山岳写真を撮りに行く時に、私が思っていること

f:id:di82:20190427151431j:plain

山には写真栄えする景色がいっぱい。当ブログの作者であるディーアイは、もともと写真撮影が趣味で、絶景を求めて山に入っていったクチです。そんな自分が、現在山で写真を撮ることについて思っていることをまとめたのが今回の記事です。

 

山での写真撮影について、私が思うこと

f:id:di82:20190427154417j:plain

 

機材はできるだけ軽くしたい

f:id:di82:20190421163544j:plain

行く山にもよりますが、登山はいろいろな装備を必要とします。

f:id:di82:20190421163621j:plain

装備が重くなれば当然重い。カメラを持っていくとなると、登山装備に追加して「余分な荷物」を担ぐことになります。カメラを持たない登山者と比べると、体力的にきつくなります。

f:id:di82:20190421163738j:plain

山は決して安全な場所ではありませんし、装備が軽い方が軽快かつ安全に活動できます。岩稜帯でも歩こうものならカメラはリスクでしかありません。

 

それこそ私が登山を始めたころは、山岳写真を撮るために超広角レンズ+標準ズーム+望遠レンズ+各種フィルター+三脚などフル撮影装備を担いで登っていました

f:id:di82:20190421164523j:plain

しかし最近は、撮影装備を一眼と交換レンズ1本(もしくは2本)ぐらいにして登っていることが多いです。

何本も大量にレンズを持っていっても、持っていったレンズを全て使うかというとそうでもないし、撮影装備が多いとザックの容量を圧迫するし、楽しく山を歩くためにはカメラってとにかく邪魔なのです。

楽しい登山の時間をカメラ機材に妨げられたくないので、最近はできるだけミニマルな撮影機材を持って登山をしています(でも写真から登山に入ったクチなので、一眼カメラは持っていく)。

f:id:di82:20190421170111j:plain

燕岳より

梅雨の晴れ間の貴重な1日休み、合戦尾根を駆け上がって撮影した朝焼け。毎日が休日なら小屋に泊まってのんびり撮影山行も可能なのですが、仕事があるとなかなか自由に時間が取れないことも多いです。撮影装備の厳選→軽量化で、スピード型の山行にすれば、そのスタイルだからこそ撮れる写真もあるわけで、一概に「撮影機材フル装備担いで登れば何でも撮れる」という訳ではないと思います。時間が有り余っている人、体力が有り余っている人は、この限りではないかもしれません。

 

f:id:di82:20190427143512j:plain

稜線上でご来光を見るつもりでしたが、テント内で二度寝してしまって、予定時間よりも1時間オーバー。

それでも軽量化した装備で駆け上がることで、なんとかこの場所で日の出を見ることができました。

 

まともな写真が撮れなくても気にしない

f:id:di82:20190421160634j:plain
f:id:di82:20190421160629j:plain
f:id:di82:20190421160619j:plain
f:id:di82:20190421160615j:plain
f:id:di82:20190421160610j:plain
f:id:di82:20190421160625j:plain

貴重な休日を使って、息を切らしながら何時間も山道を登り、山頂に立った時に見えた景色がコレ。

ガスがかかって何も見えやしねぇ…。


山は大自然です。人間は自然には決してかないません。気象条件など、思い通りにならないことも多いです。

「それが山であり、それが自然である」と割り切っています。重い装備を担いで何時間も苦労して登っても、まったくまともな写真が撮れないなんてことは正直結構あります

せっかく登った山の天気が悪くて、体力的に疲れても、貴重な休日1日を丸々使って撮れ高の無い山行をしても、個人的にはそれなりに楽しめてしまうので、山好きで良かったと思っています。

f:id:di82:20190427161549j:plain

明らかに天候が激悪の時は入山を避けますけどね。そこは楽しいとか楽しくないとかじゃなくて、安全管理の話。

 

晴れりゃいいってもんではない

雨の日ではあまり景色は撮れないので、カメラを持って登山するならもちろん晴れた日に行きたいところ。

ただし、雲ひとつ無い青空の下に撮影した写真のいくらかは、何故かあまり印象的でないのも事実。

f:id:di82:20190420133854j:plain

針ノ木岳あたり

上の写真、目で見た景色はそれなりに『絶景』と言っていいものでしたが、雲ひとつ無い青空の下で撮影したこれは、作品として考えるとすごく『平凡』ですね。

 

f:id:di82:20190420134958j:plain

八方池

絶景ポイントとして有名な『八方池』で撮りました。風の弱い日には、池に鏡のように映し出される白馬三山が印象的な場所です。インターネットで検索すると、同じような写真が山ほど出てきます。

美しいには美しいんですけど、(類似した写真を)何度も見たことがあるので、慣れてしまっているのか、衝撃だとか感動とかいう感情はあまり湧いてきません。

 

f:id:di82:20190427151823j:plain
f:id:di82:20190427151818j:plain
f:id:di82:20190421155748j:plain
双六岳山頂より

