ディーアイおすすめの本【雨の日に読書はいかがですか?】

山のブログ『のぼるひと』の作者・ディーアイは、休日に天気が良ければたいてい山に行っています。しかし、山遊び(登山、沢登り、クライミングなど)は基本的に天気の良い日に行うものであって、雨の休日は退屈そのものです。

そんな時にこそブログを書いたりもしているのですが、その一方で自宅にこもって静かにを読むのも好きだったりします。

 

今回は、山に行けない休日に読んで個人的に面白いと思った本をご紹介します。

 

雨の休日・読書のススメ(おすすめの本の紹介)

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くう・ねる・のぐそ―自然に「愛」のお返しを 伊沢正名

自然環境におけるウンコの重要性と、野糞について熱く語られた本。これまでのウンコに対するイメージがひっくり返るかも知れません。この本を読んだら野糞がしたくなること間違いなし!?

「自然の恵み」と人はよく言いますがが、結局人間は自然から奪うだけで、自然に対し何も還元していないんじゃないかという思いは常日頃からありました。また、近頃はエコ活動なんかも流行っていますが、あれそれの欺瞞に満ちた大人の事情が透けて見えたりして、どうも信用が置けない世の中。本当に自然のためになる行為とは?

「俺の考えていたことはあんまり間違っていなかったんだな」と、 この本によって裏付けがとれたような内容もありました。

自分が読んだ中で最もためになるウンコの本です。これ以上ウンコについて熱く語られた本はないでしょう。

 

アヘン王国潜入記 高野秀行

作者(高野秀行氏)が、アヘン栽培を行っているビルマ(ミャンマー)の集落に赴き、実際に村人と共にアヘンを栽培しながら、現地の文化を書いていくというドキュメンタリー。

高野氏の本はいろいろ読んでいますが、個人的にはこの『アヘン王国潜入記』が一番好きだったりします。

ともすれば現代の風潮からアヘン(違法薬物の原料)=悪ととらえられてしまいそうですが、その原料を栽培する人々の決して豊かとは言えない生活や、アヘン栽培によって育まれている現地の風習・文化などは、単純に善悪だけで片付けられるものではないでしょう。

日本のニュースからではあまり情報の入ってこない国、ビルマ(ミャンマー)。その奥地にある集落で、住民とアヘンを栽培するという行為をやってのけた著者・高野氏の行動力にはたただた驚くばかりです。

 

荒野へ ジョン・クラカワー

 『イントゥ・ザ・ワイルド』という名で映画化もされている本。映画は主人公のクリス視点で描かれていますが、本著は作者のジョン・クラカワーがクリスの痕跡を追っていくというタッチで書かれたドキュメンタリーです。

たった一人でアラスカの荒野に赴いたクリスの行動は無謀行為ではなかったのか?という検証や、著者のクラカワーが唐突に語りだす若き日のアラスカでのソロクライミングの体験など、映画から原作に入った自分としては、いろいろと読み応えのある内容でした。

ちなみに著者のクラカワー、『空へ』という自身がエベレストで体験した遭難事故を題材にしたドキュメンタリーも執筆しており、そちらも映画化されています(エベレスト3D)。

 

限りなく完璧に近い人々 マイケル・ブース

世の中にはびこる「北欧バンザイ 」的な風潮。北欧だから何でも素晴らしい、北欧だから何でもオシャレ、北欧がやっているから何でも先進的…みたいな手放し北欧至上主義みたいなのは、個人的には違和感を感じています。

自分たちと同じ人間が住んでいる国だもの。良いところもあれば悪いところもあるさってことで、北欧諸国の実際はどうなのよという疑問から手にとってみた一冊。

イギリス人の作者らしい、皮肉たっぷりの文章にも引き込まれ、一気に読んでしまいました。

本著のデンマーク編のキーワード、「ヤンテの掟」について、ネット検索でかけてみたら「だから北欧は素晴らしい!」みたいな言葉と結びつけられています。本書を読み終えた後にこういった文言を見ると、ちょっと訝しく感じてしまいますね。

誤解なきように言っておきますが、別に北欧嫌いというわけではありません。「北欧なんでもバンザイ」みたいなのが好きでないだけです。

 

孤高の人 新田次郎

これを読んだ山好きの男子は、ほぼ影響を受けると言っても過言ではない。読み終えた男子の何割かは、北アルプスに憧れて一人で縦走しちゃうようになるだろうし、中には地下足袋を履いて山歩きを始めちゃう人もいる模様。それだけこの物語の主人公、加藤文太郎の生き様は男たちを引きつけます。

ディーアイもこの本の主人公(加藤文太郎)に影響を受けた一人です。

ちなみに漫画版の『孤高の人』もありますが、こちらは新田次郎の原作を元に書かれた現代を舞台とした内容。原作へのリスペクトみたいなものは感じますが、テーマがなんとなくブレているような感じもして個人的にはあまり合わず…でした。

 

雨の日にはブログ記事もいかがですか?

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