中央アルプスの印象的な場所【まとめ】

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南北65kmに渡って長野県を縦断する山脈が木曽山脈(中央アルプス)。百名山である木曽駒ヶ岳・空木岳の他、ロープウェイの掛かる千畳敷カールは有名ですが、それ以外となるとあまり話題にも登らない山域。

南北アルプス未満、八ヶ岳以上というスケールは、どちらかといえば中途半端感があります。しかし、言い方を変えれば南北アルプス以上に麓から山頂までのアプローチが良く、八ヶ岳を凌駕するスケール感をもつ山域です。

今回は私が訪れたことをのある、中央アルプスの魅力について記していきたいと思います。

 

中央アルプスの印象的な場所

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南駒ヶ岳から中央アルプス主脈を望む

 

越百山(こすもやま)

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残雪の越百山山頂からの眺め

2613m

中央アルプスの森林限界の南端(南越百山というサブピークを含めなければ)。ここから山脈はさらに南へ繋がっていますが、笹藪に覆われたマニアックな縦走となります。

地味な山ではありますが、森林限界を超えるピークなので山頂からの眺めはなかなかのもの。

越百山~南駒ヶ岳~空木岳間は伊奈川ダムから駐車場で周回できるので便利。個人的にはここを目的地とするというより、通過点とする印象が強いです。

 

南駒ヶ岳(みなみこまがたけ)

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2841m 日本二百名山

深田久弥に百名山に入れるかどうか迷われ、結局は空木岳が百名山に選ばれたので、多くの人から関心が向けられることのないちょっと不運な(?)山。

花崗岩が林立する険しい地形。アルプスの高山らしいスケールもあるし、良い山だとは思うんですけどね。

まぁ、百名山に選ばれなかった分登山者も少ないですし、静寂な(場合も多い)中、高山の空気を味わいたい人はきっと気に入るはず。

 

黒覆尾根(くろおおいおね)

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海坊主の頭の様なサブピークが目を引く。中央アルプスのジャンダルム。

尾根の先には目だったピークもないし、話題に登ることはほとんどないけど独特の形から気になっている尾根です。

昔は登山道があったらしい。いつか積雪期に登ってみたい。

 

空木岳(うつぎだけ)

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3月の空木岳。左に伸びる尾根がメインの登山ルートの池山尾根

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空木岳山頂からの景色

2863m 日本百名山

南駒ヶ岳と迷われた末、こちらが日本百名山に選ばれました。百名山なので南駒ヶ岳と違ってチヤホヤされている。実際、良い山ですけど。

メインの登山道となるのが池山尾根から。登山口までの林道が上部で工事のためにしばしば通行止めになっている印象。

木曽駒ヶ岳を含めて周回する場合は、駒ヶ根高原スキー場のところにある駐車場に車を置いておくとどちら周りにしても回収が比較的楽。

山頂稜線から下った先にある『空木平避難小屋』は「何かが出る」ことで有名。

 

日本百名山 (新潮文庫)

日本百名山 (新潮文庫)

 

 

空木岳~千畳敷

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空木岳から千畳敷カール感の稜線。

遠目には楽しい稜線散歩に見えますが、意外とアップダウンもあったり、岩場もあったりイメージ以上に大変です。

通過するピークも、東川岳、熊沢岳、大滝山、檜尾岳、濁沢大峰、島田娘と、標高2700mを超えるスケール感のある高峰群なのになぜか地味。

まぁ、山が有名かそうでないかだけで判断する場合は、たしかに地味な縦走路なのですが、ずっと森林限界上の稜線歩きなので景色は素晴らしく、好きな人には楽しくて仕方ない感じ。

 

檜尾避難小屋(ひのきおひなんごや)

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中央アルプスにはキャンプサイトが木曽駒ヶ岳付近にしかないので、営業小屋を利用しないタイプの登山者にとって、木曽駒~空木岳縦走や、中央アルプス主脈縦走の際には利用価値のある小屋。

