犬殺しの滝のある場所には以前に2回行ったことがありましたが、過去2回とも氷結がイマイチで登れず終いでした(仔犬殺しの滝は登れました)。久々にアイスの当たり年となった2022年シーズン、犬殺しの滝が登れる状態になっているという情報を得たので、このチャンスを逃すまいと登ってきました。
場所:西上州、荒船山
山行日:2022年1月26日
種類:アイスクライミング、日帰り
メンバー:ディーアイ、店長
【西上州・荒船山】犬殺しの滝・仔犬殺しの滝
アプローチ
荒船山の相沢登山口を過ぎると道が悪くなります。迷惑にならなそうなスペースに駐車し、装備を整えて出発しました。
アプローチは登りっぱなしで結構斜度があるので暑かったです。朝イチは寒かったですが、西上州は標高が低いのもあって、日中はそこまで冷えません。ガチ寒いのを想定した冬山装備だとアプローチで大汗を掻いてしまうことがあります。
この辺から滝に向けてつづら折りに登っていく道になります。斜度が増してくるので、足元の氷結状況によっては早めにクランポン(アイゼン)等滑り止めを装着するのが良いと思います。
去年だったか一昨年だったか来た時には見なかった看板。最近取り付けられたような、新しい感じです。氷瀑を観光名所か何かにしたい人がいる?
最後の方は急登で大汗を掻いてしまいました。左に犬殺しの滝、右に仔犬殺しの滝が見えます。遠目には両滝ともにしっかり氷結してそうです。
アプローチの最後の詰めは、階段状ですが氷結した沢を登って行くので、コケて痛い目見ないようにクランポン(アイゼン)を装着。その前にハーネスも履いておきました。
犬殺しの滝
犬殺しの滝は例年氷結は甘いといったメージがあるので、遠目に氷結して見えても脆いつららの集合体だったらどうしよう…みたいな不安がありました。近づいてみるとしっかりとプロテクションは取れそうだったので、ほっと一安心。
私(ディーアイ)が全てリードで登りました。最初は左右の氷柱に足を突っ張るようにしながら上がり、途中で左へ。バーチカル部分の最後は左に見えるテラスに逃げたくなりましたが、我慢して直上。
20mぐらいの最初のバーチカル部分が核心で、そこを乗り越すと後はやさしい階段状。取り付きから35mぐらい登ったところでピッチを切りました。
滝の中段ぐらいで、傾斜が緩くて居心地のいいレッジ上かつ氷が厚いところでピッチを切る。皆考えることは同じなようで、V字スレッドと捨て縄がありました。下降時にはこの捨て縄を利用させてもらいました。
1P目終了点から。
アイスクライミング3回目ぐらいの店長も、フォローで頑張って上がってきています。
1P目終了点から、これから登っていく2P目を見上げた図。
最初は易しい階段状を(20mぐらい?)で、最後に8mぐらいの垂直近い氷を登って終了。最後の氷柱は氷結のしっかりした右側を登りました。
落ち口からちょっと奥に行った左側のしっかりした木に、終了点がありました。
犬殺しの滝を2回の懸垂下降で取り付きまで降ります。途中のV字スレッドに残置されたスリングをありがたく利用させてもらいました。
犬殺しの滝を登ってから、犬・仔犬の間にある平坦なスペースで昼休憩。この日は他のクライマーの姿はなく、自分のペースで登れるため快適でした。
仔犬殺しの滝
取り付きから見上げた仔犬殺しの滝。以前に一度登ったことがあり、その際は弱点をつくように登りましたが、今回は敢えて一番下から(一段上がったところからでも登れます)、傾斜のある強点を狙って登っていきました。
西上州の比較的高い気温もあってか、氷のボリュームはそれなりにありますが、氷は水分を含んでネットリした感じ。アックスの刺さりは良いのですが、アルミのアイススクリューをねじ込むのに苦労しました。
最後の方は氷が薄く、岩を叩かないように雪を払ったり、アックスを岩に引っ掛けたりしながら滝の落口に乗り上げました。最後のスクリューから少々距離もあったので、結構緊張感があって充実しました。
滝の落口を這い上がったところで、50mロープがほぼほぼ出きりました。太さはあるもののちょっと心配になるボロボロなロープが残置されていました。仔犬殺しの滝は途中に何箇所か、終了点になりそうなスリングやカラビナが残置されていました。
フォローで登ってくる店長。仔犬殺しの滝、雪が乗っている上に落口は氷結しておらず(もしくは氷結が薄い)、岩にアックスを引っ掛けて登りました。
仔犬殺しの滝。50m登った終了点の奥に、8mぐらい?の小さな滝がありましたが、そこまで登攀意欲は湧いてこなかったので、仔犬は当初の予定通り1Pのリード&フォローで終了。懸垂下降で取り付きまで戻ります。
仔犬殺しの滝を懸垂下降で下りてくる店長。
犬殺しの滝、仔犬殺しの滝、2本登れて満足です。仔犬を登り終えて下りてきたら、それなりの時間になったので、荷物をまとめて帰りました。
突然の誘いを承諾してくれたパートナーに感謝です。
装備
ロープはマムートの8mm50mダブルを使用。
西上州の水っぽくてネットリした氷には、オールスチールのスクリューの方が入りが良いです。
カメラはオリンパスのOM-Dと9-18mmのレンズを使用。
アイスクライミングガイド本の定番(廣川本)。
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