登山の行動食についての個人的考え

登山は長時間行動を行うスポーツ(?)です。

何も食べないまま行動を続けると、体内に貯蔵してあったエネルギーはやがて尽き、行動不能状態(シャリバテ)に陥ってしまいます。

それを防ぐため、登山中は定期的に何かを口にする必要があります。

 

山での行動食は何にするか、一体何がいいのか…

山を始めてしばらく経ったころ、これには本当に悩みました。

色々と試行錯誤した結果、現在一定の形に落ち着いたので報告していきたいと思います。

行動食についての個人的考え

 

考え方の変遷

初心者の頃:好きなもの、美味しそうなもの

慣れてきた頃:カロリーが高くて軽いもの!

現在:好きなもの、美味しそうなもの(軽くコンパクトならなお良し)

 

効率を重視した行動食の落とし穴

最初の頃は…

登山を始めたばかりのころは、日帰りハイキングが中心でしたし、行動食に関しても特に何か考えを持っていたわけではなく、山の前に立ち寄ったコンビニ等で食べたいと思ったものを買う、といったスタイルでした。

 

中期は軽量化に走る

登山の回数を重ねていくにつれ、テント泊や標高差2000mクラスの日帰りなど、それなりに体力が必要な山行が行えるようになってきました。

重い装備を持ったり、長い距離を歩いたりするようになると、無駄を切り詰めた軽量化もまた必要になってきます。

荷物の軽量化をしていく中で、山で食べる食事の軽量化が出てくるのは必然と言えるでしょう。

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始めての長期縦走(新穂高~室堂)をした際の行動食。

ジップロックに詰めた、にぼし、ドライフルーツ、ナッツ、カロリーメイト。

「軽量化のため、食事は重量対カロリーのバランスが最優先事項!」

と、昔は考えていました。

「軽量で、カロリーの高いものこそ山に持っていく食物で大切」

「水分の含有量が多いと重くなってしまい、軽量化にならないのでドライなものを中心に」

「水は重いので行動に必要な最小限だけ持って行き、あとは水場で飲めばいい」

そんなことを考えながら縦走に出発。結果は…

最初は調子よく行動食を食べていました(縦走をやり遂げる前になくなったらどうしようと心配するぐらい)が、後半疲れがたまってくるにつれ、パサパサの行動食がどうしても喉を通らなくなってしまい…

当然、縦走の終盤には蓄積した疲労と、栄養不足によりバテバテに。

結局、下山した時にはかなり多くの行動食が残ってしまいました。

人間、同じものばかり食べていると飽きてくるし、疲れてくると物を食べるのも億劫になる。特に、大して好きでもないものは積極的に食べようと思っても食べられなくなる

そんなことが学べた最初の長期縦走でした。

 

現在の行動食

同じような失敗を何度か繰り返しながら(人間、なかなか学べないものですね)、現在行動食を選ぶ基準は

 

・積極的に食べたいと思うもの

・疲れていても食べられそうなもの

できたら、栄養価が高く軽くてコンパクトなもの

 

上記のようになっています。

いくら栄養価の高い食品といっても、結局食べなければただの重りと同じですし、まず自分が食べたいと思えるものが最優先です。

計画的に食べられるなら、多少重くても仕方がない。

疲れていても食べれそうかという点についても、重要なポイントです。

食事を摂るという行動にはエネルギーが必要です。エネルギーが尽きてきた、疲労状態では食べること自体おっくうになってしまいます。

そんな状況下においても食べられる食品選びも、歩い程度ハードな山行をする上では大切になってきます。

長い距離や重い荷物を担いで歩く場合、やはり軽量化は大切になってくるので、軽いに越したことはありません。

ただ、効率ばかりで人間は動けないので、楽しみながら食べられるように考えることも重要です。

 

自分の場合は、夏山ならおにぎり(冬は凍る)、冬はチョコレート(夏は溶ける)、グミ、草もち、どら焼き、ハッピーターン、ゼリー飲料など。

毎回同じ食品を持っていくとそのうち飽きてしまうので、行動食はその時々、気分、気温などによって変えています。 

 

お腹があまり減っていなくても定期的に何かを口に入れるようにする、重量の重いものは順番的に早めに食べるようにするなど、食べ方にも気をつけるようにしています。

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柿の種(ピーナッツなし)が好きです。手袋をしたままでも容易に食べられるよう、口の大きなペットボトルに入れています。

 

