでしょうか?
パンツを履かずに登山してみた
長野県 北アルプス、後立山連峰『五竜岳』
五竜岳では実際に、パンツを履かずに登山してみました。
出だしでは、モノがブラブラしたり、ズボンにスレたりしてちょっと違和感がありましたが、すぐに適応してなんとも感じなくなりました。
ちょっとスースーする感じがしないでもないですが、そのへんもしばらく歩いているうちに完全に意識外へ。
…いやホントに、パンツって履いてなくても問題ないんじゃね?
それでも人がパンツを履く理由
ディーアイが30歳になった時、30代はウンコを漏らさない10年にしようと強く心に誓ったのでした。ですが、そんな誓いも虚しく、1年と経たずに屁に偽装したウンコに欺かれました。
その時に、パンツを履いていたお陰で、ズボンの汚染は免れることができました。
ちょっとちびった後は、秘密裏にウンコを処理して何食わぬ顔で仕事を続行しましたよ。同僚たちは気づいていない!…はず。
一枚の布が、非常事態には最後の砦となる可能性もあるのです。
…私はそっと、パンツを履いた。
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