パタゴニアの化繊保温ウェア、マイクロパフジャケットを購入し、実際に使用してみたので、その感想などを書いてみました。
パタゴニアの名作ジャケット、ナノパフジャケットと同等の保温性を持ちながら、更に軽量化された高機能ウェアの紹介です。
Patagonia Micro Puff Jacket
パタゴニア・メンズ・マイクロパフ・ジャケット
身長168cm、体重約62kgの当ブログ作者・ディーアイはXSサイズを着用。
スペック
メンズ・マイクロ・パフ・ジャケット
ダウンを進化させたようなパタゴニア製品の中で重量に対する保温性が最も高い革新的なジャケットです。インサレーションに使用した画期的なプルマフィル(65グラム・ポリエステル100%)は驚異的な軽さでコンパクトに収納でき、ダウン級の保温性を提供しながら、濡れても熱を逃さない化繊の特長を発揮します。
通常化繊の中綿は、ダウンと違って濡れに強いという特徴がありますが、保温力はどうしてもダウンよりも劣っていました。
パタゴニアのマイクロパフで新たに投入された『プルマフィル』という素材は、化繊でありながらダウン並みの保温力を持つということです。
プルマフィル採用により、ダウンジャケット並みに軽量でありながら、ダウンと違って濡れても保温力が落ちにくいという、素晴らしいウェアが誕生しました。
濡れると保温性が落ちてしまう故に、扱いに少々気を使わなければいけないダウンウェア。濡れに強いけどラフに扱えるのが利点の化繊ウェア。アウトドアをやっている人間としては、「ダウン並みの保温力がある化繊の保温着が出てくれれば…」とずっと願っていたのですが、マイクロパフはその願いを叶えてくれるジャケットになりそうです。
メンズ・マイクロパフ・ベスト。162g
メンズ・マイクロパフ・ジャケット。235g
メンズ・マイクロパフ・フーディ。264g
マイクロパフはベストとジャケットとフーディの3パターンが展開されています。どれを買ったらいいのか少々迷いましたが…今回はジャケットを選択。
ベストは個人的にあまり好みではないので最初から除外。残る選択肢はジャケットフーディでしたが、フーディはフードがある分、パッキング時には嵩張ってしまいます。
マイクロパフはダウンばりの軽量ジャケットです。ミニマムにパッキングしたいという思いがあったので、フーディよりも軽量・コンパクトなジャケットタイプにしました。
保温力を考えると、頭を覆える方が暖かいので、寒がりの人や寒い環境で積極的に使おうと考える人にはフーディもおすすめです。とことん軽量・コンパクトを追求したい人にはベストという選択肢もありかも。
詳細ビュー
身長168cm、体重62kgで、XSサイズを着用した画像。
サイズはレギュラーフィットで、中間着としても、アウター(シェル)の上からでも羽織れる絶妙なサイズ感です。
裾と袖口はゴムコードが通してあり、風の侵入を許さないようピタッとしたフィット感。締め付けは強くなく、窮屈さは感じません。
手袋をしていてもジッパーの開閉がしやすいよう、ジップには細引きのつまみが付いています。
手袋等が冷えないよう収納できるインナーポケットが2つ付いています。
ジップを少し開けたところ。襟周りにコシがあるので、ジッパー最上部が顎に当たって少し鬱陶しい感じ。ナノパフではこんなことはなかったのですが…。
この辺の絶妙なフィット感が許せないタイプの人は、店で試着してから買うことをおすすめします。
首周囲のフィット感は、正直言うと微妙です。今後のモデルで改良されることを願います。
ジャケット本体はハンドウォーマーポケットに収納可能です。
マイクロパフジャケットが使える場面
山の中は朝晩気温がぐっと下がります。日が落ちてからの食事や、快適な睡眠を取るためには保温が必要。保温力のあるマイクロパフを着ていれば、寝袋の保温性が多少低くてもカバー可能ですし(もちろん限界はありますが)。
マイクロパフ・ジャケットは高い防風性も備えています。化繊なので行動中に多少汗をかいてしまっても、すぐ乾きます。
気温-10℃、風速12m/s程度の環境で使ってみましたが、この程度の環境ならマイクロパフをアウターとして着て行動していても快適です。
夏山でも3000m級の稜線上では、気温ヒトケタということもざらにあります。春、秋、冬にはもちろんもっと気温が下がります。
高山でのご来光待ちは寒さとの戦いなので、ダウンのように保温力のあるジャケットは必須です。
