登山道具好きです。
年間結構な金額が、アウトドア用品を買うために飛んでいきます。
街で着るための服なんて数年間買っておらず、山でも街でも通勤でも、着ているのはいつもアウトドア用(アウトドアブランド)のウェアです。
そんな自分が、アウトドア用のウェアについて適当にダラダラ語ってみたのが今回の記事です。
独断と偏見で語る、登山用のウェアについて
レインウェア(カッパ)
一般用のいわゆるビニールカッパと、アウトドア用のカッパの大きな違いは透湿性の有無(雨は弾くが汗は発散する機能)。
透湿性があるといっても、完全に蒸れないというわけではなく、ビニールカッパと比べたら天と地ほどの差だけど、暑けりゃ普通に汗を掻く。でも、雨に濡れるよりはマシ。そんな時に着るのがカッパ。
H2NO(パタゴニア)、エバーブレス(ファイントラック)、ハイベント(ザ・ノースフェイス)など、各社から防水透湿性素材がリリースされている。が、ゴアテックスを素材としたレインウェアのシェアが大きく、各社の独自素材はゴアテックスのウェアと比べるとレビュー数も少ない。カタログやレビュー記事を見比べて比較するタイプの人は、困ったら最終的に「信頼と実績のゴアテックスで…」と無難な選択になることもしばしば。
ハードシェル
主に雪山などで使用される完全防水のウェア。
完全防水のウェアがハードシェルに含まれるとなると、アウトドア用のレインウェアもハードシェルと言っていいのかも。その辺の定義の解釈は人による…のか?
「ゴアのカッパは強い風が吹いたら寒かったけど、ハードシェルに替えたら風を完全にブロックしてくれる気がする」(友人Yより)
という意見もある一方、友人Hは好○山荘オリジナルブランドの安いゴアカッパを着てヨーロッパアルプスのモンブラン(4810m)登頂してたので、カッパだかハードシェルだとかグダグタ言ってないで身体鍛えるのが安全への近道。
ちなみにハードシェルは表面が少しザラザラとしていて、表面がツルツルなのがカッパ(レインウェア)。雪山で滑落した時に、「表面がザラザラしているハードシェルは滑落を止めるのに役立つ」ということらしいですが、落ちたら死ぬところで滑落したらどうせ止まらないので、表面処理なんて所詮オマケ機能というのが私見。滑落しないように行動しましょうとしか。
ソフトシェル
完全防水なのがハードシェル。ソフトシェルは完全防水ではないですが、撥水性と防風性があり、ハードシェルよりも通気性に優れているのが特徴(汗がこもりにくい)。また、ハードシェルよりもしなやかで着心地も良いです。アウターを着っぱなしでもオーバーヒートしにくく、防水性がそこまで重要でない冬山で、ソフトシェルは活躍の機会が多い。
ハードシェル=高機能カッパ
ソフトシェル=高機能ジャージ
みたいな印象があるので、街着にするならソフトシェル。
完全防水ソフトシェルというのが一部で誕生してる感もありますし、このジャンルは将来的にハードシェルと統合されるのかもしれませんね。
ウインドシェル(ウインドブレーカー)
風を遮るための軽量シェル(アウター)。なければないでなんとかなる(カッパ等orハードシェルで代用可能)ので、絶対必要装備というわけではないのですが、あればあったで何かと便利なウェアです。基本的にペラペラだから軽くて嵩張らないし。山を快適にするアイテム。
そのコンセプトから、軽ければ軽い方が良いような気もしますが、軽くなればそれほどペラペラになって耐久性が犠牲となってくるので、個人的には軽さと丈夫さのバランスが取れたヤツを選びたい。
ベースレイヤー(Tシャツ)
肌のすぐ上に着るウェアなので、速乾性が大切。コイツがなかなか乾かないと、上にいくら着込んでいたとしても、一度冷え切った身体は寒い環境下では温まってきません。
というわけで、綿100%はNG。ロッククライミングなら、そこまでシビアな環境じゃないしOK。
ベースレイヤーは大きく分けて化繊(ポリエステル)とメリノウールがありますが、メリノの方が快適だと個人的には思います。汗をたっぷり吸うのがベースレイヤーなので、臭くなりやすく、臭いが気になる方には特にメリノがオススメ。
でも、メリノのシャツって結構高くて、良いやつは1万ぐらいするんですよねぇ。高品質メリノウールは美味いみたいで、管理が悪いとすぐ虫に喰われちゃいます。
手袋(グローブ)
夏山だったら場合によっちゃ軍手でも十分です。冬山の場合、スーパー重要なアイテム。
冬山だと、汗冷え→凍傷のコンボがあるので、特に手汗っかきは冬山で使用する手袋の選択は超重要。単純に保温性が高ければ良いというのでもなく、汗が残ると汗冷え→凍傷なので、透湿性(汗抜け)も重要項目。有名ブランドの手袋なら大丈夫かと思えばそうでもなく、一万数千円のグローブがダメダメ製品だったという悲しい話も。
冬山で使う手袋には、今までで数万円投資しました。今はラックナーウール+ゴアのアウターと、モンベルのトレールアクショングローブを使い分けるという方法に着地しましたが、手袋選びに関しては、本当に悩みが尽きない…。
