山好きだからとことん山に登ったらいろいろと上手くいったという話

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今回の記事はあくまでも万人に当てはまるわけではないと思いますが、一つの参考として受け止めていただければと思っています。

登山に対して、山に登らない人からは「なんで苦しい思いまでして登らなきゃならないか理解できない」と思われてしまうこともあります。周囲の無理解故に、時には迫害めいたことをされてしまうことも。

社会的役割やら何やらと、山への欲求の間で苦しんでいる人も一定数いるものと思われます(とある友人がそう)。

自分の場合は、その苦しみに対してはとことん山に登ることが解決策となりました。以下に書いていきたいと思います。

 

山好きだからとことん山に登ったらいろいろと上手くいったという話

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現在ディーアイは、山が好きで信州/長野県に移住し、諏訪地域で暮らしています。たまには辛いこともありますが、総合的には楽しんで入る方です。

世間や他人の目を気にしながら遠慮して山に登っていたら、多分今とは違った環境で暮らしているはず。山をほどほどにしていたとしたら、いまごろどんな人生を歩んでいただろう…信州の自宅でビールを飲んでPC打ちながら、ふとそんなことを考えることもあります。

今の暮らしは、山が好きで、山にとことん登っていたからこそ、得られた成果なのだと思っています。

仕事や人間関係について、山ばっかり登っていたらなんとか上手くいってしまいました。不思議なものです。

 

職場の反応

「仕事のための人生ではなく、山のための仕事である」(格言風に)

 

新入社員から社会人2年目にかけて、ディーアイは仕事の覚えが良い方とは言えない人間だったので、先輩がたから愛情こもった(?)ご指導をしばしばされていました。

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社会人2年目から、本格的に登山にハマり出したのですが、職場の先輩からは「そんなに山ばかり行かず、もっと仕事を頑張れ!」と怒られたこともありました。

そんな社会の圧力(?)に屈することなく、ディーアイは休みの度に登山に向かっていました。正直職場は大変なことも多く、山にでも行ってストレス発散しないと、とてもやっていられないというのが自分の本音だったからです。

そのかわり、山が仕事に悪影響を及ぼしていると思われたくないので、登山でどれだけ疲れていようとも、先輩たちよりも早く出社していましたし、翌日に休日の登山が控えていても、黙って残業をこなしました。結局前の職場を辞めるまで、無遅刻・無早退・無欠勤。登山についてアレコレ言っていた先輩たちも、最終的には諦めたのか何も言わなくなり、いつしか『登山キャラ』みたいな地位を確立していました。

職場では、年に何度か飲み会(忘年会など)がありました。新人のうちは断りきれなくて参加していましたが、飲み会はあまり好きではありませんでした(職場では話の合う人があまりいなかったので)し、参加費も1回5000円ぐらいした記憶があります。その金額が出せるなら、登山費用に充てたかったので、自分にとっては飲み会は避けたい行事でした。

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そこで、自分が山好き人間であることが職場に浸透してからは、「登山あるから今回は行けません!」みたいなことを堂々と言うようにしました。そうすると、職場の人たちからは「あいつは休みの度に登ってる山バカだから仕方ない」と、割とすんなり受け入れてもらえたのです。

そのうち職場の女の子から「富士山登りたいんです。連れてってくださ~い」と頼まれ、職場の女子3人ばかり引き連れて富士登山、それに続いて北アルプスでの登山も開催したりして、楽しい思い出もできました。

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その頃には残雪期の富士山を、馬返しから日帰りするぐらいの実力はついていたので、雪のない富士登山は正直ヨユー。「職場ではポンコツだけど、山では頼りになる存在。あいつは意外に凄い」みたいなのが職場で囁かれるようになり、「山ばっか行ってんじゃねえ!」みたいに怒っていた先輩からも、いつしか可愛がってもらえるようになりました。

この体験を通して思ったのは、「変に職場の目を気にして登山を控えたりしなくて良かったな」ということです。山に行く回数を減らしていたら、自分のストレスがより高まったでしょうし、『登山キャラ』として先輩・同僚からは認識されなかったと思います。そうしたら登山することに対する職場の理解は得られず、風当たりはますます強く…となってしまった可能性すらあります。

また、遭難した人を山で助けて、それがちょっとしたニュースになってからは、「ディーアイ君はどんどん山へ行ってもいいんだよ」みたいな空気も出来上がって、休日は遠慮なく(そもそも遠慮なんてしていませんでしたが)山へ向かうことができるようになりました。

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人間関係

「登山を始めたら、友達が増えました!」(怪しい商材みたい)

 

ディーアイは決して社交的ではなく、面白い話題が振れるタイプの人間でもないため、友達はそこまで多い方ではありません。

そんな自分ですが、山をやっていたら、登山を始める前と比べて明らかに仲の良い人が増えましたし、彼女もできました。

 

子どもの時には、山岳会出身の両親により、あちこち登山に連れて行ってもらっていましたが、大きくなると共に、親と一緒には行かなくなりました。

自分の意志で、趣味として登山を始めたのが社会人1年目のころ。学生時代にカメラ/写真撮影にハマっていたので、美しい被写体を求めて山に登りたいと思ったのがきっかけでした。