湧き上がったガスによってご来光と遠くの山々が隠れてしまいましたが、これはこれで幻想的な感じで悪くないと思っています。

むしろ、山での絶景は、かかっていた雲が取れる場面とか、山が雲に隠れてしまう手前とか、悪天と晴天の切り替わりの一瞬が多かったりするので、完全なるピーカン青空予報の時は、それほど撮れる写真には期待していないことも。

 

感動を伝える作品作りを

f:id:di82:20190421161144j:plain

私が山で写真撮る時には、「現地で見た感動的な光景をそのまま持ち帰る」ということをテーマにしています。
実際に見ると大して面白くもないものを、工夫してそれなりに見栄えして撮るとか、そういうのは自分の中ではあまり興味のない撮影方法です(山岳写真の場合)。

f:id:di82:20190421171436j:plain

良い写真を撮るために「感動できるような景色を見に行く」というのが、山岳写真のモチベーションとなっています。

そうすると、適当にその辺の山(有名な山でも)を何も考えず、ただ登るだけでは撮れない光景が存在します。

f:id:di82:20190421161506j:plain

素晴らしい景色の見れる場所へ行くためには、狙ったタイミングで撮影場所に立つための時間配分や、ともすればリスクを伴う場所へ登るための技術が必要になってきます。

感動的な景色を写真に収めるためには、「その場所に立つ」ことが何よりも重要。感動的な景色なんてそうそう巡り逢えるものでもないし、素晴らしい一瞬に立ち会うためには、何度も山に通うことや、山のレベルに見合うスキルが必要です。

f:id:di82:20190427154536j:plain

 

安全が最優先

f:id:di82:20190421161036j:plain

すべてが生きてこそ

山岳写真を撮りに行く場合、山に入るわけですが…山というのは基本的に危険な場所です。特に、写真栄えする光景が見れるところはエクストリームな環境であることが多いです。

山と写真にのめり込めばのめり込むほど、簡単には撮れない厳しい環境に向かいたい欲求がでてくる場合もあります。

雨宿りに立ち寄れるコンビニも無いし、電話一本で救急車がすぐに来てくれるわけでもない。滑落したら死んじゃうところを歩くことも度々あり。なので、ヤバイと感じたらさっさと逃げ帰るという判断を下すことも大切だと思っています。

また、以前にこの記事でも書きましたが、

山で自分の安全が守れない人間は、高価で大切な撮影機材を守れないので、安全登山のイロハを学ぶことは大事。写真大好きで山登りしたいと思っている人は、まずは大切な機材(カメラ・レンズ等)を守る術を身につけることをオススメいたします。

 

撮影機材選び 

f:id:di82:20190427161020j:plain

ここに来てようやく撮影機材(カメラ・レンズ等)のお話です。

正直、好きなの使えばいいんじゃね?と思っています。

「ニコンはメカが優秀」とか、「オリンパスはアウトドア向き」とか、そいういうメーカー縛り的な事考えたことないです。自分はキヤノンのフルサイズをメインに、オリンパスの丈夫なヤツをサブカメラとして使っていますが、「山で写真を撮る人は必ずこのカメラを使うべき」みたいなことは微塵も思っていませんし。

自分が撮影に向かう山域で、カメラ関連のトラブルが起きないことは気にします。冬山やるなら低温に強いとか、沢やるなら濡れても壊れないとか。大事なのはそれぐらい。

まぁ、そこまで大きなこだわりのない機材選びですが、記録メディア(SDカード等)はケチらずそれなりのものを買うようにはしています。苦労して撮った写真がトラブルで消えてしまったら、笑えませんからね。

私の場合、記録メディアはサンディスク(SanDisk)指名買い。東芝やレキサー等も使ったことがありますが、一番信頼しているのがサンディスク。これまで何度も過酷な環境に持ち運んで使っていますが、一度もデータトラブル無し。データ関連のトラブルに見舞われたこともないので、デュアルスロットは…個人的には絶対に必要というわけではないかな、と思っていたり(あったらあったでより良いのでしょうが)。

f:id:di82:20190427155106j:plain
f:id:di82:20190427155101j:plain
沢登りからアンデスの高峰まで使える、信頼のSanDisk

 

山でよく使っている撮影機材

 

f:id:di82:20190427154906j:plain

私の撮影は、スーパー技術を使っているわけではないので、同じようなカメラを持って同じような山行をすれば、これまでに載せた程度の写真は撮れると思います。

 

山と写真についていろいろ書いたあとに思うのは、自分は写真撮影よりも山に登ること自体を楽しんでいる感じですね。

あくまでも写真ガチ勢ではない者からの、山と写真についての記事でした。

 

こちらの記事もどうぞ

www.dimountainphotos.com