雪の降る環境で、シェル(ゴアテックスのジャケット)の上からでも、レギュラーフィットのマイクロパフはサッと羽織れます。降雪中、ジャケットの中に保温着を着るとなると、中が濡れてしまいます。アウターの上から着れる保温着は、このような状況では便利です。マイクロパフの表面はDWR(耐久性撥水)加工がされていますし、中綿の化繊は多少濡れても保温力は落ちません。
クライミング中、登っている人は暑くなりますが、ビレイ(ロープによる確保)している人は基本的にじっと立っていることになります。寒い時期のビレイは、結構身体に堪えます。
そんな時にはマイクロパフジャケットが活躍。手軽に洗える化繊の素材なので、チョークが付いて汚れてしまってもすぐ洗える点が、クライミング向きと言えます。
マイクロパフジャケット、自宅でも活躍しています。ディーアイの住んでいる信州は寒いです。暖房の効いていない部屋で何かやる時には、マイクロパフジャケットを着ていたりします。
マイクロパフはナイロン製のシェルと、ポリエステル製の中綿で速乾性があるので、洗濯機にブチ込んで選択してもすぐに乾きます。
カレーうどん等を食べて、万一汚してしまったとしても、パパっと洗えるのは心強いですね。
ナノパフとの比較
パタゴニアの名作、ナノパフ(ジャケット)との比較です。
ナノパフは洗える化繊の中綿をもつ保温ジャケット。高性能なプリマロフト・ゴールドという化繊を使用。プルマフィルほどではないですが、プリマロフトも高い保温力を持つ中綿です。
ディーアイはナノパフが大好きなので、2着持っています(追記:後に1着手放しました…)。
街、山、クライミング等でナノパフとマイクロパフを着比べた結果…
保温力はナノパフ、マイクロパフはほぼ同等です。
着心地はナノパフの方が若干柔らかくて好み。
重量(軽量性)に関してはマイクロパフに軍配が上がります。
ナノパフジャケット(337g)、マイクロパフジャケット(235g)
スペック的にはマイクロパフの方が優れたウェアと言えますが、ナノパフでも十分に高機能です。
マイクロパフの方が軽いと言っても、たかだか100gぐらいの差ですし…。
パッキングサイズの比較。
ナノパフはジャケットを持っていないので、プルオーバー。マイクロパフジャケットとの収納時の大きさ比較です。
マイクロパフはナノパフの約2/3の重量なので、すごく小さくなりそう…と期待していましたが、収納した後のサイズ的には大して変わりませんね。このへんは少々期待はずれです。
マイクロパフに採用されている中綿のプルマフィルは、高い保温性を持つ代わりにコシというか弾力が強い素材なのでしょう。そのせいで、それほどコンパクトにはならないのでしょうね。
ナノパフとマイクロパフ、両方持っていない場合、どちらを買うかと言えばより高機能なマイクロパフをおすすめします。
ただし、マイクロパフのほうが値段が高いので、予算の都合でナノパフにしても全然OKだとは思います。デザインや着心地でナノパフを選ぶのもアリですね。
ナノパフをすでに持っている場合、余程軽量化に命をかけている場合でない限りは、マイクロパフを買い増すメリットはそれほどないようにも思います。
街着としてはどうか
街着として考えた場合、東京・名古屋などの都市部で着る場合、中にロンT一枚着ていれば、マイクロパフの保温力であれば真冬に着ても大丈夫だと思います。
ただし、当ブログ作者のディーアイが住んでいる信州・諏訪地方においては、真冬に着るとなると少々保温力不足です(中に保温力の高いフリースなどを着ればなんとかなる)。
寒冷地では、マイクロパフは晩秋や早春のアウターといった印象です。
シャツの上にマイクロパフを羽織る場合、気温が-5℃とかになってくると街着としては辛いかな、という感じですね(寒さの感じ方には個人差がありますが)。
良いこともイマイチな点もいろいろ書きましたが、マイクロパフジャケットは素晴らしいウェアです。
軽量でありながら高い保温性があり、程よい保温力からオールシーズン活躍します。
ダウンと違って手軽に洗えるメンテナンス性も魅力。
値段は高いですが、高いだけはあります!
メンズ・マイクロパフ・ジャケット
レディース・マイクロパフ・ジャケット
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