2019年の沢登りシーズン第一弾で遡行した樽ヶ沢の雰囲気が良かったので、その本流である岩倉川を登ってきました。以前に餓鬼岳の沢を一緒に登った仲間も「おすすめ」と言っていた、綺麗な沢です。岩質などは樽ヶ沢と似てはいますが、微妙に性格が違う沢で、充実した遡行ができました。
場所:長野県、南木曽町、柿其川支流岩倉川
期間:2019年8月4日
登山タイプ:沢登り、日帰り
メンバー:ディーアイ、miyu
木曽川水系 柿其川支流 岩倉川本流遡行
アプローチ
自宅のある諏訪エリアから、権兵衛トンネルを抜けて木曽へ。
国道19号をしばらく南下し、『柿其渓谷』の標識に従って進みます。
『柿其川』と『岩倉川』の分岐を岩倉川方面へ。進むに連れ細くなる林道をしばらく走ると、運転の目的地である岩倉林道ゲート前に到着です。
岩倉林道ゲートより奥は、一般車両は通行止め。
ゲート前には数台分の駐車スペースがあります。
岩倉川の入渓地点にと考えていた『岩倉橋』の手前に、赤テープの道標と岩倉川方面に降りる踏み跡がありました。
ここから岩倉川に降り立ち、遡行を開始しても良かったのですが、とりあえず岩倉橋まで向かってみます。岩倉橋周辺に手頃な下降路がなかった場合、ちょっと戻ってここから入渓することも考えていました。
ネット上の山行記録では、橋から懸垂下降で降りたという記事もありましたが…。橋の周囲から無理なく歩いて降りられるところがないかと探してみたら、簡単な入渓ルートはすぐに見つかりました。
遡行開始~第一堤防
最初には二段に分かれた滝が出てきます。一段目、二段目ともに難しくはないのですが、二段目は高度があるので注意しながら進みたいところ。
泳ぎ&登りの遡行
先日行った岩倉川支流の樽ヶ沢は、滝登りが中心の遡行が楽しめる場所ですが、今回登っている岩倉川本流は、泳ぎを交えながら進む場所がちょいちょい出てきます。同じエリアの沢でも微妙に性格が違うのが楽しいです。
左側のヘツリが微妙に進みにくそうだったので、釜を右側から泳いで進み、岩と岩の間(写真には写っていないところ)をステミングで登ってクリア。
この2mの細い滝、左右の岩にステミングで突っ張りながら登るのですが、ヌメリがあってラバーソールが滑り、落ちそうになりました。
困難な滝場の巻きは比較的明瞭かつ簡単で、滝の登りを楽しんでも良し、無理せず巻いても良しで、初心者や比較的経験の浅い人でも楽しめそう(経験者の同伴は必要)。
時には美しい渓相を楽しんだり、写真を撮ったりで、ゆっくり進んでいきました。
三段の滑滝の次は、両岸が狭まったゴルジュ地形。と言っても、突破はそれほど難しくないです。次から次へとバリエーション豊かな地形が楽しませてくれます。
続いて現れるゴルジュでは、足の着かない淵を泳いで突破する必要が出てきます。
流れは緩やかで、途中で立って休める場所もあるので、泳ぎが得意でない自分でも問題なく突破できました。
大雨の後など、水量が増している時は難しくなるかも知れませんが…。
第二堤防後
第二堤防を右側から巻き上げたところで、工事用の林道に通じる道端に出ました。
この第二堤防を越えたところが、第一脱渓点。ここから林道を下っていけば駐車スペースまで戻ることが可能です。
時間もまだまだ余裕があるし、もっと沢登りを楽しみたかったので、我々パーティは更に奥へと進んでいきました。
左岸から沢を上がれば、帰りに利用する林道へと通じています。
第二堤防を越える前に出てくるゴルジュや釜、大きな滝などが、岩倉川本流のハイライト。堤防奥には何本か印象的な滝がありますが、ちょっと消化試合的な感じも否めないような…。
この滝が実質岩倉川本流遡行のクライマックスでしょう。段々になった滝の傾斜は寝ており、ロープを出す必要は感じなかったので、フリーで抜けました。
途中、流れが1:1で別れていたところがあり、右側に進みました。それから間もなく、林道の橋が頭上を通過しているポイントに至ります。
歩こうと思えばもっと沢を詰めていくことも可能でしょうが、流れも弱くなってきており、これから簡単に脱渓できる林道が脇を走っている保証もないので、手頃なところで沢を出ることにします。
しばらく退屈な林道を1時間ほど歩いて、岩倉林道ゲート前の駐車スペースへと帰還。この日は日曜日でしたが、停まっていた車は自分たち含め3台だけ。途中1パーティとすれ違っただけで、静かな山(沢)が楽しめました。
夏山シーズンインした北アルプスなどの山域は、おそらく大混雑でしょうから、人混み苦手かつ涼しいところに行きたい私にとって、沢登りは夏の大きな楽しみです。
装備
ロープは8mm30mを使用。
ヌメリも登攀もそれほどなかったので、シューズはフェルト・ラバーどちらでも良さそう。
使用したカメラ。
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