岐阜県、富山県、長野県の三県にまたがり、3000mクラスの山々が南北100km以上に渡って連なる長大な山脈こそが北アルプス(飛騨山脈)。
今回の記事では北アルプスの長野県側、安曇野~大町近辺からアプローチが比較的容易な山々について、個人的に思うことを色々と書いていきたいと思います。
北アルプス(安曇野周辺山域)の印象的な場所
三股(みつまた)
蝶ヶ岳・常念岳の登山ベース。
ここの駐車場に車を停めていけば蝶・常念を周回して同じところに戻ってこられるので、マイカー派には嬉しい。
割合整備されたトイレもあるし(山の中なので虫は多いですが)、前泊にも使えます。ただし、林道が時々崩れて通行止めになることがあるので台風後にはちゃんと通じているか確認が必要。
蝶ヶ岳(ちょうがたけ)
2677m
穂高岳展望最強スポット。
山自体に急峻な部分はなく、遠くから見ても「あれこそが蝶ヶ岳」というような個性はありません。登山道は基本的に樹林帯なので、正直言って退屈です。
そのカッタルイ歩きを終え森林限界を超えたらそこにすぐ山頂。退屈な歩きから一転して山頂から見えるのは、穂高・槍ヶ岳の圧倒的な岩峰群。息を呑むような絶景を前にし、登頂のカタルシスを味わうことができる山が蝶ヶ岳です。
常念岳(じょうねんだけ)
2857m 日本百名山
ピラミダルな山容が美しい、安曇野のシンボル的な山。
槍ヶ岳や穂高岳と言った北アルプスの中でも標高の高い山は、麓の安曇野からは望むことは出来ません。その代わり、麓から聳え立つ常念岳は、一際目を引くような存在感があります。
さっさと山頂ゲットしたいならコースタイムの短い一の沢ルートをどうぞ。
冬も北アルプスにしては比較的アプローチが容易な方なので、比較的登られている印象。
大天井岳(おてんしょうだけ)
2922m 二百名山
常念山脈最高峰…なんだけれども、北に燕岳、南に常念岳という人気の山に挟まれているのもあってか、あまり目立たずあまり話題に上らない山。
表銀座縦走コースで通過点のひとつとして扱われることが多い印象。主だった登山口から中途半端に遠いのもあって、大天井が目的地になることは少なそう。
山自体は形が良くて、山頂からの展望も良いのですが…
中房温泉(なかぶさおんせん)
燕岳(合戦尾根ルート)および有明山の登山ベース。下山後はこの温泉に入ることができるので効率が良い。
中房から少し下った有明荘あたりに3つぐらい駐車場がありますが、夏のシーズン中には車がいっぱいで停められないことも。
安曇野(穂高)から中房温泉に向かう道路である『槍ヶ岳矢村線』は道幅が狭いところもあるクネクネの道路なので、すれ違いの多い時期は運転するのがチョット嫌。
登山者用駐車場の近くに沢があり、人通りの少ない場所で隠れて沢にダイブして汗を流した思い出。
有明山(ありあけやま)
2268m 二百名山
信濃富士の異名をもつ特徴のある形をした山。
中房温泉から有明山山頂までのルートは傾斜が急で、距離こそ短いものの、お隣の燕岳に通じる合戦尾根よりもよっぽどハード。登山道は基本的に樹林帯なので、景色が広がる山頂付近までは展望はあまり…です。夏は標高が比較的低くて暑いし、基本的にM向けのコース。
燕岳(つばくろだけ)
2763m 二百名山
北アルプスの女王とも呼ばれる、優美な花崗岩のピーク。
山頂付近の稜線から見る北アルプスの展望がすばらしい。
燕岳山頂からすぐ近くにある、『北燕岳』というオマケみたいなピークからの立山展望が良いので余裕があれば足を伸ばして。
燕岳の主要な登山ルートである『合戦尾根』は、北アルプス三大急騰に数えられる尾根です。確かに出だしが急ではあるものの、そこまでハードというわけでもなく、むしろ人も多くて整備状況も良いので初心者向けのルート。
餓鬼岳(がきだけ)
2647m 二百名山
おそらくここを北アルプスデビューのファーストチョイスとする人はいないと思います(いたらかなりマニアック)。
訪れる登山者は、燕岳などのメジャー山域と比べたらだいぶ少なく、道も一応整備はされていますがかなりワイルド。清流を横目に進む沢沿いの道、いつ壊れるかわからないハシゴなどのアトラクション要素アリ。
好きな人は好きそうな、どちらかといえばマニア向けの山。一般ウケはよろしくなさそうな気はします。
唐沢岳(からさわだけ)
2632m
北アルプスのマイナーな山。一般登山ルートは餓鬼岳山頂付近を経由する一本しかなく、ただでさえ餓鬼岳に登る人も少ないのに(北アルプスにしては)、唐沢岳まで足を伸ばす人となるともっと少ないことでしょう。
唐沢岳山頂へ向かうには、餓鬼岳から一度下ってから登り返すこととなり、帰りは来た道を引き返し餓鬼岳山頂へと登り返さなければいけないという修行ルート。
餓鬼岳だけでも北アルプスのメジャーエリアと比べたらワイルドな登山道なのに、こちらは更にワイルドな道で、草や枝が身体のどこかに終始触れていた印象。
七倉方面からアプローチする、唐沢岳幕岩という岩場もあります。
野口五郎岳(のぐちごろうだけ)
2924m 三百名山
北アルプスのちょうど真ん中らへんにある山なので、晴れたら展望は素晴らしいと思います。
私が唯一訪れた時は、縦走中で天気が悪く大雨だったので景色は見られませんでした。残念。
某有名歌手と同じ名前なので、山のことについて詳しくない人に対して「野口五郎登ってきた」と言うと「えっ?」という顔をされることがある。こっちの方がオリジナルなのです!
烏帽子岳(えぼしだけ)
2605m 二百名山
Wikipediaの『飛騨山脈(北アルプス)』の項目で、何故かこの山の写真がドカン出てくる。そこまで超人気でもなさそうなのに、北アルプスを代表するピークに数えられている感がある。
尖った山頂がインパクト大ですが、標高は北アルプスの中では高くないし、山頂周囲以外には特徴的な地形はありません。
主な登山口である七倉ダムに行ったことないので、急騰で有名なブナ立尾根は未踏。
イマイチな天気の中縦走で通り過ぎたことが一度だけあるぐらいなので、個人的にはそれほど思い入れのない山です。ただ、不動岳から烏帽子岳に通じる縦走路は、天気が良ければ素晴らしいだろうなとは思いました。
船窪(ふなくぼ)~烏帽子縦走路
北アルプスの中でも不人気な縦走コース。人も少なく整備状況も悪いので北アルプスらしからぬワイルドさ。
夏の登山シーズ中に縦走しましたが、この区間では数人の登山者と会っただけでした。
とりあえず北アルプスが登りたいけど、混雑するのは嫌だという人にはオススメのコース。稜線を行く縦走路の割には樹林帯の割合が多く、展望はあんまり…ですが。
蓮華岳(れんげだけ)
2798m 三百名山
大町からどっしりとした山体を仰ぎ見ることができる。立派な山。
しかし、街から見えて目立つような気もするのに、語られることが少ないという謎の山。
幅広い尾根からなる山頂部は砂礫に覆われているので、シーズン中はコマクサが嫌というほど見られます。
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