場所:須坂、米子不動
山行日:2021年2月10日
種類:アイスクライミング、日帰り
メンバー:ディーアイ、E中、miyu
米子不動・夜叉
はじめに
記録的な少雪と暖冬となった2021年シーズン。この時、自分のアイスクライミングに対するモチベーションはかつて無いほどに落ちていました。そんな中、時々遊んでくれている鉄の男・E中氏から「パートナーにドタキャンされたので明日米子不動に行きませんか?」という連絡が突然舞い込みました。
アプローチに結構時間の掛かる米子不動ですが、今年は記録的な少雪のため、気合いを入れれば日帰りでも行けてしまうとのこと。
米子不動…自分にとってはまだまだ敷居の高い存在で、行くのは数年先になると思っていました。素晴らしいクライマーがパートナーとなってくれたことで、憧れの米子不動へとアイスクライミングに行くことになりました。
アプローチ
早朝集合、早朝出発、暗い中車を走らせました。途中車が雪でスタックして冷や汗をかきましたが、みんなで雪を掘り起こして再出発。無事に駐車スペースへと到着。
ヘッドライトの明かりを頼りに出発。
雪深い(といっても例年に比べれば断然少ないらしい)道を、スノーシューを履いてガシガシ進みます。
途中までは道路沿いを歩いていくので迷うことはありません。
ぐねぐねと曲がりくねった道路を歩いていきます。しばらくすると、ようやく氷瀑が見えてきました。
遠目でも、かなり巨大な滝であることが分かります。
ベースキャンプとなる(今回は日帰りですが)橋のところの広場。
広場から。正面に今回パートナーのリクエストで登ることになった『夜叉』と名付けられた氷瀑が見えます。
ここからは木の多い茂った道なき道を行くので、狭いところで取り回しの悪いスノーシューは脱いでいきました。
堤防を越えたり、沢を渡ったり、トレースがないのでちょっと迷ったりしながら、沢を上流へと詰めていきます。
股ラッセルとなる箇所もありましたが、クライミングマシーンのE中氏がガンガン雪を漕いでくれるので心強いことこの上ない。時々ラッセルを交代しながら、上流へ。
今回目指している氷瀑の左にある、『阿修羅』という氷瀑。85mぐらい。
今回の目的である『夜叉』が見えてきました。
八ヶ岳など今まで登ってきた氷瀑と比べ、群を抜く大きさです。そのスケール感に圧倒されました。
夜叉
米子不動・夜叉
85m
ルートグレード5級
1P目 50m
雪を踏みならし、氷爆へ取り付きへ。
傾斜の緩そうな1P目を私(ディーアイ)がリード。
登り始めると、遠目で見たよりも氷瀑は立って感じました。
これまでに経験したことがないスケールの氷瀑登りで無駄に力が入ってしまい、すぐにパンプ。そして敢なくテンションが入りました。
途中でアックステンションをかけながら、非常にゆっくりとしたペースで登る。情けない…。地上から撮影してくれている妻にも、ビビっているところをバッチリ撮られてしまいました。
50mほど登ってテラスっぽくなっているところで終了。スクリュー2本を決めて支点作成しました。壁のところにボロボロのハンガーがありましたが、そこだと次ピッチビレイしにくそう。下降用?
フォローで、快調なペースで駆け上がってくるE中さん。
2P目 35m
1P目終了点。
2P目を登るE中さん。
もう少しで落ち口。
フォローで登る私(ディーアイ)。1P目はテンション掛かってボロボロでしたが、フォローの2P目はノーテーションで登れました。上からロープが掛かっているというのは安心感が違い、それほど力まず登れました(それでも凄く疲れたけど)。
下降
終了点は左岸(下から見て右側)の木。
先行して懸垂下降するE中氏。
60mのダブルロープほぼいっぱいまで下降し、途中で区切ります。区切った点が氷瀑の途中となるので、続いて懸垂下降する私は下の人に落氷させないよう気を使って降りる必要がありました。
私が下降している間、E中さんがV字スレッド(アバラコフ)作成してくれていました。
2回の懸垂下降で地上まで。
米子不動・夜叉のアイスクライミングは終了。かつてないスケールで立った氷瀑を登ったので、非常に疲れました。鉄の男・E中さんはもう一本登りたそうにしていましたが、とても身体が持たないのでこれで帰ります。
谷の中は寒かったですが、広場からはそこまで寒くもなく、快適な気候でした。
スノーシューを履いて、車を停めたスペースまで戻ります。
初めての米子不動のアイスクライミングは、素晴らしい場所でした。実力を磨いて是非再訪したいです。
ギアなど
アイスアックスは2人ともノミックを使用。
アプローチにはスノーシューまたはスキーが有ると便利。
ロープは60mダブルを使用
定番のアイスクライミングガイド・廣川本
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