富士山に登ってきました。
日本最高峰で、焼肉を行うことを目的とした残雪期の富士登山。
登山ルートは、たくさん歩けて下山が楽しい御殿場ルートにしました。
2018年5月6日の登山記録です。
残雪期の富士登山:ヨコザワテッパンで肉を焼く
富士山で焼肉をしたいと思い立ったので、前日に西友で20%オフで売っていた焼肉用の牛肉(モチロン輸入肉)を400gほど買って、冷凍しておきました。
これで下準備はバッチリです。
5月はまだ残雪のシーズンになるため、残雪期用の装備を準備して、富士山の御殿場ルートに向かいました。
御殿場ルートの概要
日本最高峰の富士山(3776m)には4つのルートがあります。
・吉田ルート
・富士宮ルート
・御殿場ルート
・須走ルート
今回記事にしている御殿場ルートは、静岡県の御殿場口、新五合目(1440m)からスタートするルートです。
富士山の最高地点である剣ヶ峰(3776m)からの標高差は2336mあり、他の3ルートと比べて、最も長く歩きを楽しめるルートとなっています。
また、営業小屋の数が最も少ないのも御殿場ルートの特徴となっています。ま、この時期(5月)はどの山小屋も営業していないので関係ない話ですが。
大砂走りといった砂利を駆け下りて下山できるのも、このルートの大きな特徴のひとつです。
富士山の中で、最も大変なルートということらしいですが、そのために登山者は少なくマイペースで富士登山が楽しめるというのが御殿場ルートの良いところです。
登山開始
2:45
前日夜に御殿場口の駐車場に到着。
車内で仮眠を取り、朝2時に起きて準備開始。出発しました。
御殿場口の駐車場には24時間利用可能なトイレがあります。
無駄な荷物は持たない主義なので、ウ○コを出して軽量していきました。
御殿場口の鳥居。ここをくぐって、御殿場ルートの富士登山が始まります。
4:38
暗い中、ヘッドライトの光を頼りに登ってきましたが、ようやく明るくなってきました。すでにそれなりの高さにきています。左に見える湖は山中湖。
御殿場ルートはしばらく荒涼とした斜面を登っていきます。人もほとんどいないので、ちょっとだけ地球最後の男になった気分です。
登ってきたルートを振り返ります。
緑の多い下界と違って、砂利と石でできたこの場所は、かなり異世界感がありますね。
登山口から富士山の山頂は見えています。
けっこう近そうに見えて、歩いても歩いてもなかなかたどり着かないのがもどかしい感じです。
ついに夜が明ける
5:02
ようやく待ち焦がれた夜明けです。
砂利だらけの富士山斜面も、朝日の色に染まっていきます。この日はあまり真っ赤に焼けなかったのが少し残念ですが…。
5:30
今は営業していない小屋の跡地に到着しました。ここで一旦座って休憩しました。
まだ正式な登山シーズンでは無いので、道の整備状況はあまりよくありません。
ところどころ道を外しそうになりながらも、夏道の痕跡便りに登っていきました。
この辺まで登ってくると残雪が出てきました。
6:59
七合目に到着。登山口の五合目~七合目は非常に遠く感じます。逆に、これから山頂までは比較的距離が無いような印象です。それでも結構歩きますけども。
上部までくるとしっかり残雪あり。所々地面を歩く箇所も出てきますが、アイゼンの着脱がめんどくさかったので、できる限り雪をつなげるように登っていきました。
最後の登りです。
久しぶりの富士登山ということもあってか、ちょっと歩くだけですぐ息があがってしまいます。休み休み、ゆっくりと標高を上げていきました。
登頂
9:14
御殿場口の山頂に到着しました。
御殿場口の山頂から、日本最高峰の剣ヶ峰を目指します。
剣ヶ峰への最後の登り。
どうってことのない標高差ですが、息が苦しいので意外にきつかったです。
富士山頂上の観測所跡。
9:31
日本最高峰富士山の頂上、3776m地点に到着しました。
御殿場ルートでは登りの途中、他の登山者の姿は全く見かけませんでしたが、剣ヶ峰付近まで来ると富士宮ルートから来たであろう登山者の姿を幾人も目にしました。
さぁ、鉄板で肉を焼こう
富士山頂に着いてから、お楽しみの焼肉タイムです。
400gの牛肉を焼いてひたすら食べようではありませんか。
驚くほど美味く肉が焼けると評判の、『ヨコザワテッパン』登場です。
オランジーナを買ったときについてきたコンパクトな保冷袋。使わない時にはぺちゃんこになるナイスアイテム。この中に凍らせて盛ってきた牛肉が入っています。
ジップロックに入れて冷凍した牛肉は、キッチンペーパーで巻いてあります。
凍った肉を入れているジップロックが結露しても、ペーパーが水を吸い取ります。そして、水を吸ったペーパーはウェットティッシュ代わりに活躍です。
準備完了。
軽量なチタン製シエラカップが取り皿です。
焼肉のたれは使う分だけ小型の容器に入れてきました。
肉から出た脂が、鉄板から落ちて周囲を汚さないよう、バーナー下には新聞を敷いておきます。
鉄板の手入れが悪くて肉が多少くっつきますが、やっぱり身体を動かした後の肉は最高ですね。
風がなかなか強くて下に敷いた新聞がまくり上げられるので、四方に重りとなるものを置いています。
焼肉は最高…といいたいところですが、到着時と比べて風がどんどん強くなってくるのを体感しています。
常時それなりに風が強いのに加えて、時々ものを吹き飛ばすような突風が吹いてきます。
予想風速は15m/sといったところでしたが、体感としては瞬間的にそれ以上になっているような感覚です。
取り皿に使っていたチタン製のシエラカップが突風で吹っ飛び、さらにSOTOのウインドマスターの火が、強風に煽られて消えてしまうという事態発生。
これ以上焼肉を続けるのは困難と判断し、半分ぐらい肉を食った時点で、不本意ながら下山することを決定しました。
10:10
富士山頂と火口。
上空にはこれから天気の悪化を予感させるレンズ雲が。
肉を残した時点で下山するという苦渋の決断…。いずれ焼肉リベンジを果たしてやろうと心に誓いながら、下山にかかりました。
下山へ
御殿場口頂上。
下山開始です。
土も交わる雪の斜面を下っていきました。時々突風が吹いてバランスを崩しそうになることもありました。
気温は上昇傾向なので、雪渓下では雪解け水が流れていました。
広大な砂利の斜面を走り下りていきます。この砂走の下山、かなり楽しいです。
個人的に、富士山の御殿場ルートが、最も下山が楽しい山(ルート)ですね。
(上は別の年に撮った砂走の写真です)
砂埃を巻き上げながら砂利の急斜面を走り下りていくのが爽快です。
12:16
御殿場口の駐車場に到着。登山終了です。
焼肉に関しては強風のため途中終了という結果になってしまい、不完全燃焼感がありましたが…。
久しぶりによく歩け、楽しい登山だったと思います。
GW最終日の晴れた日曜日だというのに、御殿場ルートでは登りでは誰とも会うことがなく、下りでも数名の姿を見ただけ…。
楽しいルートなのに人の姿は何故か少なく、連休中でも静かに富士山を楽しめる御殿場ルートは穴場なのかもしれません。
帰りに立ち寄った山中湖より。
登山の途中から見えていたレンズ雲が発達しています。
この翌日は雨天でした。
富士山での焼肉に必要なギア
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