「登山って一度道具をそろえちゃえば後はそんなにお金はかからないよね?」
登山を趣味としない人と話をすると、上記のような言葉が投げかけられることがあります。
…それは大きな勘違いだと、毎度訂正しています。
登山が金のかからない健康的な趣味であるとか、たくさん歩くからダイエットにもなって健康的な趣味であるとか…少しは当てはまる場合もありますが、登山が経済的であるとか健康的であるとかは、基本的に登山を趣味としていない(興味の無い)人による間違ったイメージであることが多いです。
登山が趣味でない人がこんなブログ読むのかは果たして分かりませんが、情報を全世界に発信しているインターネット社会の住人として、登山の真実を書いていきたいと思います。
かなりの割合で、個人の経験による主観が入っちゃってますけど。
経済的や健康的といった登山のイメージを分かりやくブチ壊していきたいと思います。
今回は「登山はお金がかかりますよ~」ということについて。
登山はお金がかからない趣味という間違いを正す記事
この装備、合計すればいったいくらになるんだろう…?
恐ろしすぎて計算したくもありません。
初期投資だけでもそれなりにお金がかかります
昔々…登山を始めようと思い立ったディーアイは、登山ショップで店員に勧められるがまま、とりあえず絶対必要と言われた登山用品を買いました。
・登山靴⇒約2万円
・ザック(リュックサック)⇒約2万円
・カッパ(レインウェア)⇒約3万円
合計約7万円です。
「初期投資は結構かかったけど、とりあえずこれ以上大きな出費はないな…」
と、その時はそう思いましたが…
甘かった
どんどん欲しいものが増えていく
●登山を始めた初期の頃は、カッパ(レインウェア)以外は全身ユニクロなどの低価格な服装で山歩きをしていましたが、山に行く回数が増えるにつれ、高性能な登山用ウェアが欲しくなり少しずつ追加購入⇒数万円の出費。
●最初は日帰り専門でしたが、そのうち山小屋に泊まるようにもなりました⇒1泊2日で約1万円×回数で~す。
●山に行く回数が増えました。交通費+食費数千円~1万円×回数!
●美しい景色を撮りたい!壊れない丈夫なカメラが欲しい!⇒十数万円。
●テント泊をするようにもなりました⇒テント&マット&寝袋etc...十万ぐらい円飛んでいく。
●公共交通機関では行ける山が限られてしまう!車が必要!⇒180万円。
趣味貧乏になりました。
登山をはじめて以来、山関連にどんどんかさんでゆく出費を止められません…
どんな趣味でもだいたい共通だと思いますが、深みにはまればはまるほど、必要なもの(欲しいもの)が増えていってしまいます。
雪山は更にお金がかかる
次第に無雪期(雪のない時期)の登山だけでは満足できなくなり、雪山登山を開始。
さて、その出費はいかに!?
ピッケル…1.5~2万円
アイゼン…1.5~2万円
冬季用登山靴…5~7万円
手袋…約1万円
ワカン…約1万円
ダウンジャケット…約3万円
スノーシュー…約4.5万円
まだまだ装備はありますが、このへんにしておきましょう。
ひとつひとつ挙げていくのも、計算するのもめんどくさくなってきました…
更に、トレランに手を出してみたり、ロッククライミングにのめり込んだり、沢登りをはじめてみたり、アイスクライミングに熱を上げてみたりと、山遊びのバリエーションを広げていくと共に、必要な装備はどんどんと増えていきました。
増えていく山道具…
痩せ細る財布の中身と貯金残高…
老後に備えるべき貯金はなかなかたまりません。これは困った。
人生最後に使えるお金は老人ホーム入居費用か、病院の個室代かテレビカードか…金を残しといて何に使えるのかは今のところ検討はつかないですが…。
とりあえずある意程度の貯金は必要だと思うので、趣味に関する出費はほどほどにしておきたいところです。
究極のsolution(解決策)
これまで『登山はお金がかかる』ということを述べてきましたが、登山を経済的な趣味にするための解決策を、色々考えてみました。
賢く節約して登山をするコツをいくつか書いていきます。
登山の回数を減らす
山行のたび、食費と移動費が地味にかかるのが登山。思い切って、登山の回数を減らしてみましょう。
多くても月イチ~3ヶ月に1回ぐらいの登山にすれば、移動費や食費を大きく削減することができます。
近場の山だけ登るようにする
遠出をするから移動費がかかるのです。遠征なんか止めにして(飛行機や新幹線、高速道路なんてとんでもない!)、自転車で行けるぐらいの距離にある里山にしておけばそもそも移動費なんてかからないのです!
自転車移動なら地球環境にも優しく、自然を愛する山屋さんならいいこと尽くめですね。
雪山は登らない
雪山は寒いし危ないし…別に登ったところでお金もらえるわけでもないし…。
高価な専用ギアが必要になる冬山登山は止めておきましょう。
同じ理由でクライミングとかも禁止です。専用装備は高い!
登山用品は買わない
そもそも登山用品自体が高価です。安売りのスニーカーとユニクロやしまむら等の服装で十分。カッパもビニールカッパで済ませておきましょう。
そんな装備じゃリスク管理が甘い?
遠出せず、自転車で行ける里山程度にとどめておけば、そんなに高品質な装備は必要ありません。
そんな近場の山を月1回~3ヶ月に1回ペースで登るだけなのに、登山用品なんか揃えてもタンスの肥やしになるだけですよ。
…う~ん、ここまで書いておいて思ったんですが、ここまで節約して、行動を制限してまで登山を続けるぐらいなら、休みの日は寝てるか、ゲームでもして過ごす方が有意義な気がしてきましたよ…。
賢く節約とかじゃなくて、山屋はやっぱりちょっとバカぐらいが丁度いいのかもしれません。
登山のために大金をつぎ込むのは、本来意味のない事なのかもしれませんし、休みの度に冬山のような危険地帯に足を踏み入れるのは、部外者からしたら全くの意味不明だと思います。
たまにディーアイは山の奥地で、「あ~、何で限られた貴重な休みの日に、こんなきつくて危ないことやってんだろう…」と、ふと我に返ってしまうことがあります。
でも、そんな趣味でもトータルでは楽しいのです。
時間の無駄、金の無駄と思う人がいるかも知れませんが、それはそれで結構。
暇と無駄こそが趣味である。
散財して、別に人生の役に立つかどうかも微妙なことに、全力で没頭できること。そういったことを思いきりできるのが、豊かな人生なのかもしれません。
豊かな登山人生を歩むということは、際限なく金がかかるということです。
…老後?もうちょっと年取ったら考えることにします。
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