好きでもないものを嫌々食べていると口の中がパサパサになって飲み込みにくく感じることがあります。

食べたいと思える食品を前にすると、唾液も出てきてスムーズに食べることができますね。

シャリバテ予防のために、積極的にエネルギーの摂取していくためには、やはりご自身が美味しいと感じるものが良いと思います。

好きな食べ物を想像するだけで唾液が…なんていう体験をした人も少なくないはず。

 

※唾液の中には…な、な、なんと酵素がたくさん含まれています。

一部ダイエット・健康食品で話題の酵素が、口の中からいっぱい出てくるなんてお得ですね。

お高い酵素系の健康食品(アミラーゼか、ペプシンか、リパーゼか、何が含まれているかは知りませんがね)は、少なくとも山では不要です。好きな食べ物を持っていくことをおすすめします。

変な方向に話が逸れました、すみません。

 

食品別の個人的感想

これまでいろいろ試行錯誤を重ねてきました。

様々な行動食を取り入れたり、持って行く項目から外したりしました。

食品に対する個人的見解を述べていきたいと思います。

 

ナッツ類

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山の行動食として定番のナッツ類ですが。個人的には好きでない。

パサパサして水分なしでは食べにくいのと、量が食べられない。

軽量かつカロリーは高いように見えますが、高カロリーなのは脂肪の含有量が高いため。

炭水化物1g=4kcal

たんぱく質1g=4kcal

脂質1g=9kcal

脂質は体内ですぐにエネルギーとはならず、したがって登山でバテてきた時の即効性のエネルギー源にはなりません。

貯蔵された脂肪は燃焼することでエネルギーとなりますが、その燃焼には糖質が必要となります。

高脂肪なナッツを、行動中に食べてもすぐにはエネルギーにならないので、個人的には行動中に食べたいとは思いません。

何も食べないよりは食べる方が断然良いので、好きで食べる分には問題ないと思います。

 

おにぎり

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最近は糖質=毒のように思っている連中も存在するようですが、糖類はやはり即効性のエネルギー源として登山ではなくてはならないものです。

日本人が昔から食べてきた米は、違和感なく食べられるし、砂糖てんこ盛りの菓子類と比較するとゆっくり消化されるので、腹持ちもいいです。

比較的コンパクトで、荷物の収まりもいい。

欠点は、日持ちしないので長期縦走に向かないこと(米をその都度炊いて、自分で作るならそれはアリ)、冬山だと凍ってシャリシャリになる(つまりまずくなる)ことか。

 

柿の種

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個人的に好きです。柿ピーではなく、柿の種だけのもの。

ベビースターラーメンも好きです。

冬はおにぎりを持っていかないので(凍るため)、代わりに柿の種を持っていくことがあります。

密封してやればそんなに簡単には湿気らないので、ある程度日持ちもします。

上の写真に挙げたように、口の広いペットボトル(ナルゲンより安い)に入れてやれば、手袋をした状態でも容易に容器の開け閉めができます。

夜は酒のお供にも。フライパンでちょっと焦げ目をつけてやるといいつまみになります。

 

ゼリー飲料

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水分の含有量が高く、意外と重いですがコンパクト。

こいつの一番の利点は、疲れていても喉を通りやすいことです。

重いし甘ったるいので大量に持っていく気はしませんが…

ウィダーインゼリーはちょっと高いので、スーパーやドラッグストア、スポーツ用品店に売っているPBもの(大体100円ぐらい)をまとめ買いしています。

 

グミ

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個人的に好きです。ちょいちょい口に運ぶのに向いています。

何気に気に入っているのは、グミがちっちゃくて丈夫なジップロック形式な袋に入っていることです。

グミを食べ終わった後、グミが入っていた袋をティッシュや他の食品の包装ゴミなどを入れておくゴミ袋として活用できます。

ちっちゃな袋なので、ゴミを押し込んでギュッとジップを閉めると、ゴミのコンパクト化をすることができます。

 

和菓子

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これも個人的に好きです。糖質メインなので即効性のエネルギーとなります。

ようかん、どら焼き、草もちあたりがお気に入り。コンパクトだし、コンビニにもよく売っているので重宝しています。

コンビ二和菓子は意外とコストパフォーマンスが高くおススメ。

 

まとめ

山での行動食は軽くてコンパクトに越したことはありませんが、結局食べられなければただの重りになってしまいます。

効率だけを重視して行動食を選んでしまうと、疲労状態で食欲もわかなくなった時、積極的に食べられません。

それではせっかく持ち運んでいる行動食の意味がなくなってしまうので、自分が積極的に食べようと思えるものを選んで持っていくことが一番だと思います。

 

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