【黒部ダム】下ノ廊下はどちらのルートから行くのが良いか【欅平】

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例年秋ごろ、短期間だけ開放される、秘境黒部の名ルート『下ノ廊下』。

約30kmに渡って黒部川の断崖絶壁に刻まれた、旧日電歩道~水平歩道を歩くスリリングなルートです。

コースの起始点は、長野側の扇沢(黒部ダム)と、富山側の宇奈月(欅平)の2箇所となっており、どちら側からでもスタート/ゴールできます。

今回の記事では、長野県側の扇沢か富山川の宇奈月か、どちら起点にして下ノ廊下を歩くと良いのかという点についてメリット・デメリットなどを書いていきたいと思います。

 

下ノ廊下ルートの選択 扇沢?宇奈月?

 

下ノ廊下について簡単に解説

山行記録等はネット上にたくさん上がっているので詳しいルート解説は他に譲るとして、とりあえず簡単に地名等の解説をしていきます。

 

黒部ダム(黒部第四ダム・黒四ダム)

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標高1450m。下ノ廊下ルートの起始点。登山起始点を便宜上、長野/富山と分けるために黒部ダムを長野側と表記したのですが、ダム自体は富山県内にあります。扇沢(駅)は長野県。

 

欅平(けやきだいら)

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標高599m。下ノ廊下ルートの起始点。そこに黒部峡谷鉄道のトロッコ電車駅があり、トロッコ電車に乗って宇奈月(299m)まで行けます。登山の終了点は欅平ですが、マイカー等の回収は宇奈月ということになります。

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宇奈月

 

旧日電歩道

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黒部ダムから仙人谷ダムまでの16.6kmに渡る区間。滑落の許されない断崖絶壁が続く登山道。

名所は白竜峡、十字峡、S字峡など。

 

水平歩道

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阿曽原温泉から欅平上部にある分岐点まで約13kmに渡る区間。旧日電歩道よりは少しだけ危険度は下がりますが、それでも落ちたら天国行き確定の断崖絶壁が続きます。

名所は大太鼓、志合谷トンネル、奥鐘山西壁展望など。

 

阿曽原温泉(あぞはらおんせん)

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下ノ廊下ルートのおおよその中間地点。標高860m。山小屋(阿曽原温泉小屋)とテント場(キャンプ指定地)に加えて、露天風呂があります。下ノ廊下ルートは起点・終点共に公共交通期間の利用が基本的に必須となるため、大抵の場合は阿曽原で一泊することになります。

 

扇沢/黒部ダム→欅平/宇奈月

2016年10月10~11日に初めて歩いた下ノ廊下は、長野県側の扇沢(黒部ダム)発、欅平(宇奈月)着というルートを選択しました。

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黒部ダムから出発

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阿曽原温泉で一泊

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欅平からトロッコ電車で宇奈月温泉へ

 

宇奈月/欅平→黒部ダム/扇沢

2020年10月20~21日に再び訪れた下ノ廊下。今回は富山県の宇奈月(欅平)をスタート地点として、ゴールである黒部ダムを目指して歩いていきました。

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宇奈月方面、欅平から登山開始

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阿曽原温泉で一泊

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黒部ダムに到着

 

各コース取りのメリット・デメリット

実際に黒部ダム→欅平欅平→黒部ダムと起点・終点をそれぞれ替えて下ノ廊下を歩いてみました。

それぞれの起点・終点が違うことで感じたメリット・デメリット?があるので、ここにまとめてみたいと思います。

※自宅は中南信(関東方面)で、出発地点でマイカーを業者に預けて終着点で車を回収する回送サービスを利用しています。

www.sankei-ar.com

 

扇沢/黒部ダム→欅平/宇奈月

●出発が黒部ダム(1450m)、到着が欅平(599m)となり、下り基調となるため体力的に楽ができる。

●黒部ダム到着(登山開始)時刻が、欅平到着の時間と比べて早い。

●ロッジくろよんで前泊可。そうすれば更に登山時間の余裕ができる。

●(中南信・関東方面からだと)行きの運転が楽。

●到着地点が宇奈月(富山)なので、帰りに新鮮な魚介類が食べられる。

阿曽原から欅平までのコースタイムが比較的短い(楽?物足りない?)

▲宇奈月でマイカーを回収してから帰るまでの運転が大変。

 

体感的には黒部ダムをスタートして欅平を目指す登山者が多数派な気がします。下ノ廊下ルートは細かなアップダウンがありますが、トータルではこちらの方が下りが多くなります。2日目は早朝に出発すれば、早い人ならあっさりと終わってしまうかもしれませんが、残った時間でゆっくりと温泉を楽しんだり、車の回収、渋滞の中での気合の運転などに当てられるので、総合的にこちらの方が疲労は少なくて済むかな…という印象。

 

宇奈月/欅平→黒部ダム/扇沢

●宇奈月→仙人ダム→黒部ダムと、黒部開発の歴史を辿りながらルートを歩ける。

●最後にどーんと巨大な建造物(黒部ダム)が出てくる感動フィニッシュ。

●初日により短い歩行時間で阿曽原温泉に到着できる。

●(中南信・関東方面からだと)帰りの運転が楽。

▲相対的に登りが多くなるので、体力的に大変。

▲二日目(阿曽原→黒部ダム)のコースタイムが長いので、時間の余裕が少ない。

▲(中南信・関東方面からだと)宇奈月までの運転が大変。

▲大町周辺の飲食店…

 

こちらのルートはトータルでは登りが多くなるし、2日目の行動時間が長くなるので体力的には大変です。最後の最後に底から黒部ダムまでの登りが出てくるし…。

一方で、黒部の歴史的に開拓は下流から始まっているので、その歴史を辿りながら歩けるというのがこちらのメリットです。最後に対面する黒部ダムは感動のフィナーレを飾ってくれます。

 

 

この記事が下ノ廊下のルート選択の一助となれば幸いです。

 

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黒部ダム開発の歴史入門に。読み物等で事前の知識を得ておくと感動がより深まる!?

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