パタゴニアのテクニカルフリースであるレギュレーター(R)シリーズ。その中でも定番であるR1とR2。
どちらの素材も甲乙つけがたい、優秀な高性能のウェアです。
今回は、パタゴニアを代表する定番フリースであるR1とR2、1着だけ買う場合はどちらが良いのかを考えてみたいと思います。
パタゴニアフリース、R1とR2どちらが買いなのか
R1とR2スペック・特徴について比較
R1とR2の違いは、基本的には保温性能の差です。単純に保温力を言えばR1<R2です。
しかし、保温力以外の性能差もあるので、単純に暖かい方を選べばいいというわけではありません。まずは、R1とR2の特徴を見てみましょう。
R1の特徴
『R1プルオーバー』
冷涼な天候下のアクティビティで保温性と快適さを提供する、これなしでは出かけられないというほど定番のシンプルな中間着
- 独自に開発されたポーラテック・パワー・グリッド素材(ポリジン永続的防臭加工済み)は軽量で通気性に優れ、抜群の伸縮性と耐久性を提供
- 位置をずらした肩の縫い目により、バックパックのストラップの下でも快適
- 長めのフロントジッパーは、ぴったりと閉じるソフトな縁取り付きのジッパーガレージによりあごに快適な肌触り
- スリム・ジップを採用した左胸のポケットはジッパーガレージとメッシュの裏地付き
- 温かさを閉じ込める、非常にソフトな縁取りで仕上げた袖口と裾
- 332 g (11.7 oz)
R1に使われているのはグリッド(格子状)構造のフリース生地で、かいた汗を素早く拡散・放出することができます。その結果、肌はドライに保たれて汗冷えを防ぐことができます。
非常に通気性の高い素材でもあるため、高強度の運動でもオーバーヒートしにくく、着続けて行動する場面に向いています。
また、R1は薄手のフリースですが、見た目以上に暖かく、耐久性があります。
R2の特徴
『R2ジャケット』
パタゴニア・レギュレーター製品の中で最もコンパクトに収納でき、格別な通気性、速乾性、寒い天候下で保温性を発揮する究極の中間着
- 通気性、吸湿発散性、速乾性と格別な保温性を提供しコンパクトに収納できるニット構造のポーラテック・サーマル・プロ素材
- 両脇に使用したポーラテック・パワー・グリッド素材のパネルはフィット感と通気性、耐摩耗性を向上
- テクニカルなカット。脇の下のパネルとラグランスリーブにより動きやすく、アウターやパックの下でも快適
- ジッパーは超音波とステッチによる縫い目を採用しかさばりを抑え柔軟性を向上。あごへのあたりがソフトなジッパーガレージ付き
- 2つのハンドウォーマーポケットと左のチェストポケットはスリム・ジップを使用。内側に2つのメッシュポケット付き
- 伸縮性を備えた袖口は温かさを閉じ込め、前腕をしめつけることなく袖をまくり上げやすい
- 380 g (13.4 oz)
R2の起毛したフリース生地は、多くのデッドエア(身体から放出された熱をキープする空間)を生み出し、非常に暖かいです。
通気性があるため熱がこもりにくく、暑くなったらアウターのジッパーを開けることで、こもった放出することができるので、体温調整も楽です。
ダウンと違って濡れにも強く、すぐに乾くのもポイント。
どんな場面で役に立つのか
山のブログ『のぼるひと』の作者・ディーアイが考える、R1とR2の活躍の場面をそれぞれ挙げていきたいと思います。
R1の活用場面
程よい保温性を持ち、高い通気性からオーバーヒートを防いでくれるR1は、涼しい夏山で一枚羽織るものが欲しい時には保温着に、寒い冬山の環境下では行動中に着っぱなしのウェアとして、オールシーズン活躍しています。
R1素材のジャケットは、1枚持っておけば夏の高山での保温着として、春山・秋山の朝の行動着として、冬山で過ごす一日で着続けるウェアとして使えます。思ったよりも丈夫でストレッチ性もあるので、肌寒い季節のロッククライミングの時にもよく着ています。
汗を素早く吸い上げて発散してくれるので、嫌な汗のこもりがなくて、行動中にウェアが快適な体温を保ってくれるの感じ。着心地が良くて、暑すぎも寒すぎもせず、多少汗をかいてもほっとけばすぐ乾くウェアなので、気づくとずっと着っぱなしになっています。
あまりにもヘビーローテーションするので、R1は最初にジャケットタイプを持っていたのですが、R1フーディ、R1プルオーバと追加購入してしまいました。
R1の欠点
R1ジャケットは速乾性、通気性に優れた高機能のウェアではありますが、使用するのに少々の注意点も。
R1は見た目以上に保温力はありますが、抜群の保温性があるとは言えないところがあります。
夏でも3000m級の稜線でのご来光待ちや夕日の場面などで、R1と上にレインウェア(ウインドシェル)を着るだけでは寒いと感じる事が時々あります。
春、秋、冬は勿論のこと、夏山でも高山に泊まる場合、R1だけではなく薄手のダウンジャケット等の保温着も一緒に持っていったほうが良いですね(寒さの感じ方には個人差がありますが)。
R2の活用場面
起毛したフリース生地が特徴のR2ジャケットは、高い保温性が特徴です。
夏山でも高山帯では朝晩気温ヒトケタということが多いので、そんな時にはR2ジャケットが優秀な保温着(ダウンジャケットの代わり)となります。
ダウンと違ってウェットな環境にも強いので、雨の多い日本の山でも安定した性能を発揮できるのも良い点。長期縦走の際、ダウンジャケットは突然の雨で濡れてしまうと保温力がなくなってしまうので、私はR2を保温着として選択しました。
また、冬山では抜群の保温力をもつR2は、行動着兼保温着としても使っています。R2の上から更に薄手のダウンジャケット等を羽織れば、結構低い気温まで対応できます。
R2の欠点
R2は確かに保温力が高いですが、裏を返せばR2では保温力が高すぎて、暑すぎると感じることもあります。
停滞している場合は、R2の高い保温力が役に立つことが多いのですが、行動中に着るとなると、冬山でも歩いていると暑くて汗をかいてしまうことが時々あります。まぁ、冬なら行動着として使えたりもするんですが、夏山で行動中に着るにはあまり向いていないような気がします。
一応アウターのジッパーを開けて体温調節することもできますが、行動中の快適さを考えると、R1に軍配が上がる感じです。
どっちが買いか
R1とR2、どちらも甲乙つけがたい優秀なウェアなので…
できるなら両方買って、山行によって使い分けることをおすすめします。
しかし、決して安くないウェアですし、どちらか1つを買うと言うのなら…
個人的にはR1の方を勧めますかね。春夏秋冬、オールシーズン、何かしら活躍してくれるウェアなので、山では一年中使えます。ヘビーローテーション間違いなしです。
しかし、R2も捨て難い魅力を持っているのも確か、フリースに何を求めるかによって、何を買うべきか決まってくるでしょう。
行動中、肌寒い時とかの体温調整に、積極的に着たいならR1。
夏山の長期縦走で、朝晩の寒いときに1枚だけ保温着を持っていきたいならR2。
汗っかきな人は、行動着ならR2よりR1。
逆に寒がりな人が寒いところに行くなら、R1では寒いかも知れないので、R2をおすすめします。
山での激しいアクティビティを好むのならR1。
稜線での夕日やご来光をゆっくり楽しみたいならR2。
できたら両方買いましょう!
メンズ・R1プルオーバー・フーディ
レディース・R1フルジップ・フーディ
メンズ・R2ジャケット
レディース・R2ジャケット
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