ナルゲン、プラティパス…アウトドアで使うボトル類にはどれほどの強度があるのか、ある程度の高さから落として実験してみました。
~はじめに~
先日職場で、ナルゲンボトル(アウトドア用水筒)を落として壊しました。
目線の高さにあるロッカーからボトルを取ろうとして、手を滑らせて落下。
コンクリート製の硬い床に落としたナルゲンボトルは見事に割れて、中身が飛び散りました。
後処理が大変だったこと以上に、ナルゲンボトルはアウトドアで抜群の信頼性を置いていた製品だっただけに、落としたことで簡単に割れてしまったのがショックでした。
そこで今回、各種ボトルを実際に落としてみて、どれほどの高さからなら落下に耐えられるか、実際にテストしてみることにしました。
ウォーターボトルの落下強度比較
エントリー選手
今回実験を行うに当たり、4種類のウォーターボトルを用意しました。
ナルゲンボトル1L
アウトドアの定番ボトル、ナルゲン。高耐久で、アウトドアフィールドで高い信頼性を誇る、アメリカ製のウォーターボトルです。このボトルを落として壊した経験から、今回の実験を思い立ちました。
プラティパス1L
『ぺちゃんこ水筒』とも呼ばれる、もう一つのアウトドアでの定番ボトル。柔らかな素材でできており、水が入っていない時には完全フラットにできる、利便性の高い水筒です。
ポカリスウェット(硬めのペットボトル)
ポカリスウェット900mlが入っている普通のペットボトルです。後述のいろはすに使われているペットボトルと比べると、ボトルは厚みがあり、ハード。丈夫な印象。
いろはす(柔らかめのペットボトル)
いろはすが入っている普通のペットボトルです。前述のポカリのペットボトルとの違いは、柔らかさ(薄さ)。こちらは指で抑えると簡単に凹みます。利用し終わったあとはコンパクトに潰せる設計。
落下試験
45cm
では手始めに、約45cmのところから、水を入れたウォーターボトルを落としてみましょうか。
ナルゲンボトル。
問題ありません。
プラティパス。
問題なし。
ポカリスウェットのボトル。
落下直後の写真がなかったですが、こちらも問題ありませんでした。
70cm
続いて、高さ約70cmのところからウォーターボトルを落としてみます。
ナルゲンボトル。
落下後、特に問題はありませんでした。
プラティパス。こうしてみると落下の高さがズレてますけど、ディーアイの手作業なのでこの辺は大目に見てちょ。
落下後、トラブルはありませんでした。
ポカリスウェットのボトル。落下後、問題なし。
いろはすのボトル。落下後、問題なし。
90cm
では、次に約90cmの高さにステップアップしてみましょう。
ナルゲンボトル。
落下。
割れました。
プラティパス。
問題なし。
ポカリスウェットのボトル。
落下後、問題なし。落下の瞬間微妙に凹んで、中に入っている水の弾力でバウンドして衝撃を吸収している印象でした。
いろはすのボトル。
ノートラブル。
170cm
段差の上に立ち、ディーアイの股の位置、だいたい170cmのとこからウォーターボトルを落下させてみましょうか。
プラティパス。落下後、問題なし。
ポカリスウェットのボトル。落下後、問題なし。
いろはすのボトル。
落下後、全く問題なし。
250cm
段の上に立ち、ディーアイの目線の高さ約250cmのところから水を入れたウォーターボトルを落下させてみましょう。
プラティパス。
破損箇所なし。
ポカリスウェットのボトル。
破損箇所なし。
いろはすのボトル。
破損箇所なし。
10m?
正確な高さは不明ですが、おおよその目測で約8-10mの高さから水を入れたウォーターボトルを落下させてみます。
※周囲に人がいないか、細心の注意を払いながら実験しています。
ポカリスウェットのボトル。
落下の衝撃で、蓋が飛びました。ボトル本体には穴などの破損箇所は見当たりません。
キャップは落下位置から離れた場所で見つかりました。落下の衝撃で外れてしまった?元々緩んでいた?
いくらかのダメージは見られますが、機能としては問題なさそうです。
いろはすのボトル。
地面に落下してバウンド。
落下の衝撃でラベルが剥がれてしまいましたが、ボトルとしての機能には問題ありません。
プラティパス。
落下後、水の噴出あり。
本体には問題はなさそうでしたが、口が空いています。
硬いプラスチック製のキャップが破損していました。
破損したプラティパスのキャップ。
アウトドアで定番となっているウォーターボトルである、ナルゲンとプラティパスの両方が破損してしまったので、ここで実験を終了しました。
総評
アウトドアで定番となっているナルゲンボトルが真っ先に壊れたのが衝撃的でした。
他のウォーターボトルは、落下の瞬間へこんで、中の水が衝撃を吸収しバウンドする様子が見られました。
ナルゲンのように柔軟性のない硬質のボトルは、硬い地面に落とした際には、衝撃を吸収しきれずに割れてしまいました。気圧差でベコベコへこまないナルゲンの頑強さが、硬い地面に落とした場合には仇になってしまうようです。
地面が硬い場所では、ナルゲンボトルは90cm以上の高さから落としてはならないという知見が得られました。(水が満タンの場合)
プラティパスは本体が柔らかく、落とした際には衝撃を吸収してくれるようですが、硬いプラスチック製の蓋には衝撃吸収力がなく、高所からの落下の際には破損リスクがあることがわかりました。
100~200円で買えるペットボトルが、落下に対して最も強度があったという結果は想定外でありなかなか衝撃的でした。
特に、いろはすのボトルは薄くて頼りなさそうだっただけに、あれだけの高さから落としてもノートラブルだったことには驚きました。落下の際には中に入った水も含めて衝撃を吸収しているような印象だったので、ボトルの厚さは落下強度にはあまり大きな影響は与えないのかも知れません(一番厚いナルゲンボトルが真っ先に割れた)。
『水が入った状態でのウォーターボトルの落下強度比較』というスタディは以上となります。
耐久性(どれだけ長く使えるか)や、どれだけの圧力に耐えられるかなど、ウォーターボトルの総合的な強度・耐久力を調べるには更なる比較テストが必要です。
※注意※
・この実験はウォーターボトルの強度を保証するものではありません。
・地面の硬さ、突起物の有無などによって、ボトルの破損状況が異なってくる場合もあります。
・ボトルの中にどれだけ水が入っているかで、結果は変ってくる可能性があります。(水がたくさん入っていれば重くなり、落下の際には衝撃が大きくなる)
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