2019年・7月の中旬ごろのスイス旅行で訪れた、ツェルマットからロートホルンヒュッテという山小屋までのハイキングコースが思いの外良かったです。
麓から小屋までの標高差約1600mという長丁場ですが、その景観は苦労に見合ったものでした。行程は長いし日本では知名度も低いし、「万人にオススメ!」というわけではありませんが、素晴らしいルートだったので、この記事を通してシェアできたらと思い写真付きでご紹介していきます。
ツェルマット→トリフト→ロートホルンヒュッテ
ロートホルンヒュッテとは
ロートホルンヒュッテ(Rothornhutte)は標高3198mにある山小屋です。スイスの一大観光地であるツェルマット(Zermatt 1606m)からスタートし、小屋までの標高差は約1600m。
標高3200mほどにあるロートホルンヒュッテからは、迫力あるスイスアルプスの山々を見渡すことができます。
ロートホルンヒュッテは、ツィナールロートホルンやオーバーガーベルホルンと行ったスイスの4000m峰の登山拠点として利用されることが多いようです。
ツェルマットから西側に連なる山塊上部にある、高所の小屋。
それでは、麓のツェルマット(1606m)から、ロートホルンヒュッテ(3198m)までの道を、景色を楽しみながら歩いてみましょう!
ツェルマット出発
ホテルでの朝食が7:30~だったため、朝食を終えてからホテルを出たのが8:30。
行動中にエネルギー切れを起こさないよう、普段より多めに、胃の中に食料を詰め込んでおきました。
ツェルマット市内に散見されるハイキングトレイルの道標を頼りに、まずはロートホルンヒュッテへの通過地点であるトリフト(Trift 2337m)を目指します。
道中の分岐点には、上記のような道標が必ずといっていいほど出てくるので、(目的地がハッキリしている場合は)道迷いの心配は少ないです。今回のルートでは、まずはAlterhaupt Edelweiss, Triftの表記に従って登っていけば問題ナシ。
ツェルマット市内から少し上がったところにある高台からの眺めは素晴らしいです。
奥には(スイス領内に山体がすべてある山の中では)最高峰のドム(Dom 4545m)が見えています。
ツェルマット市内の展望に優れた高台のエリアを抜けると、なんとなく日本を思わせるような樹林の歩きに突入です。
樹林帯のトレイルは、一度トリフト渓谷の近くを通過した後、つづら折れの登りに突入していきます。少し息が上がりますが、まだまだ序盤戦。
途中、エーデルワイス小屋直下の切り立った岩壁のところにフリークライミング用のハンガーボルトが打ってあるのを確認(写真では分かりにくいですが…)。
フリークライミング用の装備を持ってきていたら、ちょっと触ってみたかったです。
エーデルワイス小屋
Alterhaupt(1961m)という、ツェルマット市内を眼下に一望できるところに建っているのがエーデルワイス小屋。
ツェルマットから1時間ほど歩いてきたので、ここらで一息入れることにします。「No Picnic(意訳:小屋でなんか買ってけ)」という標識があったので、休憩は手短に。
スイスのスーパー、MIGROSで買った『スイカ味のお茶』。1Lの水に溶かして飲みます。甘くて意外と美味しい。
自分のザックの中にしまっておいたサラミの匂いを嗅ぎつけた模様。申し訳ないですが、サラミは大事な酒のツマミなので譲れません。
トリフト渓谷~トリフト小屋
エーデルワイス小屋で一休みを入れた後、次の目的地であるトリフト(Trift 2337m)へ。
エーデルワイスからトリフトまでは、渓谷沿いの道を歩いて2時間半ほどの行程です。
美味しそうな沢水があったので持参したストローで味見してみました。そこそこ冷えてて美味しかったです。生水の安全性?知らん。
渓谷に刻まれた道を登り切ると、平地に到着。トリフト小屋(Hotel du Trift 2337m)に到着です。小屋の背後には4000m級の山々と氷河が見えています。
トリフトまで上がってくると、ロートホルンヒュッテへの標識が出現します。
ちなみに一般トレイルは黄色の標識。アルパイントレイルだかアドバンストトレイルだかは、青の標識です。ロートホルンヒュッテは青の標識。
天国のような高地
トリフトでしばし休息を取ってから、ロートホルンヒュッテを目指しての歩行を再開します。
登山電車が走り、観光客であふれるゴルナーグラートとは打って変わって、ロートホルンヒュッテへの道は、脚で標高を稼がなければならないために訪れる人の数はぐっと少なくなります。
振り返れば万年雪を抱いた4000mの山々が見渡せ、あちこちに高山植物が咲き誇るこの場所は、さながら天国のようです。
すれ違う人の数もまばらで、この景色を独占しながら歩けているようで、非常に贅沢な気分でした。
尾根の登り
トリフトからはしばらくなだらかな登りでしたが、モレーン(氷河によって形成された砂利や小石の丘みたいなもの)を巻くように上がってからは、徐々に緑も少なくなり、それに伴いトレイルも厳しくなります。
ロートホルンヒュッテへ
尾根に乗ってからは急に植物も少なくなり、快適だったトレイルの足元も、ガレた不安定な箇所が時々出てくるようになります。
終盤には残雪を横断する箇所も出現しましたが、照りつける太陽によって雪はグサグサになっており、滑落の危険もないような場所だったのでアイゼンの必要性は感じませんでした。
雪の状況は時期によって変わってくる可能性はあります。
麓のツェルマットから標高差にして1600mほどの登り、ついにロートホルンヒュッテ(3189m)に到着しました。事前に予約を入れておいたので、今晩はこの小屋に泊まります。
ロートホルンヒュッテの様子については、以下の記事にまとめています。
スイスであると便利なモノ
スイスは物価が高いので、飲料水の節約に使用していました。ツェルマットでは教会前にあるマーモットの噴水で、よく水を汲んでいました。
現地ではトレッキングポールの使用率が高かったです。スイスでは整備されたハイキングルートが多いので、トレッキングポールが使いやすいです。
天気が良い時は連日歩いていたので、疲労回復のアミノ酸サプリがあるとウレシイです。アミノバイタルはお値段高めですが、小分けにされていて旅行には使いやすい。日本ではXtendのBCAAを使用していますが、スイスではあえて(コスパのことは考えないようにして)アミノバイタルを持参。
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