初冬の北アルプス 鏡平(鏡池)を経て双六岳を目指す

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12月、天気がすごく良さそうな日と、休日(1日)が重なったので北アルプスに行ってきました。

2018年の12月初旬は、例年と比べると驚くほど雪が少ないです。当初は八ヶ岳、中央アルプスの山でも登ろうかと考えていましたが、雪が少なすぎてテンションが上がらず。いろいろ考えて、比較的雪の多そうな北アルプスを目的地とし、鏡平から双六を目指すルートに決めました。

 

場所:岐阜県、高山市

登山日:2018年12月10日

登山タイプ:雪山、日帰り

メンバー:ディーアイ(ソロ)

 

初冬の北アルプス 鏡平(鏡池)を経て双六岳を目指す

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ルート概要

岐阜県高山市・新穂高温泉から小池新道を経て双六岳を目指しました。積雪期の北アルプスなので、1日で行けるところまで行って引き返すつもりでいました。積雪が多くて時間がかかりそうな場合は、最悪鏡平(鏡池)ぐらいで引き返すことになるかも…という気持ちもありました。

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今回歩いたルート

 

小池新道

小池新道(こいけ しんどう)とは北アルプス新穂高温泉を基点とし、鏡平を経て弓折岳を経て双六小屋へ至り、三俣蓮華岳双六岳槍ヶ岳裏銀座コースに接続する登山道の名称である。夏山の場合、行程中にはお花畑が点在し、槍ヶ岳や笠ヶ岳等の眺望も効き、比較的静かな山行が楽しめるコースである。1955年昭和30年)に、双六小屋の経営者であった小池義清らにより本コースが開設された。

wikipedia[小池新道]

 

鏡池

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小池新道の途中、標高2285mにある平地『鏡平』にある池。無風で天気が良い時には名峰・槍ヶ岳や穂高岳が池上に鏡のように映し出されることで有名。

 

双六岳 

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双六岳(すごろくだけ)は北アルプスにある標高2860mの山です。双六岳自体は遠くから見た場合、特徴に乏しい地味な山ですが、平坦な山頂部からは大変眺めが良いです。特に、山頂付近から見る槍ヶ岳の秀麗さは特筆すべきものがあります。

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新穂高温泉から小池新道へ

登山口である新穂高温泉から双六岳を目指すとなると、無雪期の標準コースタイムでも片道9時間ぐらいかかるロングルートなので、まだまだ暗いうちに新穂高温泉を出発しました。

深山荘近くの無料駐車場は、12月という時期で、しかも平日ということもあり、わずか数台の車しか見かけませんでした。

 

新穂高温泉付近はところどころに薄っすらと雪がついている程度。

新穂高センターで登山届を提出し、出発します。

蒲田川左俣林道を歩き、営業終了したわさび平小屋を脇目に、小池新道へ。小池新道までは薄っすらと積もった雪の上に先行者の足跡がありましたが、先行者の足跡は奥丸山方面に消えていたので、小池新道方面へはトレース(足跡)が全く無い状態。

小池新道は、ゴロゴロしたルートの上に新雪が10cmほど降り積もった状態でした。パウダー状の新雪のせいで、足元の岩が見えないうえにフリクションが効きづらいという、結構歩きにくい条件。とはいえ、ラッセルという程の状況ではないので、歩みは軽かったです。

 

不安材料だった秩父沢も、(雪の乗った)岩をジャンプして無事通過。

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徐々に空が明るくなってきました。

 

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穂高連峰。

 

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トレースのない雪道を歩くのは、疲れるけど気持ちがいい。

 

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抜戸岳方面に朝日が差し込み始めました。

 

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『熊の踊り場』という変な名前の場所を越えて登っていきます。

 

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ある程度登りきった!積雪量が増えてモコモコしています。

この辺までくると、鏡平は後少しです。

 

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雪に埋まっていますが、微妙に木道の面影があります。

木道を外すと膝上ぐらいまでズボッと落ちたので、夏道の痕跡を頼りに進みます。

 

鏡平(鏡池)到着

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鏡池に到着です!

ただし、鏡池は雪に埋もれてしまって全く『鏡』ではありませんでしたが。

 

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鏡池と槍ヶ岳(左奥)と、穂高連峰(右奥)。

雪に埋もれた鏡池の上には、動物の足跡がありますね。

 

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鏡池の反対側。

ベンチの雪を払い除けた後、しばらく景色を堪能しながら休憩。

それから、先へと進みます。

 

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冬季閉鎖中の鏡平山荘。周囲には動物トレースが。

 

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鏡平山荘の前を過ぎて双六岳に向かう場合、池に掛けられた木製の橋を渡っていきます…が、鏡平山荘が営業していない時、その橋は外されてしまいます。

そのため、迂回路を利用して池を通過しました。

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池は凍って雪に覆われており、動物の足跡は凍った池の上を通過していますが…。

