相沢奥壁の氷瀑群【アイスクライミング】

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長野県佐久と群馬県下仁田の間に跨る荒船山(1423m)周辺は、切り立った岩壁が散在しており、冷涼な気候が相まって、冬季には立派な氷爆(氷柱)が出現します。比較的雪の少ない山域であること、麓から氷瀑へのアプローチが容易なことから、荒船山周辺は、アイスクライミングを楽しむには絶好のフィールドとなっています。

今回は、相沢奥壁は荒船山山体の西部に位置する、相沢奥壁の氷瀑群を登ってきました。

 

場所:西上州、荒船山

山行日:2022年1月18日

種類:アイスクライミング、日帰り

メンバー:ディーアイ、miyu

 

相沢奥壁の氷柱群【アイスクライミング】

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アプローチ

荒船山相沢登山口付近に駐車。

相沢登山口の駐車場は3台分ぐらいのスペースしかありません。その周辺に車を停められそうな場所は点在しますが、土日など混雑が予想される時期にはアイスクライマーによる駐車場の取り合いが発生することが予想されます。

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相沢登山口を出発。最初は杉林の登り。

 

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最近誰かが整備してくれたのか、登山道に可愛らしいオブジェ有り。

 

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杉林から次は尾根へと乗り上げ、しばらくは尾根上とトラバースを交えながら歩いていきます。木々の間から相沢氷瀑群がちらりと見える箇所もありました。

 

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荒船山の一般登山道と、相沢奥壁の分岐。相沢氷瀑は左へ行きます。

 

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分岐には真新しい標識あり。小さな尾根を越えて行きます。

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小さな尾根を越えた後は、トラバース気味に小さな沢へと下り、沢を渡ります。

ちなみに以前ここへ来た際にはトレースが無く、標識も無く、この小さな沢の上流ピンクテープが見えたので(まだありました)、沢を詰めてしまい時間をロスしてしまいました。

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今は所々にAIZAWA ICEFALL(相沢氷瀑)の道標があるので、初めて来る人は以前よりだいぶ分かりやすくなったと思います。

 

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小さな沢を越えた後、左側にトラバースしながら尾根に乗り、しばし尾根を忠実に登ります。左手に相沢氷柱のエイプリルフールが時々見えました。

 

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この真新しい標識が見えたら、案内に従い左へ。尾根をやや下り気味にトラバース。

 

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相沢奥壁の大氷柱が見えてきました。所要時間は、駐車場から1時間~1時間半ぐらいを目安にしておけばよいと思います。

 

ちなみに標識があると言っても、メジャーな登山道ほどは踏み硬められておらず、朝は気温が低くて地面が薄く凍っていることもあり、トラバースが多いことから、滑りやすいです。人によってはチェーンスパイクとか、滑り止め系があるといいかもです。アイス用のクランポンを履いてもいいですけど(摩耗が気にならなければ)。

 

相沢奥壁の大氷柱

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相沢奥壁の大氷柱。2022年1月18日時点の氷結状況です。

氷瀑の真下はフラットなスペースがありますが、落氷のリスクがあるので休憩場所は安全のマージンを広く取った場所がおすすめです。滝からちょっと離れたところで居心地良い空間は限られています。

 

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ちなみにこっちは暖冬だった2021年1月25日の参考写真です。アイスの大外れシーズンでもそれなりに凍って、比較的長い間登れるのが相沢大氷柱の良いところなのかも。

 

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私(ディーアイ)が登ります。傾斜が緩い箇所を選んで行けば、適度にレストできるしそんなに難しくはないかな…という印象。それでも長さがあるので、それなりに疲れました。傾斜の強い左側の氷を登っていけば、更に登り応えがありそうです。

氷結状態は硬すぎもせず、水っぽくもなくて良好でした。

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アイススクリューは弾切れを起こさないように、いつもより広めの感覚で決めていきましたが、持っていった10本全部使い切ってしまいました。

傾斜がかなり寝てきた滝の上部に、終了点となる太い木があります。スリングがいくつも巻きつけてあるのでひと目でそれと分かります。

ダブルロープ使用。50mのロープがほとんど出きったのでスケールは50mぐらいです。

 

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相方はスクリュー回収しながらフォローで上がってきてもらい、懸垂下降で氷瀑の取り付きまで戻りました。

 

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後続のパーティが準備していたので、1本登って相沢大氷柱を後に。大氷柱よりも更に奥にあるエイプリルフールの氷瀑を目指しました。

 

エイプリルフール

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相沢大氷柱の奥、先行パーティと思しきトレース有り。大氷柱からエイプリルフールまではちょっと歩きにくく、先行者が居ないとどこを歩いたらいいのか分かりにくい箇所があります。

大氷柱からエイプリルフールまで体感での所要時間は5分ぐらい?

 

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2つの氷瀑が隣り合っていました。滝の間は落氷のリスクの少ない休憩スペースとして使えそう。

先行パーティが両滝にトップロープを張っていました。

 

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ここにも真新しい標識あり。なぜエイプリルフールという名前がついたのか、由来は分かりません。

 

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多分こっちがエイプリルフール。上まで抜けると100mぐらいあるらしいです。下の切り立った場所だけでアイスクライミングを楽しむことも可能。60mロープがあればトップロープできるそうです。

 

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エイプリルフール右の表瀑。先シーズンは登れるほどに凍っていませんでした。こちらも60mロープがあればトップロープができるそうです。

 

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エイプリルフール右の氷瀑をリードで登って降りて来ているとこの図。スクリューは7本ほど使用。氷結状態は良好で、立っている箇所もあって楽しかったです。

 

相沢氷瀑群はどれもスケール感のある氷瀑ですが、登れるラインが限られている印象です。しかも大氷柱はスケールもあり、登り切るのには時間もかかります。誰かが登っているとその間は取り付くことができません。相沢登山口の駐車スペースに停められる車の台数はわずかですが、そこで制限がかかるのもある意味では良いのかもしれません。一度に大勢のアイスクライマーが押し寄せてしまうと、とても快適には登れなさそうです。駐車スペースがあまりにもいっぱいだったら、無理せずに別のエリアに転身するのも手かもしれません。

 

装備

アックス・クランポンはペツルのノミックとダートを使用。素晴らしく使いやすいです。

 

ハーネスはBDのヴィジョン。軽さはいいけど、使い心地は軽い分ちょっと劣るかな…みたいな印象。悪くはないです。

 

ロープはマムートの8.0mm50mをダブルで使用。

 

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www.dimountainphotos.com