Patagonia(パタゴニア)を代表する製品といえば、フリース。そのフリースの中でも特に名作と言われているのが、R2ジャケットです。
パタゴニアからは近年、ナノエアジャケットやマイクロパフなど、化繊保温ジャケットの新作が続々とリリースされ、以前と比べるとパタゴニアフリースの存在感は薄くなった感はありますが…。アウトドアにおいてフリースは、まだまだ利用価値の高いアイテムです。
2011年に名作との評判を聞きつけ購入したR2ジャケット。噂に違わぬ素晴らしい性能で、登山でのマストアイテムになりました。
それから月日は経ち…2018年。追加購入した2018年モデルのR2ジャケット。数年前のR2と比べて細部がアレコレと進化しているのに驚きました。
年々改良を重ねるパタゴニアを代表するフリースジャケットについて、今回は取り上げていきます。
Patagonia R2 Jacket
【写真】左側のグレーが2018年モデル。右側の茶色が2011年モデルです
R2ジャケットとは
パタゴニア・レギュレーター製品の中で最もコンパクトに収納でき、格別な通気性、速乾性、寒い天候下で保温性を発揮する究極の中間着
R2ジャケットはPatagonia(パタゴニア)社が発売しているフリースジャケットです。
ポーラテック・サーマル・プロという特に保温性の高いフリース素材が使われており、動物の毛皮のように起毛した見た目が特徴的。
軽量ながら非常に高い保温性を持ち、濡れにも強く、タフに使えることから、アウトドアで使うフリースの定番アイテムとして有名です。
R2ジャケットの用途
R2ジャケットは、山でのアクティビティで、オールシーズン活躍します。
夏の時期は高山帯の保温着として、寒い季節では保温着または中間着として着用できます。
夏(暑い時期)
夏山登山で、R2ジャケットは保温着として活躍します。
標高3000m近い日本アルプスの稜線では、朝晩は特に冷え込み、場合によっては薄手のダウンが欲しくなるほど。
その一方で日本の夏山では雨が降ることが多く、衣類や装備が雨で濡れてしまうことも多々あります。
ダウンジャケットは濡れると保温性が著しく低下してしまうのが欠点です。その点フリースは濡れてもすぐ乾くので、水濡れをあまり気にせず使えるというメリットがあります。
高い保温製を持つR2ジャケットは、ウェットコンディションになることが多い夏山で、ダウンの代わりの保温着として活躍します。
冬(寒い時期)
冬山では行動中の中間着として、R2ジャケットは活躍します。
厳しい寒さの中では、アウタージャケットの下にR2を着ることで、起毛したR2のフリース生地が暖かい空気を蓄え体温の低下を防ぎます。
また、R2ジャケットは保温性だけでなく通気性にも優れているので、行動中に暑くなってきた場合、アウタージャケットのジッパーを開けることで、こもった熱を一気に放出させることが可能です。
R2ジャケットに防風性はほぼありませんが、そのおかげで素晴らしい通気性があり、寒い環境では防風性のアウターと組み合わせることで、容易な体温調整が可能となります。
R2ジャケットの比較(2018年と2011年モデル)
ディーアイが所有しているR2ジャケットは、2018年モデルと2011年モデルです。同じR2ジャケットですが、細部に改良が加えられており、より良いモノを作りたいというメーカーの姿勢を感じることができます。
それでは以下に2018年モデルのR2ジャケットと、2011年モデルのR2ジャケットの細部を見比べてみましょう。
2018年モデルのR2ジャケット。アウター(シェル)の下に着ることを前提としたデザインのため、体のラインに沿うスリムフィットとなっています。上に着るシェル(アウター)も細身のものにすれば、強風によるバタつきを防ぎ、山でのクライミング時でのムーブの妨げにもなりません。
山でのアクティビティを想定したスリムフィットのカッティングです。
2011年モデルのR2ジャケットはレギュラーフィット。若干のゆとりがあるカッティング。山で活動することを考えると、フィットには若干のもたつきがあります。
肘や胴体のサイド部分にはストレッチフリースが採用されているので、動きやすいです。最新モデルと比べると見劣りしている感はありますが、2011年モデルでも、十分に高機能なウェアです。
2018年モデルR2ジャケットの首周り。ピタッと首に沿うようなカッティングで、冷気の侵入シャットアウト。襟の内側が起毛素材になっており、保温力が高いです。
寒い時期には首周りから熱が逃げやすいので、この部分の作り込みは大事。
2011年モデルのR2ジャケットの首周り。首の周囲には隙間が空いており、正直この部分のフィット感はイマイチでした。
サイド部分は通気性に優れたグリッド状のフリースを使用。特に熱のこもりやすい脇周囲では、通気性が一段と高い素材が使われていることにより、効果的な排熱が期待できそうです。
こちらは2011年モデルのR2ジャケットサイド部分。ストレッチ性のあるフリース素材でした。
胴体部分に着目してみると、2011年モデルのR2ジャケットはステッチ(縫い目)のラインが多く入っています。反面2018年モデルはスッキリとした印象。
動きを妨げないよう、立体裁断を行うための縫い目でしょうか。ステッチ部分が少なくなり、体のラインに沿うスリムフィットの2018年モデル・R2ジャケットですが、動き難さは全くありません。
大々的にアナウンスされているわけではありませんが、数年ぶりに購入したR2ジャケットは、細部が着実に改良されていました。
実際に山で使うとなると、この一見すると微妙な進化は、無視できないほど大きなものに感じます。特に厳しい環境で使う場合は。
着実に製品を進化させていくパタゴニア。これからも目が離せません。
Amazonや楽天でも買えますが、年式が古かったりすることもあるので注意です。
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