遭難したくて遭難する人はいません。
山をやっていれば多かれ少なかれ、ミスやピンチが発生してしまいます。
そのミスから遭難に繋がる可能性を少しでも減らすため、『もしも』に備えた装備を持っていくことは大切です。
今回はディーアイが登山に持っていっている、緊急用品(エマージェンシーグッズ)を紹介したいと思います。
遭難防止に携帯しているエマージェンシーグッズ
これから紹介するアイテムは、袋にまとめてザックの一番底に入れてあります。
非常用品だからすぐに取り出せるように、取り出しやすいところに入れておくという考え方もアリだと思います。
自分の場合は、非常用品はほとんど使わないので徐々に荷物の下の方に追いやられてしまいました…。
グラナイトギアのスタッフサック
軽量で丈夫なナイロン袋に非常用品をまとめて入れています。
エマージェンシー用品専用ケースも販売されていますが、意外と嵩張ったり重かったりするので軽量のスタッフサックを利用。そもそも基本的に使わないこと前提なので、できるだけ軽くしたいのが本音です。
ビクトリノックスのマルチツール・トラベラー(クライマー)
昔はトラベラーという名前でしたが、今はクライマーに名前が変わったみたいですね。
ナイフは山での料理にも使えて便利。瓶ビールが好きなので、栓抜き機能もたまに使います(山ではないですが)。
ハサミが付いているのが高ポイントです。リペアシートや紐を切ったりするのに重宝します。ナイフだけだと意外と使い勝手が悪い。
もっと多機能なツールもありますが、重くなります。たくさんの機能があっても時々しか使わないので、そこまで重いのを持っていくのはどうかと。
トラベラー(クライマー)は機能と重さとコンパクトさのバランスがいいと思います。
ニチバンのテーピングテープ
捻挫部位の固定、ガーゼ類の固定、壊れた山道具の応急処置などマルチに活躍します。
このテープは手でも切れるので便利。
クライミングの際のテーピングにも使っています。
テーピング用のテープは、医療機関でも使われているニチバン推しです。
エマージェンシーブランケット
超軽量・小型の薄いアルミ製のシート。寝袋状の形状です。
幸いなことに本番で使ったことはないですが、寝心地は恐ろしく悪そうですね。
予期せぬビバークとなった際、これが無かったら低体温症となるリスクが上がってしまいますし、使うかどうかはともかく、とりあえず持っておきたい品です。
ツェルト
エマージェンシー用の小型簡易テントです。
サイズはいろいろありますが、ソロで登山を始めたので一番小さくて軽い1人用を持っていっています。
上手く張って、環境さえ悪くなければテントの変わりに使用することも一応可能です。
ビバークの時だけではなく、ご来光待ちの風よけなどにも使えるので、アイデア次第ではピンチの時以外にも使える製品です。
ナイロン製の細引き
確か細さ5mm、長さ5~6mぐらいだったと思います。
ツェルトを張る時に使えます。ハサミで好きなサイズに切ってスリングを作ることも可能。靴紐が切れた時の代わりにも?
あればあったでピンチの時には何かと役に立つ道具ですね。
ツェルトと細引きを合わせて作った簡易休憩所。
ここでしばらく天気が好転してくるのを待ちました。
ノートとペン
『風雪のビバーク』や『神々の山嶺』を読んで影響されたので、「ビバークする時にはその時の状況を日記として残しておこう」なんて考えながら非常用品に入れています。
実際のところ、山で出会った人と連絡先を交換する際にしか使用していません。
ホイッスル
全力で大声を出すよりも、笛を吹いた方が省エネで音が遠くまで届きます。
道迷い遭難をした際に、笛を吹くことで救助者に気付いてもらえる可能性が高まります。
冬山では金属だと唇の皮がひっついて持っていかれる可能性があるので、本来はプラスチック製推奨。
最近は、ザックのチェストストラップにホイッスル機能が付いているが結構ありますね。なので、金属製からプラ製に買い換えるわけでもなく、重いものでもないので一応非常用品に入れてあります。
ちなみにアルパインクライミングや沢登りでは、強風や沢の音で声が届かないことが時々あるので、笛は重宝します。
ライター
ビバークの際などに火を起せればと思って持っていっています。
実際は、その場にあるものだけでそんなに上手く火が起せるかどうかは微妙なんですが…。まぁ、そんなに重いものでもないし一応持っておくかぐらいの気持ちです。
予備のエネループ
ヘッドライトの電池はエネループを使用しています。
家を出る前に充電しておけば、1週間近い山行でも電池交換無しで問題なしでした。
しかし、以前に一度ザックの中でライトが勝手に点灯していたことがあり、目的地に着いた時には電池の容量が結構減ってしまっていました。
予備電池はあればあったで安心です。
モンベルのリペアシート
シールタイプのリペアシートです。ハサミで手ごろな大きさにカットして使用します。
テントやレインウェア等に穴が開いてしまった場合の応急処置用途です。
永久的な修理ではなく、緊急的な処置用テープなので後ではがせます。
以前に一度、テント内で熱々のコッヘルを寝袋に当ててしまい、熱で穴が開いてしまったことがあります。その時に使いました。持っていってよかったです。無ければテント内が羽毛だらけになっていたでしょう。
ガーゼ、三角巾
幸いにも現場で使ったことは無いですが、応急処置用のガーゼと三角巾も携帯しています。
自分だけでなく他人の怪我も想定しています。他人の血に触れてしまうと感染症のリスクもあるため、気兼ねなく触れるようにゴム製の手袋もセットにしています。
※ヘッドライト、コンパス、地図、非常食等はエマージェンシー以前に登山の必需品なのでここでの紹介は省いています。