職場にも、学生時代の友人にも、山に登る人はいませんでした(地元の同年代とは疎遠)。子どもの頃に両親から教わった、登山のキホンみたいなものはありましたし、思い立ったら即行動なタイプだもんで、一人でも気にせず、あれこれ独学で勉強しながら山に行くようになりました。

登山を初めて数年間は、基本的にたった一人で登っていました。

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【写真】当時よく登っていた御嶽山

場の人からは、「あいつ休みの度に山ばっかり行ってるし、いつ聞いても一人でって言ってるから、もしかして友だちがいない寂しいヤツ?」と思われていたかもしれません。会話の節々から、そう思われているのを感じました。半分事実みたいなもんですし、何より登山が楽しすぎたので、何と思われようとも全く気にも留めていませんでした。

自分を可愛がってくれた職場の先輩からは「彼女どんだけいないの?誰か紹介してあげようか?あの娘どう?彼氏いないんだって!」とか要らぬ心配(大きなお世話)をかけてしまっていたようでした。

 

独学で、一人で山登りにハマっていくうちに、冬山にも独学で、一人で行くようになりました。山岳会などで技術を叩き込まれた人よりは、成長は遅いかもしれませんが、徐々にそれなりの場所にも登れるようになっていきました。

友人Hとは、山で偶然テントが隣同士だったことで出会い、一緒にヨーロッパアルプスのモンブランに登りました。

冬の西穂では、Mッシーという男と出会ってその場で意気投合。一緒に何度も山に登りました。そして、今年は母ちゃんと北尾根登った時、お世話になりました。

こうした友人たちとは、出会ってすぐ、なんとなく「コイツとは気が合いそうだ」というのが分かって、すぐに打ち解けることができました。

自分がある程度経験を積んだ登山者だからこそ、仲間たちとの出会いがあったのだと思っています。自分がもしも、初級ルートしか登れない登山者だったら、今の仲間たちとは出会えていなかった可能性が高いです。

「良き山仲間を得るには、自分が良き山屋であるべし」…自分に言い聞かせている言葉です。自分が良き山屋かどうかは知りません。理想とするレベルにはまだまだ達せてはいませんので、精進するのみです。

 

現在の彼女とも、山がきっかけで出会うことができました。

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詳しい馴れ初めは省きますが、「山の写真がすごく良くて、そこに行ける人だから興味が湧いてきた」とか言っていました。山にたくさん登って、そこで目にした美しい景色を写真を撮って、楽しそうにしていたのが良かったのかもしれませんね。

 

更新を楽しみにしているこのブログにある記事では、山に出会いはないとキッパリ書いてありましたが…出会いはありました。

ksg2999.com

ディーアイはもとから社交性のない性格だし、「何こいつ、キモっ」とか思われるのが嫌なので、山では自分から女性に話しかけないようにしてるんですけどね~。

ちなみにクライミングがやりたかったので、彼女に「クライミングやろうぜ」って言ったら「いいよ」ってなり、ハーネスクライミングシューズを買ってきてくれました。それで、地元の岩場で練習してロープワーク・ムーブなどのクライミング技術を覚え、アルパイン、アイスクライミング、沢登りなどをやるようになり…現在に至る。

良い女は山男を育てます。

 

 

自分自身

「学生時代が一番楽しかったとかいう人間とは仲良くなれる気がしない」

 

学生時代、楽しくなかったわけではないのですが、なんとなく自分が本当にやりたいことをしていない、自分を偽っているような、モヤモヤとした違和感を感じながら過ごしていました。

当時の友人達との会話の中で、「何か違うな~」みたいなのも感じながらも、一人になる勇気も無しに、群れていたような記憶があります。

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社会人になり、自分で自由に使えるお金と、予定のない休日(どこへ行っても、何をしてもいい)が組み合わさった時、自分らしさが爆発したような気がします。

「自分はなにか全力で、夢中になれることが欲しかったんだ」と分かりました。 それが自分の場合は登山でした。たまたまそれが登山であっただけで、何かのきっかけによっては鉄オタになっていたかもしれないし、アイドルの追っかけをしていたのかもしれない。

とにかく山にハマり、山に通うために車を買ってからは、何かのタガが外れたように、休日は山…山…の日々。

超楽しいです。

学生時代に感じていたなんとなくの違和感や閉塞感はもう感じていません。

自分がやりたいと思っていることをやるお金と、時間がある(正直言うと休日は今の倍欲しい)ので、それなりに充実した日々を過ごしています。社会人最高。

もちろん、辛いことや上手くいかないことは今でもいろいろとありますが、昔に戻りたいかって聞かれたら絶対嫌です。

冬山登るようになり、山友達もでき、今の彼女と出会って一緒にクライミングを始め、それからアルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り…と山での遊びのバリエーションの増え、一緒に山遊びできる仲間も増え、次はどんな山遊びをしようか、考えるだけでワクワクが止まりません。

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子ども時代に、自分は将来『真面目に働く規範的な大人』になるのかと思っていましたが、とんでもない。今では『山遊びのことばかり考えている不真面目なしょうもないオッサン』です。

でも、日々楽しくやっているし、山のことで少しは親孝行できたので、これで良かったんじゃないかと思っています。

 

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www.dimountainphotos.com