私はコンビニエンスストア(以下コンビニ)のデイリーヤマザキに対しては特別な感情を抱いています。個人的にコンビニの品揃えはセブンイレブンが好きなのですが、品揃え等を超越したところにある情というか愛着というか、とにかくコンビニの中ではデイリーヤマザキに対して、特別な感情を抱いているのです。
いつもありがとう、デイリーヤマザキ。
デイリーヤマザキというコンビニについて
デイリーヤマザキとは
デイリーヤマザキは、ヤマザキ製パングループが運営しているコンビニエンスストアチェーンです。2019年の店舗数は約1300軒、日本5位。
日本5位というとなにやら凄そうですが、2019年度のコンビニ店舗数ランキングで言えば
1位:セブンイレブン 約20,000軒
2位:ファミリーマート 約16,000軒
3位:ローソン 約14,000軒
4位:ミニストップ 約2,000軒
5位:デイリーヤマザキ 約1,300軒
となっており、上位3のコンビニ(セブン、ファミマ、ローソン)と比べると、勢力的に4位以下のコンビニの店舗数は割合がかなり少なくなっています。
デイリーヤマザキの特徴はなんと言っても、『秘境のコンビニ』というところだと個人的には思っています。
例えば、岐阜県側から上高地に向かう際に、最後にあるコンビニはデイリーヤマザキでした。同じように、尾瀬へ向かう際の最終コンビニもデイリーヤマザキ。
上で例を挙げたように、デイリーヤマザキは山深いエリア、田舎の道沿い、つまり流通の悪い偏僻な場所に存在していることが多く、登山などを目的として山へと向かう場合、自然とデイリーヤマザキを見る機会が多くなってくるのです。
恐らく流通の関係などで他のコンビニ勢力が二の足を踏む中、悠然と大自然(田舎の道沿い)に根をおろしているコンビニ、それがデイリーヤマザキ。
その道を通りかかるのが朝早かったり、(車中泊目的で)夜遅かったりする登山者にとって、24時間営業しているコンビニはありがたい存在です。その中でも、比較的山奥のエリアに存在するデイリーヤマザキは、まさに登山者にとって最初で最後の補給所でありオアシスなのです。
私とデイリーヤマザキ
私が岐阜県に住んでいた頃、車を運転して北アルプスに足繁く通っていました。
かつての家は、岐阜県にあるとは言っても愛知県に近いところで、北アルプスとはそれなりに距離があります。頻繁に行くため高速料金を節約したくて、岐阜県側から北アルプスに向かう時にはいつも下道を利用していました*1
岐阜県の南の方とか、名古屋エリアなどから下道で北アルプスへと向かう場合、『国道41号線』を通ります。美濃加茂市あたりから延々と山間の一本道を走ります。その当時、道路脇にあるコンビニはほとんどがデイリーヤマザキ。つまり、国道41号線を走って上高地あたりまで行くとなると、コンビニに寄る=デイリーヤマザキに入るということになりました。
当然最終コンビニはデイリーヤマザキ(高山丹生川店)。最後に行動食等を補充したり、お酒を買い足したり、朝食を買ったり、山行後に空腹を満たしたりと、デイリーヤマザキ高山丹生川店には大変お世話になった記憶があります。
山に明け暮れた20代の若き時代、仕事を急いで終わらせ山へ向かう。日が落ちて暗い中、国道41号を運転し、デイリーヤマザキで休憩しつつホッと一息を入れるという、一連の「生活行動」は私の記憶の中に深く刻まれています。
※2019年10月5日、この記事を書くために参照したら、デイリーヤマザキ高山丹生川店は閉店しているという事実を知って泣きそうになりました。デイリーヤマザキ高山丹生川店、いままでありがとう。
失われつつあるデイリーヤマザキ
群雄割拠していたコンビニの世界も、強いものは生き残り、弱きものは駆逐され、成熟(というか飽和)状態となってきています。現在コンビニ業界はセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンという三大勢力が大きな存在感を示しており、まさに三国志状態。
am/pmとかココストアとか、サークルKなど、かつて存在したコンビニたちは戦いに敗れ、この世から姿を消していきました…。
先程話に出した岐阜県の『国道41号線』沿いは、一昔前はコンビニと言えばデイリーヤマザキのほぼ独占状態(他には数件のサークルK)でした。ですが、今はコンビニの列強であるローソンが、デイリーのある通りに新規店舗を出してきたりして、デイリーヤマザキが切り開いた境地に侵攻を仕掛けてきています。
デイリーの欠点。ちょっと狭い、商品ラインナップがイケてない、(店によっては)品揃えが悪い、トイレなどの設備が古いことが多い…とか。オシャレなローソン等が攻め込んできたら結構ピンチです。
当ブログ作者が現在住んでいる長野県・諏訪エリアには、引っ越してきた数年前には(私の行動範囲内に)3件のデイリーヤマザキが存在していましたが、気づけば2店が閉店していました。日本全国のデータで見ると、1994年には店舗数が2500軒に達したデイリーヤマザキは、2019年現在は約1300軒と、大幅に数を減らしています。
日本におけるコンビニの多様性は失われつつあるのが実情です。
私たちにできることは
デイリーヤマザキは、都市部ではあまり存在感のない(ちょっとイケてない)コンビニかも知れませんが、秘境に存在するというその特性上、登山者など山を好む人間にとっては、最後(または下山後最初)の補給場となるためとても貴重で大切な存在です。
コンビニ三国志時代において、列強三大コンビニ(セブン、ファミマ、ローソン)の圧倒的パワーの前に揺さぶられるデイリーヤマザキ。
山を愛する皆の力で、秘境のオアシスであるデイリーヤマザキを守護(まも)っていこうではありませんか。
★登山前・後にデイリーヤマザキをなるべく利用するようにしましょう。
★デイリーヤマザキの収益が増えるよう、たくさん買い物をしましょう。
★デイリーヤマザキの大いなる存在価値を周囲に吹聴しましょう。
列強との生存競争に敗れ、多様性が失われつつある日本のコンビニ業界…
三大勢力(セブン、ファミマ、ローソン)もナウくて良いですが、それ以外のコンビニにも素晴らしい個性があるのです。
消えつつあるコンビニの多様性。その多様性を守護(まも)れるのは私たち一人ひとりの選択にかかっています。
デイリーヤマザキに栄光と繁栄あれ。
あ、時々はタイムリーのことも思い出してあげてください…。
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*1:高速を使ったとしても、郡上経由となるので高速代金を思うと時間的にあまり短縮にはならなかったというのも理由。