『檜尾岳(ひのきおだけ)』という、中央アルプス主脈にあるピークから少し下ったところにある避難小屋です。

なかはなかなかキレイで、備え付けのマットやシュラフもあり快適。ピークに近いため眺めも良く、近くに水場もあります。

過去に周辺で何件も遭難事故が起きているので、この避難小屋が建てられた? お盆シーズンに利用した際には、同行の嫁が夜に「何か」を見たらしいです。私は爆睡して気づきませんでしたが。

 

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三ノ沢岳(さんのさわだけ)

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2846m

個人的には中央アルプスで最も美しい山だと思っていますが、ナントカ名山に選ばれてはいません。

主脈からも離れているというのもあり、訪れる人も少なく静かな山行が楽しめます。これからもナントカ名山に選ばれることがありませんようにと願わずにはいられない。

千畳敷ロープウェイから行くと、島田娘までカールを登り切った後、一度三ノ沢のコルまで降りてから登り返すので、行き帰りとも距離の割にはちょっと大変です。

 

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千畳敷(せんじょうじき)

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千畳敷と宝剣岳

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千畳敷(上から見下ろした景色)

ロープウェイで来られる雲上の楽園。

ここから宝剣岳や木曽駒ヶ岳まではそれほど遠くないので、ロープウェイを利用すれば登山初心者でも3000m近い後方にも日帰りでアプローチ可能。そのおかげで、中央アルプス最高峰の木曽駒ケ岳が初心者向けの山になっている。

紅葉シーズン中など、混雑する時期には行き/帰りのロープウェイに乗るのに数時間待ちになることもあるらしい。ハイシーズン中、結構な健脚者なら待つより駆け上がった方が早いんじゃないのだろうか?

上高地と同じく、山屋さんにとっては登山の出発点/終点といった印象が強い場所。

 

中御所谷(なかごしょだに)

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中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイの真下を流れる沢。

日暮の滝から始まり、千畳敷でフィニッシュする沢登りの名ルート。

沢登りシーズン中である夏場などは、ロープウェイから見下ろすとたまに遡行者の姿を見ることができます。

 

宝剣岳(ほうけんだけ)

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2931m

千畳敷に降り立つと目の前にどーんと聳える岩のピーク。

千畳敷ロープウェイから近いので、比較的短い歩行時間でピークに立つことが可能。とはいえ、切り立った岩で形成されている山だけあって、滑落したら致命的。

夏場は整備された鎖が出ているのでまだマシですが、冬場は鎖が雪に埋もれてしまいます。オールシーズン訪れる人が多いだけに、チャレンジする人も多いので、毎年滑落事故が起きている印象。

冬場は雪のコンディション次第ではかなり難しくなります。

 

木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)

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木曽駒ヶ岳(写真左)

2956m 日本百名山

中央アルプスの最高峰。

中央アルプスは花崗岩の山で、急峻な地形があちこちに点在していますが、千畳敷から向かうと木曽駒ヶ岳ピーク周辺は滑落危険場所もなく、穏やかな地形になっています。「最高峰」&「登りやすい」という人気要素を併せ持っている山。

個人的にはロープウェイから登るのではなく、麓から登る木曽駒ヶ岳も悪くないと思いっています。下から登ると日本アルプスの高山だけに、結構登りごたえがあります。

 

上松尾根(あげまつおね)

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冬の上松尾根

あのウェストンも登った木曽駒ヶ岳への登山ルート。現在は木曽駒ヶ岳へ向かう登山者のほとんどが千畳敷・ロープウェイなので、登る人は多くないです。良いルートだとは思うのですが。

中腹にある金懸避難小屋とか泊まってみたいと思っているのですが、登山口からちょっと近めで泊まるには中途半端感がある場所なので、未だに泊まったことはないです。

 

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将棊頭山(しょうぎがしらやま)

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将棊頭山からの景色(1月)

将棊頭山から木曽駒ヶ岳へ向かう稜線は個人的にはすごく好きなルート。

将棊頭山までなら大した危険箇所はないし、冬でも時々登りに行っています。

登山口となる桂小場へはゲートが冬季閉鎖されていても、小黒川キャンプ場から桂木場まで30分程度の歩行で到着できるので、カッタルイ林道歩きが短くて良い。

 

 

山と高原地図 木曽駒・空木岳

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アルペンガイド11 中央アルプス 御嶽山・白山 (ヤマケイ・アルペンガイド)

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