山を眺め、山を想う休日
先日は晴れた休みの日だったのにも関わらず、諸事情により予定していた山行は中止になってしまいました。天候が申し分なかっただけに、ショックが大きかったです。
失意の中、やることが特に思いつかなかったので、暇つぶしに霧ヶ峰へ。
諏訪地域在住の自分にとって、手軽にふらっと行くことができる霧ヶ峰・車山。車で片道30分ほどの距離にあります。
山に行けない気晴らしに、霧ヶ峰付近の道路をドライブしたり、車山近辺をブラブラと散歩。天気が良かっただけに雪を抱いた日本アルプスの高峰を見渡すことができました。
遠くそびえる山々を見渡していると、「キレイだな」という印象以上に、その山々に登った今までの記憶を呼び覚ましてくれます。
山を登らない人にとてって、雪を抱いた日本アルプスのピーク群は『白くて美しい突起の集まり』といった物体に見えるのかもしれませんが、その遠目に見るとその「小さな突起の数々」に、それなりの思い出がある自分がいます。
「あの山は、風が強かった」「あの山はラッセルが大変だった」「あの山で迎えた朝は素晴らしかった」等、知った山を見る度、その山に登った思い出が次々に蘇ってきました。
北アルプス
北アルプス、真冬は天候が厳しくてなかなか入れませんが、春になると晴天率が上がります。GWあたりになっても、他の山域と比べて残雪が豊富にあるので、長く雪山を楽しめる場所。岩稜からたおやかなピークまで、バリエーション豊かな山々が連なり、決して飽きることはありません。
御嶽山・乗鞍岳
御嶽山は自分のホームマウンテン的存在だったので、春夏秋冬足繁く通っていました。どの時期に登っても素晴らしい山です。反面、乗鞍岳はよく通っていた御嶽山が近いためか、(御嶽山よりも当時の住まいから遠いのもあって)あまり登る機会はなく、初登頂は割と最近の話になりました。こちらも素晴らしい山でした。
中央アルプス
冬季は北アルプスほど天候は荒れず、南アルプスよりも山深くないので比較的手頃に入山できる中央アルプス。3000m超のピークがなく、南北アルプスと比べると地味ですが、そのコンパクトさ故の親しみやすさや登りやすさが魅力。一方で、ひとたび稜線に上がると、本格的な日本アルプスの山だということが体感できます。
富士山・南アルプス
富士山は最初に残雪期で登った時に遭難事故に出くわし、いろいろと転機となった山です。海外登山前の高所順応トレーニングで、何度も登りました。
南アルプスは山が深く、積雪期はなかなか気軽に入山できないです。アプローチが良い仙丈・甲斐駒は、厳冬期・残雪期共にお世話になっています。
八ヶ岳
冬でも麓から近く、本格的な登山が楽しめてしまう八ヶ岳。北アルプスが雪でもこちらでは晴れていることも多いので、冬は「とりあえず八ヶ岳行くか」となっていました。長野県諏訪地方に移住したひとつの理由が、「オールシーズン楽しめる八ヶ岳が近くにあるから」でした。
その日は山へと登りに行けない休日でしたが、見晴らしの良い場所に立ち、これまでに登ってきた山々を見渡しながら、それぞれの山に残してきた思い出を振り返ってみるというのもなかなか悪くない体験でした。
自分自身、一度も登ったことのない山を見た場合、あまり深い印象も無いし、なかなか名前を覚えられなかったりします。登ったことのある山やルートを眺めると、その稜線や谷、斜面などの形から、その山に登った記憶を鮮明に思い出せるので、より一層眺めるのが楽しくなります。
山に登った分だけ、山を見るのが楽しくなるというのが個人的な意見です。
しかし、やっぱり山は眺めるよりも登っている方が楽しいので、次の晴れた休日には、どこかの山に登れると良いと思いながら、霧ヶ峰を下っていきました。
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