個人的に選んだ、小川山にあるグレード5.10a~bのルート集です。
長野県の川上村にある、廻り目平周辺の岩場(通称:小川山)。そこには、初心者から上級者まで楽しめる、数多くのクライミングルートが開拓されています。
コレと言って強みもないクライマーである、当ブログの作者が、小川山で登ったルートの中で印象深かったり、楽しかったものを一般クライマー目線でピックアップしてみました。
【小川山】5.10a~bのクライミングルート集
Love or Nothin’(ストリームサイド)
5.10a
ストリームサイドエリアの2階。そびえ立つ岩壁のど真ん中の、弱点をつくように引かれたライン。
ホールドはほとんどがガバ(と大きな縦ホールド)で、気持ち良く高度を上げられます。とはいえ、5.10aなりにムーブを考えながら登らなければいけないところもあり、充実感のある一本です。
ピクニクラ(兄岩下部スラブ)
5.10b ボルト&NP 30m
フェイスあり、クラックあり、ちょっとしたハング越えありと、バリエーション豊かな内容の名ルート。
30mという長さですが、色々と表情を変えてくるので飽きさせません。
各ムーブの強度自体はたいして高くないのですが、ルートが長いので適切にレストしないと、上部でヨレてしまいます。
駐車場から近いのでアクセスが良いところも嬉しい。
タジヤンIV(兄岩下部スラブ)
5.10a
取り付きから見上げると、傾斜が緩めな上にボコボコで登り易そう。実際途中まではその通り。
登りやすそうなところを安易に選んで左上すると、ランナウトした上に行き詰まることもあるので注意です。ボルトを追って途中いくらか右へとトラバースするのが正解。
最後のボルトから終了点まではちょっと離れており、ゴール目前では落ちたくない。といっても、ゴール手前がすごく簡単というわけでもなく…。
マガジン(兄岩)
5.10a NP
駐車場から目立つ位置にある兄岩上部の美しいクラック。取りつきとなるテラスへは、兄岩を裏側から回り込むようにすれば到着できます。
核心は既に高度感のある出だし。上へ行くに従い簡単に。あまりクラックっぽいムーブは出てこないです。
クライミングの内容というより、クラックの美しさとルートの見映えがポイント高いです。
岩壁の父(父岩)
5.10b 30m
父岩の広大なスラブの弱点を突くように登る好ルート。
岩の形を見ながら、登りやすそうなところを進んでいくと、途中から自然に左へと進んでいくことになります。
程よくテクニカルで、上部からの眺めも良く爽快。すぐ近くにある小川山物語とともに、駐車場からよく登っている人を見ることができる、人気のルートです。
カサブランカ(妹岩)
5.10a NP
小川山を代表するクラックの一本。
プロテクション注意と言われているが、中間部のフレアしたクラック、奥の方には安定してカムを噛ませられるところがある。要所要所で落ち着いてプロテクションを決めていくことが大切。
個人的には垂直なクラック本番よりも、序盤の傾斜が緩いとこが登りにくいと思います。まっすぐと上へと伸びる美しいクラックは快適。
クラックが閉じてるとこにある木は思わず掴みたくなってしまう(初登者は木を使う/使わないの両バージョンで登ったとか)。
休日はたいてい誰かが登っている。
カシオペア軌道(妹岩)
5.10b ボルト&NP
印象的な上部のハング。その下にあるスラブには、結構高い位置に、ポツンとひとつだけボルトが光る。最初の一本を取る前に落ちたらどうすんのよ?と思ってしまう。
一本目をハンガーにかけた後、そこからのスラブ部分は結構悪くて、「これで5.10b?」という感じ。グレードが厳しめと昔からのクライマーにぼやいたら、「昔のルートってあんなもんだよね。アップで取り付くつもりがハマっちゃう人も多いし。最近のルートのグレーディングはなんというか…スマート。」だそうです。
下のスラブ部分を抜けても一癖ある、いろんな意味で印象に残るルートです。
卒業試験(姉岩)
5.10b
微妙に寝た傾斜のフェイスを、右に左に蛇行しながら登っていきます。
ボルトに導かれるように進んでいくと、ハングのあるのっぺりした岩の弱点を見事に突いていくのが面白いです。適度に休めるところもあり、バランスとルートファインディングが重要。
ルートの見映えも良く、大好きなルートです。
強火の職人(姉岩)
5.10b ボルト&NP
まず、姉岩のロケーションが良いです。このルートは終了点が岩の頂点なので、登りきると廻り目平周辺の景色が一望できます。姉岩自体、マラ岩よりも一段高いところなので、ここまでたどり着くのがちょっと大変ですが…。
ルート自体は特段難しいところはないですが、一箇所だけカムでプロテクションを取る必要あり(NPなくても行けなくはないが、結構ランナウトします)。
終了点付近がちょっと強引な感もありますが、登りきった後が爽快。
ノイズイノ(屋根岩4峰)
5.10b
顕著なダイクをたどって登るという、見た目からして素敵なルート。下から見上げると岩の傾斜は寝て見えますが、上に行くと意外と立っています。
ダイクを上手く使ってムーブを組み立てていくのが楽しい。小川山らしく、ボルトを足下にして進まなくてはならないところが出てきます。
ラベンダー 1P目(おむすび山スラブ)
5.10a
トポでは2Pですが、1P目だけをショートルート的に登ることが可能。
取り付きがガバでパッと見登りやすそうな印象ですが、チョット登ると途端に手がなくなり、緊張感を伴うマントル返しを行う羽目に。
ボルト間隔が遠い箇所もあり、5.10aという割には怖い気もするけど、小川山のクラシックな5.10aはこんなもんといえばこんなもん。
できたら初トライはリードがおすすめです。
精神カンテ(ひょっとこ岩)
5.10a
やや地味な印象のある、ひょっとこ岩というところにあるルート。ダイクを使って登ったり、ガバを掴んで露出感のある箇所をよじ登ったり、ちょっとスラビーな箇所があったりと、バリエーション豊かなクライミングが楽しめます。
ひとまず岩を直上したところに終了点がありますが、本来の終了点は岩の頂上部を少し歩いた先?
トムといっしょ(八幡沢左岸)
5.10a
八幡沢(ビクターという有名ボルダーの奥)にある岩塔。キャンプ場からは割と近め。
大きなホールドを使ってガシガシ登る、ジムっぽいムーブが特徴。
八幡沢左岸スラブ周辺でクライミングをするのにちょうど良い場所にあり、岩も見栄えするので目立つルートです。
初級者がここ目当てで来るも良し。中級者以上がアップに使うのも良いかも知れません。使い勝手の良いルート。
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