ダウンウェア
最も暖かいアウトドアウェアは、現時点では中綿にダウンを使用した製品です。 ボックス(袋状の構造)の中に封入された羽毛が膨らみ、身体から発せられた熱をキャッチして断熱層を作ることが、暖かさを生み出します。
ダウンの機能を表す指標に、『フィルパワー(Fill Power)』というものがあります。数字が大きければより高品質なダウンということになります。アウトドアウェアに使われているダウンのフィルパワーは、700Fill以上がスタンダード。800Fill以上が高品質、1000Fillが最高品質という認識です。ただし、1000Fillと800Fillを着比べてみても、そこまで違いが分かるというものでもなく…数字が大きければ、まぁ良くはなっているんでしょうが、値段はダウンのフィルパワーが上がると一気に跳ね上がります。
ダウンウェアは、フィルパワーだけに踊らされがち。しかし800Fillと900Fillぐらいの差だったら、フィルパワーよりもダウンの封入量(g)の方が暖かさに影響してくるような気がします。あとは、すきま風が入ってこないようなカッティングとか(コレも結構重要)。
化繊インサレーション
「ダウンよりも機能的には劣るけど、濡れても保温力が落ちにくい」のが魅力なウェア。しかし最近は通気性のある素材や、より保温力の高い素材も出たりして、高機能化が著しいカテゴリです。
ダウンより保温力は落ちるけど、デリケートな扱いが必要なダウンより安心感があるから…と、保温力には妥協して化繊インサレーションを選択する時代は、近々終わりを迎えるかも。高機能の化繊が登場すれば将来的には「濡れるとロフトが潰れるダウンは、アウトドアに相応しくない」と、保温着の中綿は化繊一択になる時代が来るのかもしれません。
フリース
濡れても保温性が落ちにくい化繊インサレーションウェアの高機能化が進み、一時期よりも影が薄くなってしまった感がある保温着・フリース。軽いけど嵩張るのが欠点。
しかし、フリースはまだまだ使えます。
ダウンとか化繊インサレーションは袋の中に綿が詰めてある構造ですが、袋が破れると中身が出てくることになります。摩擦だとか、外的なダメージに弱いのがダウンや化繊ウェア。
その点フリースは、岩に擦れても大丈夫なことが多いし、ラフ&タフに扱えるのが魅力。縦走中とか、沢でジャブジャブ洗って絞って、テントの上にでも干しておけばすぐ乾きます。
パンツ(ズボン)
ストレッチの効くものが脚上げがやりやすいです。岩場や急傾斜を登る時、ストレッチのあるパンツが快適。ただし、ストレッチ素材になってくると、耐久性が少し犠牲になってくる印象。ノー○フェイスのアルパインライトパンツは、「アルパイン」とか名がついている癖に生地が弱すぎ。生地がよく伸びて快適なんですが。
あと、アウトドアウェアは速乾性がウリなんですが、中厚~厚手のパンツは意外にも乾くのに時間がかかります(他のアウトドアウェアと比較した場合)。夏山メインなら、すぐ乾く薄手パンツが個人的にはオススメ。稜線で風が寒かったらレインパンツを上から履けばいいし。
パンツ(アンダーウェア)
各社からアウトドア用のアンダーウェアは発売されていますが、私のメインはユニクロのエアリズム。パタゴニアの高級パンツも持っていますが、体感的にユニクロとパタゴニアのパンツ差は感じません。
どうせ誰かに見せるわけでもないんだし、機能差をあまり感じないなら安い方でもいいじゃないかと思っていたり。
タイツを履く場合はパンツは履きません。
帽子
暑いので夏山では被りません。冬山では何故か頭の形にピッタリと合うミズノのフリースキャップをここ数年愛用しています。
父方・母方の祖父が両方ともハゲで、遺伝的にはエリートなので、夏山でも帽子を被るようになったら…察して下さい。
バラクラバ(目出し帽)
冬山で顔面を凍傷から予防するために必要な物。
「これは!」という製品に今のところ出会えていません。サングラスと併用すると、どうしても息でサングラスが曇ってしまい、視界不良になってしまいます。通気性の良い素材を使用したり、鼻と口のところに通気口があったり、各社いろいろと工夫はしているみたいですが。サングラスが曇らないバラクラバ欲しい。
靴下(ソックス)
アウトドアで使う靴下は、一部例外(沢登り)を除いて『メリノウール』一択です。
山で一日中靴を履き続けると、ゴアテックスが使われている靴は中が蒸れ蒸れ(ゴアが蒸れないとか言う奴はトンデモナイ嘘つき野郎)。足は必然的に超臭くなります。
メリノウールの特徴である抗菌作用。この機能はガチ。
試しに普段履きの靴(使い古したやつがオススメ)で、綿靴下とメリノウール靴下を一日中履いて、臭いを嗅ぎ比べて見るとわかります。
そんな強力消臭力を持つメリノウール製ソックスですが、私の足臭の場合、ギリギリ耐えられるのは1泊2日まで。3日以上履き続けるとメリノでさえも抑えきれない激臭が発されます。
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