人間が乗って池の氷が割れないとう保証もないので、少々手間ですが安全策を取って迂回しました。

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ちなみに夏山だとこんな感じです。

 

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西鎌尾根のピーク群が美しい。

 

鏡平から双六を目指す

鏡平から次のポイントである弓折乗越を目指します。

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鏡平を過ぎるといきなり急登。雪も深くなってきており大変ですが、この登りでは動物がつけてくれたトレースに助けられました。

雪山では一番手と二番手では、歩くときの体力消耗度がが全然違います。

 

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振り返ると、槍ヶ岳が美しい。

このあたりで、「何か白いハトみたいな鳥が飛んでるなぁ」と、飛んでゆく鳥を発見。よく考えたら雷鳥でした。ギリギリ樹林帯の境目だったので、油断してました。写真を撮り損ねる。森林限界上に出るか出ないかの場面だったので油断していました。

そういえば、何年か前に真冬の御嶽山でも、樹林帯(森林限界にほど近いところ)で白い雷鳥を見たことがあります。雷鳥は冬季に生息高度を下げるようです。

 

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雪と、(雪が乗った)木に行く手を遮られる場面も。雪と木を掻き分けながら半ば強引に正面突破しましたが、結構体力を使いました。

 

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ある程度登りきったところ。夏道は目の前のピークを右にトラバース(横断)していく感じです。雪はまだ少なく、夏道通りで行けそう。雪が多い場合は、トラバースするのは困難になりそうなので、そんな時には正面の尾根を直登する感じになりそう。雪山では常に、臨機応変に行動することが求められます。

 

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トラバース道。落ちたくない場所も出てくるので、念のためにこのへんでアイゼンを装着しました。

ワカンも一応持参していましたが、使うほどの積雪量じゃないと思ったので今回は最後まで使用せず。

 

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夏道通りにトラバース中。振り返ったところ。

 

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弓折乗越に到着。朝は稜線上に雪煙が舞っていましたが、到着時には思ったよりも風は強くありませんでした。ここらで休憩。適当に座って休んだらケツが濡れた。

 

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双六岳が見えてきました。ここまで7時間ぐらいかかってしまったので、山頂到達は諦めています。行けるとこまで行くことに。

 

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西鎌尾根と槍ヶ岳。

 

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無数の足跡。動物たちの姿は全く見ませんでしたが、いつの時間に駆け回っているのでしょうか。

 

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歩いてきた足跡と、抜戸岳へと続く稜線。

 

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花見平は雪見平と化していました。このあたりには動物のトレースはなく、まっさらな白銀世界。

 

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吹き溜まったところでは、股まで雪に埋まる箇所あり。だいぶ疲れも溜まってきたので、立ち止まって息を整える時間が長くなってきました。ここらで「いつ引き返すか」ばかり考えるようになりました。

 

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双六山荘や鷲羽岳が見えてきたこのへんで引き返すことに決定。これ以上進むと一時下りとなるので…。そうなると帰りの登り返しがツライ。

 

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真正面に見えるのが鷲羽岳。山の間に双六小屋が小さく見えています。

 

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双六岳は遠かった…。

 

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槍ヶ岳。

 

下山開始

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体力を使い果たす前に下山開始です。行きはノートレースでしたが、帰りは自分が着けてきた足跡があるので、登りと比べるとかなり楽です。

 

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鏡平に向けて戻る途中。

 

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穂高連峰をアップ。例年に比べてかなり雪が少なく感じます。

 

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鏡池まで戻ってきました。足跡は動物が走り回った跡。

 

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鏡平で今日はじめて人と遭遇。

 

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小池新道を、新穂高温泉へ向けて下っていきます。

新雪がゴロゴロした岩の上に乗った状態。雪に隠れて岩は見えない。というと、分かる人には分かる微妙に嫌なコンディション。帰りは何度もコケました。

 

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秩父沢。

 

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小池新道入り口より。

 

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わさび平小屋。冬季閉鎖中です。最近リニューアルされたみたいで、キレイになっていました。

 

日が傾きかけた頃、新穂高温泉の無料駐車場に到着。13時間行動でした(休憩時間含む)。

雪が積もった北アルプスのピークは遠かったです。双六岳まで登れない可能性も十分に考えていたので仕方ないと思っています。ヘッデン下山を覚悟すれば山頂まで行けたかもしれませんが、自分の中で日没までには行動を終えたいというのがあるので、こんなもんです。

食の不毛地帯である新穂高温泉を早々に後にし、平湯であんき屋に寄ってから帰りました。

 

この山行で使った装備

緩やかな傾斜の多い歩き中心の冬山では、ピッケルより出番が多いのがストック。(ピッケルが不要という意味ではない)

 

ナイトハイクもバッチリなタフモデル。冬季でも問題なく使えるモデルなので頼もしい。

 

個人的に、冬山用インナーグローブの決定版。もしこれより優れたものがあったら教えてください。すぐに買いますんで。

 

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www.dimountainphotos.com